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理系男子のドラゴンスレイヤーストーリー 作者:小野銀河

プロローグ

8/13

第4話~黒染めアルティメットと俺の姉~

アルティメットなことは別におこりません。
「髪、染めようと思うんだ」

俺のその言葉を聞いて、姉のミユイは箸で挟んだじゃがいもを落としてしまった。
じゃがいもは幸い真下にあったご飯茶碗に拾われ、テーブルに落ちることは逃れた。

「グレたの?」

ミユイは若干涙目になりながら、両親代行としての責務をまっとうするために、優しい声で、しかし重みのかかった声でいった。
弟と妹をしっかり育てる。それが両親代行の責務らしい。ミユイが勝手にいってるだけだが。
親が死んだというわけではないが、職業柄帰ってくる日はほとんどない。
両親は、野生型虐殺兵器(ドラゴン)の対策機関゛゛O,H,C,E゛に所属しているためだ。
゛O,H,C,E゛は世界トップ3の力をもつ組織で、父は戦略参謀、母は兵器開発に携わっている。その割には庶民的な暮らしをしているのだが、それも姉の教育方針だ。
そのため、責任感の強い姉は、自分の方針になにか不備があったのではないかと今涙目になっている。
一般的に見ると髪を染めるくらいのことで『グレる』の対象には当てはまらないものだと俺は推測している、しかしそれは『よそはよそ、うちはうち』という保護者の定理が発揮され、この家では俺の推測は無下にされた。
まあ想定内だ。きっと姉ならそう言うだろうと、頭の中で予測した通りだ。だからこうして、ドラマが推理ドラマが終わった後、遅帰りの姉が夕食を食べている時、いわゆる『俺の間合い』の状況で、話を切り出したのだ。

「グレたとか、そういうわけじゃ無いんだけど、この髪色、落ち着かないくて」
第1話で記したように、俺ら兄弟は、DNAの影響上でそれぞれ色に違いはあるが、オレンジの髪をしていた。
それがどうも落ち着かない。

「でも、よくないと思うんだ、お姉ちゃんは。だってさ髪の色って、たぶんお父さんとお母さんから受け継がれるものなかで、体型の次に目立つ箇所だと思うの、それに、体型っていうのは、それに加えて、その人の生活習慣があらわれるでしょ、でも髪の色ってそういうのが無いと思うの。髪を染めるっていう行為もその人の生活の一つっていわれると困るけど、でも人が願って努力しても、髪の色は変わらないでしょ、だから・・・・・・」

いい言葉が見つからないのか、散々語ったあげく、台詞がつまった。

「宿命みたいな物だと思うの。生まれ持った先天的なもの。それを変えるっていうのは、あまりいいことじゃないと私は思うの」

ああ、哲学だ。哲学は苦手だ。ミユイは言葉がつまると哲学を持ち出して来る。その世界のことは詳しく知らないが、わりと道理をついている気がするのは、彼女の風貌や声色・・・・・・要するに雰囲気のようなものがそうさせるのだろう。普段の言動や挙動には若干の幼さが含まれているため、その雰囲気には気付かないのだが、それが失われると~たとえば、今のように~ミユイが纏っているものは最大限で発揮される。その威力は、もしミユイがどこかの教祖様で、信念の弱い宗教会員が勧誘してきたら、逆勧誘に成功する程度の力はあるだろう。
長身×巨乳×長髪×メガネの四要素に加えて、透き通っていて知性の帯びた声がそうさせる。だから俺も対抗すべく『間合い』をつくったのだ。
とはいっても、たぶんお互い結論は出ている。このまま衝突しても無意味だ。

「そうかも」

少し俯いて、僕はそう応えた。

「そうでしょ、だからやめときなって」

「そうだね」

一時の間。

「・・・・・・」

「・・・・・・」

もう一つ間。

「そんなに染めたいの?」

釣りをするとき、上手い人は獲物のリズムを乱すらしい。それと同じだ。
小心者で情の深い姉は、こういう間が嫌いだった。
だからそこを突いた。セコいですか。思う人はご自由に。

「派手じゃないよね」

俺は小さく首を縦に振って応える。
今より派手な色ってなかなか無いと思うがな。ツートンとか、さすがにそこまでしたら泣かれるだろうな。黒く染めるのが目的だから問題無い。

「じゃあ、いいよ。しょうがない」

唇を尖らせながらも、姉は了承した。よっしゃ。
その喜びを隠すように俺は小さめの声で「ありがとう」といった。


なんで黒染めしたいかって?だから、合わないからだよ。この髪と俺が。
それだけかって?いやかなり重要なことだろ。髪の色って。俺はそう思ってる。
やっとドラゴンとか出て来ました。

゛O,H,C,E゛て、なんて読むんでしょうか『オウス』ですかね。でも筆者のなかでは
゛OH゛ていうのは『オウ!』って感じなんですよ。だから『オウ!ス』ってことになりますか。

次回は彼らの両親登場です。やった!

ではでは。
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