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プッチンプリンと俺の願い [只今執筆休止中です] 作者:やさきは

始まったトーナメント

29/29

二十七話

 良い一日は、良い朝から始まる。

 と考えている人間は、この世界にたくさんいると思う。

 いやぁ、まったくその通りだと思うよ。良い朝を迎えたとき以上に一日が華やかに見える瞬間なんて、俺の理論上ありえない。

 大袈裟に言ったけれど、とにかく、良い一日は良い朝からだ。

 そして良い朝というのは良いシチュエーションに、良いシチュエーションというのは良い状況設定に基づいていると言っても過言ではない。

 カーテンを開けると朝の日差しが部屋に降り注ぎ、窓を開けるとそよ風が家を通り抜ける。

 なんて気持ちのいい……

 さて、良い朝と状況設定の関係性についての仕組みを紹介し次に、今の俺の状況設定を紹介しよう。

 現在俺は、この今にも倒壊しそうな一軒家に一人暮らし。家具は少なく、金もない。

 寝室を兼ねた俺の部屋には、通常なら古びたベッドと勉強机が一つずつ。しかし今は、それらに加えてたたまれた敷き布団が置いてある。

 ベッドと敷き布団。まさに和と洋の同居。

 そう。俺は今、小学生来の幼馴染と一つ屋根の下、てゆーか同じ部屋で寝ているのだ。

 さればこそ、俺は良い一日をおくるのに必要な『良い状況下』にある、ということさ。

 朝は幼馴染に優しく起こされ……

 そして台所からはトーストのいい匂いが……

 朝食後は別々の部屋で学校の支度をして、一緒に登校……

 わぁすごい。これなら素敵な一日がおくれそうだ。

「…………」

 これが俺の理想である。まるで夫婦のような仲。連理の枝とも言う。




 今日の朝の流れは、こんな感じだった。

 まず起床。幼馴染の異性が俺を優しく起こす――


「大変だ翔、遅刻だ、遅刻するぞ!」

 秋乃は俺のかけ布団を引っ剥がすように取り上げて、体を力任せに揺らして、大声で俺を起こそうとしていた。

 すごく耳に響いた。

「お、おい……ちょっと、待ってくれ……。今日って、日曜日……だよな?」

 頭は働かなかったけど、この日学校がないことは、なんとなく本能で理解していた。

「そうだ、日曜日だ。だが遅刻するんだ!」

 秋乃の言っていることがよくわからなかった。

 この日、何か予定があっただろうか。と、頭の中をまさぐった。

 もしかしたら大切な予定を忘れているのかもしれない。そんな危機感が俺の目をだんだん覚ましていった。

「すまん秋乃、俺って今日、何か予定あったっけ?」

 秋乃は首をかしげた。

「お前がか? そんなことを私に聞かれても……」

 ……?

