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ヤンキー構成 作者:酢昆布
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ふぉーりんらぶじゃ。

今日、生まれて初めて告白しました。



告白を決めたのは、昨日の夜。
じいちゃんのコロッケを食べながらだった。

「じいちゃん、俺、告白するよ」

普通の高2はそんな事、家族にぜってぇ言わないけど、
俺はじいちゃんと2人暮らしだったし、じいちゃんに話さない事何か無かったし。
俺とじいちゃんは親友だ。

ぜん、愛の告白か?」

「おうよ!」

「ふぉーりんらぶってヤツか。じいちゃんも昔、ばあちゃんに告白したものよ。玉砕じゃった...」

「孫が告白しようって時に、景気悪い話聞かすな!」

「すまんすまん。じゃあなんだ。じいちゃんと練習でもすっか」

練習だとぉぉぉ!
ここはしといたら間違いねぇ!じいちゃんはこう見えても恋愛のエキスパートだからな!

「たのんます!先生!」

「よっしゃ、じゃあ、じいちゃんを告白相手だと思って告白してみぃ」

じいちゃんをありさちゃんだと思って...似てねぇ、事もねぇかもな!

「ずっと好きっしたー!」

あ、ヤバいかんだ。

「ずっと好きでしたー!」

「あかんわ。なめとんのか。ふぉーりんらぶや言うとるやろ」

じいちゃんは、従兄弟が方言だったから、たまに方言を使う。本場から言わせると、似非だけよ。
んで、方言が出たときのじいちゃんはめっちゃ怖い。
一応この辺絞めてる俺が言うんだから間違いねぇ。ってあぁぁーー!!!!

「ああーー!じいちゃん、俺たち大事な事忘れてる!俺、ヤンキーじゃねぇかぁ!」

俺の指摘にじいちゃんも思い出したように目を見開く。

「そやったぁ!ヤンキーは怖がられるってドラマでやっとったわー!禅!はよその脱色した髪なんとかしろぉ!」

「おー!あ、でも髪はもう手遅れだ!じいちゃん俺、ちょっくらコンビニ行って髪染め買ってくるわ!」

「行ってきい!小遣いやるから、ほれ!」

500円を握りしめてセブンイレブンに向かう。夜風に当たっても俺のテンションが下りて来る事はなかった。
おぉぉ…これが告白前のテンションってやつかー!

自動ドアの開くのが待ちどおしい。髪染めの黒だ!黒!
とりあえず目についた物を引っ掴んで、レジまで持ってくと、レジのねえちゃんが怪訝そうな目で俺を見ながら言った。

「おにいさん、その髪染めたいんだったら、ちゃんとしたとこでやった方が良いよ。自分ん家でやると結構大変だから」

「マジかー!ありがとな!」

髪染めはあきらめてなにも買わないのはわりぃから、肉まんを買って帰る。

「じいちゃん!髪染めは無駄だってよ!」

「なんじゃてー!じゃ、ピアスじゃ!ピアス外せ!」

俺とじいちゃんは狭い洗面所に駆け込んでピアスを外して、のびてダルダルになった制服にアイロンをかける。

「じいちゃん、俺、変な顔してねぇか?!」

「大丈夫じゃ、お前はじいちゃんに似て男前だからな!ヤンキーになる前はらぶれたーいつもパンパンだったじゃろが!」

「お、おう!」

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こんな具合に、外見にも、告白にも念には念を入れて教科書と鞄の落書きも全部消して告白した。
昨日、じいちゃんと似てねぇ事もねぇとか思ったけど、嘘だわ!ちょー可愛い。

「ありさちゃん!ふぉーりんらぶ、っす!」

昨日じいちゃんに教わった通りに告白する。
耳があちぃ。きっと真っ赤だ。
てゆうか、自分の心臓の音しかきこえねぇ!

「えっと、二宮にのみや ぜんくんだよね..?」

「おう!」

うわー!名前知ってんじゃん!
ヤベ、超うれしい。

「あの、気持ちは嬉しいんだけど、お友達から」

よっしゃあああ!
実質振られてるけど、友達だってよ!
俺はぜってぇあきらめねぇ!

「ありがとな!!これからよろしく!俺の事は禅で良いから!」

「うん。よろしくね、禅く...禅」

こうして、俺と彼女のお友達生活は始まった。
かなり不定期な更新になると思います。
どちらかというと気分転換に書いて行くつもりですが、よろしくお願いします(^^)/
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