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高校二年生の回想1
私は、電車通学で高校に通っていた。
家から学校までは大体四十分くらい。
決して近くはないけれど、そこまで遠くない距離だった。
最寄り駅から、学校の最寄り駅までの何駅か過ぎていくにつれて、私と同じ学校の制服の学生が増えていく。
その中に、私の友達、伊藤かすみがいた。
私は、少し混雑している人混みを通り、かすみに近づいていった。
「おはよー、かすみ」
「おはよー。あー、今日もめっちゃ眠いなー」
「ねー、もうほんと眠い」
かすみは今日も、肩の辺りまで伸ばしている黒髪はさらさらで、とても大人っぽい。
私にはない大人っぽさ。そして胸も私より大きい。
同じ年なのに、私とのこの差はなんだろうとか思うときがある。
「一限は数学の大滝先生だし、寝てよーかな」
「私も眠いから寝ちゃうかもー。あまり怒られるわけでもないし」
高校生ならあると思うけど、寝ちゃいけない授業と、寝ていてもいい授業がある。
これは、生徒内で勝手に決めていることだけど。
数学の大滝先生は、あまり寝ていることに関しては怒ったりしないので、寝ていても大丈夫な授業だ。
それに、大体一限目にあるから、朝、眠いときはそのまま寝てることが多い。
駅から歩いて五分、学校に着き、クラスに入っていくと、高坂ゆりが、すでに机に顔を伏せる体制で寝ていた。
ゆりは、私とかすみ、ゆりでよく一緒にいる友達だ。
「ゆりおはよー」
「おはよー、ゆり寝てるの?」
「あー、かすみちゃんとすうおはよー。寝てるよぉー」
かなり眠そうな声で、ゆりは返事をした。
「起きてるじゃん」
「起きてるけどー、でもこの体制じゃないと朝はやってられない……眠いー」
ゆりは、髪の毛を金髪に染めていてロングで、毛先はゆるくパーマがかかっていておしゃれ。
でも今は、金髪の髪の毛が、机に広がっているような感じで、顔を伏せて眠っている。
ゆりは、「チャイム鳴っても寝てたら起こしてー」なんて言ったきり、その体制のままだった。
一限目の数学の時間、ゆりは案の定寝ていて、かすみは、一応起きて授業を聞いているみたいだった。
私は、教科書とノートを開いて、なんとなくノートをとっている。
高校二年生の頃は、ついていけない授業はあまりなかったし、そこまで授業は嫌いじゃなかった。
私の席は窓際なので、たまに外を見たりするのも気持ちがいい。
いつもそんな感じで、授業が終わるのを待っていて、放課後になったら、かすみとゆりで残って話したり、遊びに行ったりしてその一日が終わる。
でも、私にはそれが楽しかった。
なかなか話が進まない……
気長に書きます。
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