 あれ、秋乃は俺が遅刻するから起こしたんじゃないのか? なのに俺の予定を知らないって……

「とにかく、遅刻してしまう。早く起きてくれ!」

「すまん秋乃、何に遅刻するんだ?」

「何を言っているのだ。部活に決まってるだろう」

「……いや、今日日曜日だろ? 魔界(漫画研究会の略称)は日曜日に活動とかないから。だから、今日俺は遅刻しないんだよ」

 そう言うと、秋乃は再び首をかしげた。

「そんなことは知っているぞ」

 俺も首をかしげる。

「えっと……じゃあなんでわざわざ俺を起こしたの?」

「遅刻するからだ」

「誰が?」

「私が」

「ざけんな!」

 よもやここまで秋乃が愚かだとは思わなかった。

「だからほら、早く起きろ。遅刻する」

 怒りの感情がふつふつと湧いてくる。

 殺意を覚える、という言葉の意味をよく理解した瞬間だった。

 俺は秋乃をボコボコにするのだが、描写に値しないので割愛したい。



 ――とまあ、優しく起こしてくれる筈などないのである。

 ボコボコにしたというのは嘘だけれど、怒鳴り散らして部屋から追い出してやった。

 これが起床。

 次は朝食。幼馴染は俺のために朝食を用意してくれて――



 なんて夢のようなことが起こるはずがいことは、想像に難くないと思う。

 一応心配になって居間に来てみると、秋乃はトーストをくわえながら、ちょうど学校指定のスカートをはいている所だった。

「翔の変態! 見るな!」

 秋乃はくわえているトーストを手にとって言った。トーストは、よく見るとまったく焼けていなかった。

 なにしろ着替え途中だったもので、パンツが見えてしまった。上半身も下着一枚だった。

 しかしまだ頭がはっきりしていなかったので、俺は特に感じる所もなく、冷ややかな目線を向けた。

「家の真ん中で着替えてる方が悪いだろ」

「じゃ、じゃあノックぐらいしろ!」

「自分の家の居間に入るのに、なんでノックしなきゃいけない……。それにドア開いてたじゃん」

「そ……それでも男がすべて悪いのだ!」

 そんな偏った知識をどこで仕入れたのか。

「秋乃、そんなことを言っている間に、さっさと着替えたらどうだ?」

 俺が指摘すると秋乃はハッとして、慌ててトーストをくわえ直して、スカートをはいた。

 それでもまだ上半身がゆゆしき事態なので、俺はため息をついて、秋乃に背を向けて椅子に座った。

 本当に最近、しかも急にだけど、秋乃にも羞恥心が身についてきたことには少し感心した。これが父親の心境だろうか? 

 テーブルの上には、トースターがコンセントを差し込んだままで置いてあった。

「なぁ秋乃、このトースターついに壊れたか?」

「あぁ、動かなかった。能力で直そうとしたのだが、それでも駄目だった。だからこのまま食べた」

 このトースターは前にも一回壊れていた。その後トースターを一度修理してもらったが、また壊れた。秋乃が時間を戻して、丁度一回目に壊れた状態に戻ったということだろう。なんとも不運な。

