女性客が殺到!スタイリッシュな焼き鳥3店

焼き鳥屋にもつ焼き屋など、串焼きの店は店主の威厳がたっぷりだったり常連以外を受け付けない雰囲気があったりと、一見では入りづらいところが多いのは確か。ましてやひとりであれば、そのハードルはぐぐっと上がる。そこで今回は、一見でも、ひとりでも気軽に入れて、かつ絶品の串焼き屋をご紹介!

おまかせ6本コース¥1,700。1本1本見極めつつ、炭火を操りながら丁寧に焼き上げる

焼鳥HopDuvel

焼鳥屋らしからぬ店名と外観に興味を引かれる。ここではまず甲斐路軍鶏にこだわる、おまかせ6本コースを推したい。中村農場の甲斐路軍鶏を産地より丸ごと1羽仕入れて、串打ちをする。

銀座『バードランド』で修業した店主・堀晋福氏は、もともと本場の醸造所を訪れるほどの大のビール好き。

そこで現在の店では、焼鳥に合うベルギービールを選りすぐり、相性や好みに応じて提供している。

焼鳥×ベルギー麦酒で魅了。実りある“元気醸造所”

樽生3種類、大瓶5種類に小瓶10種類を用意し、レバーにはワイン樽で18か月寝かせた酸味のあるタイプを。山椒が香る皮には、ホップをふんだんに使った苦みのあるタイプで調和させるなど、一本一本に合わせた提案を行っている。

堀氏はソムリエのように、一歩も二歩も踏み込んだ最高の合わせ技で魅了する。正統派の美味な焼鳥を真っ向から受け止めるベルギービール。感無量だ。

料理はいずれもおまかせコース¥3,800 より。串は左から、もも、手羽、うずら。ももは一度皮を剥がしてから身に巻き直す、手羽は骨を抜くなど、細かい仕事が光る。うずらは半熟状態のものをタレに漬け込んである

こけぴよ

愛らしい店名に、白木を使い清潔感のある明るい店内。店の主役たる焼き鳥もまた、すっきりと上品な印象の佳店だ。

店長の川名直樹さんは、日本料理店での修業を経て、焼鳥の世界へ。そのプロフィールゆえだろうか、一品一品への手のかけ方が実に細やか。

串7本と希少部位のえんがわ焼きが楽しめるおまかせコース3,800円は、「タケイファーム」から届く旬の野菜の先付けから始まるが、たとえばある日は生食用のそら豆と2種類のカブとを盛り合わせに。

彩りも美しく、心を掴まれるプレゼンテーションである。

野菜は千葉「タケイファーム」より。みずみずしく力強い味わいがみなぎる

肝心な焼鳥も、また然り。人気の「もも」は、水郷赤鶏の皮を巻き直す際に裏側の余分な脂を外すから、皮はパリっと、身はジューシー。

「手羽」は「お客様が食べやすいように」と骨を外して焼くという妙技も。水郷赤鶏のほか部位によっては大山鶏も使い、それぞれの持ち味を存分に引き出す。

いろいろな部位と大葉、少量の長芋を混ぜた「だんご」も旨みがあふれているし、かじると黄身がとろりと流れだす「うずら」もたまらない。1本1本に思いやりと工夫が光る焼き鳥屋である。

奥から、ゴロゴロつくね串¥400。ボイルして65℃まで芯温を上げて、たれで焼き上げる同店の名物。新感覚の食感とスパイス使いに魅了されること間違いなし。おまかせ3 本¥550。今回はタン、フワ(肺)、レバー

晴れときどき・・・(ten ten ten)

東中野の商店街に今年3月オープン。

「女性一人でも入りやすいバー」をコンセプトに掲げる『tententen』系列のオーナー布施有美子さんと、もつ焼き屋と中野『焼き貝 久遠』を経た中島雄氏がタッグを組んだ最旬店だ。

「女性が気軽に楽しめるもつ焼き店を」という店内は白木やタイルを配した明るくナチュラルな雰囲気。煙がモウモウと立ち込める赤ちょうちんとは一線を画す。

多彩な部位に繊細な味わい。もつ焼き好きなら存分に謳歌せよ

もつは新鮮なまま生で仕入れ、部位によっては丁寧な下処理をほどこして調理する。タンカルビ、しきん、フワ、チレなど多彩な部位に、必食すべきはタンを刻んで混ぜ込んだつくね串。

クミンなどのスパイス使いも巧みで、フレンチの肉料理を彷彿させる垂涎の逸品。イタリア風のマリネで仕上げる冷製串を盛り合わせた「もつの冷製プレート」も、前菜にぴったりな是非もの。

美味に寄り添う酒は、アルコール度数高めで香りと味にパンチのあるクラフトビールのIPA(インディア・ペール・エール)に、国産を中心とした自然派ワイン。

ベストマッチなセレクトに、食は進む一方。女性が堂々ともつ焼きを謳歌できる一軒だ。

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