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Prologue: Chastity
「和希くん、神様っていると思う?」
「え……なんで急に?」
「好奇心だよ、好奇心」
「そんな事言われてもなぁ……分かんないよ」
「だよねぇ……。なんで神様って絶対姿を見せないんだろうね?」
「恥ずかしいから、とかかな?」
「ふふ、和希くんって変なの」
東野 和希はその会話を思い出しながら家に帰った。
(悠里ちゃん、なんであんな事を聞いたんだろう)
そう思いながら、家の玄関を開けた。
「ただいまぁ」
「カズ、いつもより早くない?」と、姉の幸岐が首を傾げた。
「いいじゃん、別に。今日は誰も放課後に残れなかったんだもん」
「それなら仕方ないね」と、幸岐がため息をつく。
東野家は父、長女、長男の三人家族だ。母は和希の生まれる直後に亡くなっている。
それで責任が増えたせいか、和希と幸岐は仕事で忙しい父に代わって家事や料理をこなしている。父が有名なIT会社に勤めている為、金の不自由はない。
「じゃあ、僕自分の部屋にいるね」と、和希が階段を上りながらいった。
和希は洗面台の前で、鏡に映る自分の顔を見つめた。よく童顔だと言われる顔立ちに、茶色の目、そして後ろが跳ね上がった茶色の髪の毛。和希は自身を見て、溜め息をついた。
東野家の血は完全に日本人のものだが、彼の家族は茶髪の者が多い。和希や瑞稀も例外ではなかった。でも、父によると亡くなった母は黒髪だったそうだ。
この髪色のせいで、よく先生や友達に「お前、髪染めてんの?」と聞かれる。1度、中1の入学式の後に職員室に呼び出され、髪を染めることなど許さん、明日までに戻せと怒鳴られたことがある。幸い、小中一貫の学校で小学生の時の担任がたまたま中等部に移り、元から茶髪だという事を説明してくれた。
それでもなんやかんやで和希は今の人生が好きだった。勿論、母に会ってみたかったなという気持ちは失せない。しかし、何も文句がない生活をしている。
これでいいんだ、このままでいてほしいと和希は思っていた。何も変わらないで欲しいと願っていた。
それが、すぐに変わるとも知らずに。
えー、どうも!アメリカから投稿させていただいてます、Ken_Rouと申します。この小説はまだ試作段階で1話もまだ完成できてない状態ですが、1月末には1話をアップロードします!というより、自分のこのサイトでの処女作(?)がプロローグという、ある意味残念なスタートですが、これからもよろしくお願いします!
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