 もう着替え終わったかなと振り向くと、秋乃はトースト改め生パンをくわえながら制服を着るのにてこずって、まだ制服を着れていなかった。

 それにしても、本来パンを加えながら準備をするという行為は時間短縮ためのはずなのに、それで時間を浪費するとは……。なんと哀れな光景だろうか。

 秋乃が突破口を見いだせないようだったから、俺は生パンを秋乃の口から引っこ抜いた。生パンには、小さくかじったような跡ができていた。

 秋乃は生パンを全然食べれていなくて、パンくわえてる意味が皆無だった。

 さすがに生パンだけで食べるのはキツそうだと思って、ハチミツを薄く塗っておいた。見てると腹が減ってきて、跡が付いている方の反対側から一口、二口頂いた。

 どうしようもなく、生だった。

「ああ! 翔の阿呆、私の――」

「とりあえず服を着ろ」

 秋乃の制服を指さすと、秋乃顔を赤くして、思い出したように制服を着始めた。そして少し間をあけて、

「翔の阿呆、私のトーストを食べたな!」

「言い直さんくてもいいから……。あとな、俺はこれをトーストとは呼ばせないからな。ほらよ、ハチミツはサービスだ」

 生パンを秋乃の口に差し込むと、ハチミツが効いたのか秋乃はとろけそうな表情をしてそれ以上言わなかった。

「なぁ秋乃。絶対時間の無駄なのにさぁ、なんで生パン食べながら準備してるんだ?」

 俺が聞くと秋乃は得意げに笑って答えた。

「阿呆だなぁ、翔は。そんなの簡単だ。急いでる時はトーストをくわえるものだろう?」

 この時代の天然記念動物として、俺はその習性を尊重することにした。朝、パンをくわえて走る女子高生は極めて珍妙で稀少だ。

 俺はしばらく、パンをくわえながら部活の準備をしている秋乃を観察していた。




 ――というのが朝食シーン。この様子をご覧になればわかるでしょう。この家に俺の理想の女の子はいない。

 多少騒がしいのは賑やかでいいけど、朝はもっと静かに、おしとやかに過ごしたいんだ、俺は。

 そうして現在に至っている。

 朝日を浴びて、これまでのことを思い出しながら、理想の女の子像について考えていた。

「どうでしょう、この目覚めの悪い朝は。さっきの俺の説を裏返せば、良い朝を送れなければ、良い一日は送れないはずなのに……」

 窓から身を乗り出して呟いてみる。

「翔、いったい誰に話しかけているのだ?」

 秋乃がこちらを向いて聞いてくる。

「俺の気持ちを理解してくれるはずの、どこかの誰かに、一方的に話かけしてる」

「ふむふむ、なるほど。つまりは独り言なのだな?」

 秋乃にしては鋭いが、ハズレだ。俺はお前に文句を言っているんだ。

「てか、お前は手を動かせよ。遅刻するんじゃなかったのか?」

「…………! しまった、そうだった」

 秋乃は再び準備を始めた。

 さっきの続きだけど、俺にも理想の相手というのがある。

 俺の求めてる理想の女友達、もしくは恋人、別に理想に適っていれば男友達でもいい。十年前からずっと探してきたけれど、そんな人間は、多分この世界にはいない。

 生きている中でわかってしまったんだ。理想が高すぎたんだと思う。

 魔界の後輩や同期の藤田みたいに、二次元の世界に行けば会えるかな? しかし、なにぶん俺には金がない。

 現実に俺の理想の人間がいたなら、俺はどんな手を使ってでも手に入れるだろう。

 そんな人間がいたら……だけど。

「はぁ……秋乃がもっと可愛くては世話好きで常識人で優しくて――その上で天然ならなぁ……」

 俺が冗談で言った独り言を、どうやら秋乃は聞いていたようだった。

「何!? 翔よ、今の私では不満だと言うのか!」

 小声で言ったのに、聞こえたのかよ……

 秋乃の心底驚いているような表情もどうかと思うけど。俺が今のお前に満足していると、本気で思っていたのか? 今日の朝のことがあってよく言えるな。

「むむむ……そんなこと、微塵にも考えなかったぞ」

「その自信はどっから来るんだ。もっと謙虚になりやがれ、ってんだよ」

 秋乃の自信過剰さにはため息がでる。……けれど、それも慣れたものだ。

 それに、秋乃は俺の理想の人間にはなりえない。これは随分前からわかっていたこと。ゆえに、さっきの愚痴は冗談だ。

 秋乃という人間は、ちょっと離れた所から観察することしかできなくて……でも、それが一番なんだ。魅力的で、他の何よりも自由な蝶。それが秋乃だと思う。

「それじゃあ、行ってくるぞ」

 気付くと、秋乃は準備を終えていた。今にも走りだそうと、その場でかけ足をしている。結局、トーストはあれから消費されなかったようだ。

「あ、ちょっと待ってくれ」

 玄関に向かって走り始めた秋乃を制止する。そして、振り返った秋乃にラップで包まれたおにぎりを二つ投げる。

 のりは巻かれていないけど、塩はサービスしてある。

 手の上で金魚のように暴れる二つのおにぎりを、秋乃は抱えるようにしてなんとか受け止めた。

「なんなのだ、これは」

「見てわからないか? おにぎりだよ、おにぎり。お前、その生パンだけじゃ体持たないだろ」

 俺の知る限り、秋乃は今日生パンしか食べていない。部活は楽ではないらしいし、少し危ないと思ってのプレゼントだ。

「いや、私にはこれがあるから大丈夫だ」

 秋乃がカバンのポケットから『おしゃぶり昆布』を取り出して、キリッと言った。

 まったく、あきれたもんだよ……

「あのなぁ、お前は大丈夫かもしれないけど、お前の身体は悲鳴上げてるんだよ。精神論かましたっていいことないからな」

「……そうなのか? むう、翔が言うからには間違いないのだろうな。じゃあ、ありがたく貰って行くぞ」

 秋乃は満面の笑みを浮かべた。おにぎりをカバンに突っ込もと、手に持っていた袋を俺に投げ渡した。

 その袋を見て、俺は愕然とした。

「それはお礼だ。じゃあ、行ってくる」

「お、おい、これって――」

 物を聞く時間すら与えずに、秋乃は風のように家を出て行った。

 俺はしばらくその場を動けずにいた。

 恐る恐る、手に持っている物に視線を落とす。

『おしゃぶり昆布』と大きく書いてある。手には、確かに袋の感触がある。頬をつねるといたい。

 どういうことだ……? 秋乃が他人に塩昆布を、しかも袋ごと譲るなんて――こんなの初めてだ。

 いまだに驚きと困惑が俺の中をドロドロとしている。

「これは、もしかすると……」

 俺はとりあえず『おしゃぶり昆布』の袋のチャックを開けて、塩昆布を一本、口にくわえた。

「事件が、起きたのか……?」

 塩昆布はしょっぱくて、噛みごたえがあった。





〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓




 秋乃がおかしくなった。

 秋乃にもらった(んだと思う)塩昆布をおかずにご飯を食べながら、俺は考えていた。

 秋乃が命の次に大切にしている塩昆布を他人に譲ることの異常性を、俺はよく知っている。秋乃が塩昆布を他人に譲るのは、それ自体がとても深い同情や励ましの現れなのだ。

 小学生の頃、俺が大泣きしていた所に秋乃がやってきて塩昆布を一本くれた。なんで泣いていたのかよく覚えていないぐらい、昔の話だ。

 中学生の時、骨折で入院していた所に秋乃がお見舞いに来てくれて、塩昆布を一本くれた。

 それから、一番忘れることが出来ないのは、俺と秋乃が最初に会った時のこと。一番昔のことだけど、これだけは忘れられない。白くぼやけた記憶の中で、一番輝いているものだ。

 ――いやしかし、今回のは異常だ。秋乃にとって命の次に大切なもののはずなのに……。しかも、それを何の理由もなく他人に譲る。

 これには何かのメッセージがあるのだろうか?

 それにもう一つ。俺が秋乃の下着姿を見てしまったとき。あの秋乃が顔を真っ赤にして……というと言い過ぎだけど、とにかく恥ずかしがったのはどういうことなんだ?

 アイツにも外で服を脱ぐなんて気違いざたを起こさない常識はある。しかし、自他ともに家の中では誰に痴態をさらそうと裸体をさらそうと、よっぽどじろじろ眺めなければ気にとめることはなかった。

 だが、今日は違った。

 俺は秋乃の着替え途中、あの時は上下ともに下着だけだった。

 今までの秋乃なら、真っ裸を見られても特に恥ずかしがるような反応はしなかった。当然俺もじろじろと秋乃を観察するわけではなく、懸命に目を逸らしながら、チラッ、チラッと……。

 いや、やっぱり見てない!

 それに対して今日は、見ようとしたわけでもないし、思ったわけでもない。たった一瞬、目に入っただけだった。

 なのにあの恥ずかしがりようは何なのだろうか。ちょっとかわいいとは思ったけど、それ以上に秋乃の人物像への違和感が大きい。

 まるで秋乃が秋乃でないような……

 これはやはり事件なのだろうか? それとも誰かの陰謀か。

「陰謀って言ったら、もう一人しか思いつかないけど……」

「お呼びかな? タマちゃん」

「うぉお!」

 俺は座っていた椅子から飛び退いた。そのまま距離をとって、今まで自分がいた場所を見る。

 ヤツがいた。ヤツが現れた。ヤツが来た。ヤツが見えた。ヤツがヤツがヤツがぁああああ。

 ヤツは椅子の下で頭を抱えている。どうやら俺が飛び退いた時にぶつけたようだ。

 そのうめき声はまがう事なき青髪のものだったが、一体どんな事故が起こったのだろう、髪の色は金色になっていた。

「ちょっとぉ、ゴキブリでも見るような目でこっち見ないでよ」

 長い金髪で顔のほとんどが隠れていて、表情が伺えない。むしろホラーだ。

 なるほど、と俺は理解した。コイツが現れるとは、良い一日を遅れないのはどうやら事実らしい。

「いってたたたぁ……。今日もツいてないな~」

 青髪を改め金髪の少女は、おでこをさすりながら椅子の下から這い出てきた。金髪が顔を隠しているのは、さながらゾンビのようだ。ゾンビAが這い出てきた。

「ふぅ」と少女は息を吐き、長い金髪を書き上げた。

 真っ白な肌とうっすら赤い唇に、夜空の光を集めたような金の瞳が目の前に現れた。

 窓からさす朝日の光はやはり彼女を照らしている。水辺に降りたった小鳥のように無邪気で、現実離れしていながら彼女は美しかった。

「やぁタマちゃん。なんか呼ばれた気がしたから来たんだけど」

 金髪金眼の少女は軽く手を挙げて、ニコッと笑った。

「呼んだ覚えはない!」とほぼ反射的に反論しようとして、口をつぐんだ。秋乃の異変を誰かの陰謀だと考えたとき、真っ先に浮かんだのがコイツだったからだ。

 非常に不本意だけど、呼んだと言えばその通り。まぁいいや。

 それより、やっぱりコイツの読心術には気をつけなきゃな。何を聞かれているかわかったもんじゃない。

「フフ、ウフフフ」

 気をつけなければと思った矢先、金髪の少女は薄ら笑いを浮かべながら顔を近づけてきた。俺は段々とのけぞる格好になる。

「な、なんだよ」

「フフッ」

 息をすればかかってしまいそうな距離まで近づいてくると、少女は再び離れた。

 なんだ、なんなんだ? 心の中を読まれたか? コイツの目的はなんだ?

 のけぞったまま固まってしまったような身体を、なんとかもとに戻す。

 俺が注意深く少女を観察していると、少女はクスクスと嘲るように笑った。

「ねぇ、今タマちゃん。今君が考えていることを教えてあげようか?」

「別に、いいよ。そんなの俺が一番よくわかってる」

「じゃあ当ててあげようか」

 俺はゴクリと息を呑む。そうさせるような雰囲気が、少女にはあった。

 俺は何をが考えていたんだ。コイツは俺の、内側をどこまで覗いたんだ……

 周りが静寂に包まれた。

「そんなの決まってる……」

 少女は視線をさげてニヤニヤと笑っていた。

 そして突然腕を突き出してグッと親指を立て、パチリとウインクをした。

「金髪の私もイイなっ!」

「…………」

 肩の力が抜けると同時に、呆れてため息がでた。

 前言撤回しよう。コイツに読心術は使えない。てか、この間電車の中で言ってなかったっけ?

「ちょっとタマちゃん、なにその期待はずれな顔は。失礼じゃん!」

「じゃあ、もっと当たりそうなこと言えよ」

「言ったつもりなんですけどぉ……」

「なはは、そりゃ残念だったな。神様」

 少女は頬を膨らませて俺を睨んだ。

 いやぁ、まったく愉快だ。コイツに勝ったような気がして、こんなに愉快になれるとは……

 思わず頬が緩んでしまうけど、歯を噛みしめて平然を装う。

 そんな俺に気付いたのか、少女はフンッ、と鼻を鳴らして髪をなびかせた。すると髪の金色は頭の方から空のように透き通る青になった。いつの間にか、瞳の色もアイスブルーに戻っていた。

 今更ながら金髪も悪くないと思うけど、そんな感情は一切面に出さない。余裕があれば、ポーカーフェイスは得意だし。

 いゃあ、しかしまぁ……

「……なんか勝ったわ」

「だまらっしゃい、タマの助」

 青髪が反抗するので、さらに優越感を感じる。

「まぁまぁ、いいじゃないか負けたって」

 飛びかかってきた青い獣を、俺は虎の赤ちゃんを扱うようにいなした。落下した獣が喉を鳴らして威嚇していた。この動物の頭を撫でてみると、猛獣が懐いたみたいで面白い。

 なんて可愛いんだ……。いや、小動物的な、という意味でだ。……さて、手を噛まれないうちに身を引くか。

 俺は言葉巧みに青髪をなだめて、ゆっくりと手を離した。

 青髪は満足していないようだけど、俺は満足したので、そろそろ本題に入ろうと提案することにした。

 どうせ今回も、ただ暇つぶしに来ただけではないだろうし。

 俺は青髪から手を離し、少し離れた。

「ん? どうしたのさタマ次郎。なんか本題に入りたそうな顔して」

「……お前さ、やっぱり読心術使えるんじゃないの? 通常の人間はお前のようにピンポイントで思考を読めない」

「いやいや、使えないよ。顔に書いてあるんだって」

 だとしたら、俺のポーカーフェイスはポーカーフェイスでなかったと。自信はあったんだけど……。あぁ、そうか。これが人生経験の違いってヤツが。

 この人外は千年以上は軽く生きているのだと予想している。まさか見た目相応の歳ではないだろうし。

 予想される年齢とこの人格のギャップに思わずニンマリとしてしまうと、思い切りスネを蹴られた。

「痛っ! 俺のスネがっ」

「痛っ! 私の足の指がっ」

 馬鹿かコイツ!

 俺はスネを抱えて飛び跳ね、青髪は明日の指を掌で覆って飛び跳る。狭い部屋がまるでお祭り騒ぎだ。

 ってそういう話題じゃなかっただろ。

 それぞれの痛みが薄らいで静かになった時を見計らって、俺は話を切り出した。

「――ん、そういえば青髪。ミラミラ……じゃなくて、ミラさんは来てないのか? お前の保護者の」

「なにを言うのかな。私たちには保護者も何もないんだよ。あえて言うなら、私が保護者」

「どーだか。性格的にどっちが適当か」

「私だね。保護者たるもの、明るく元気に、ユーモアにあふれていなければ。あとは楽しんでれば、それ以上何もいらない」

 どんな保護者だよ。社会が心配だ。

「とりあえず、お前が誰の保護者でもなくて安心した」

 俺が笑ってからかうと、青髪はぷくうと頬を膨らませた。

 まぁ、最初の質問自体が冗談のようなものだ。これ以上膨らませる必要もない。おそらくミラミラ……ミラさんはここには来ないのだろう。ミラさんは見かけによらずドジっこらしく、あの人のドジっぷりを見られないのは残念だ。

「何さ、そんなにシュナイダーに会いたかったの?」

 シュナイダー? これまた驚いた。ミラさんのニックネームはそこまで意味不明になっていたのか。これはもう青髪のセンスを疑うしかない。

「なんかな、お前とミラさんは二人で一セットみたいな感じするから。なんとなく」

「ふうん。そう……見えるのか。ふんふん」

 青髪は腕を組んで何度か頷いた。いったい、何を納得しているのか。俺には読心術も顔に書いてある文字も読めないので、それを知る術はない。

 青髪が思考から帰ってくるのを待つのは意味がなさそうだから、いくつかある本命の話題の一つを出すことにした。

「ミラさんはいいとして、秋乃の話だ」

 俺はさっきまでの出来事を思い出しながら話し出す。

「最近、っていうか今日だな。秋乃がおかしくなったんだ。お前、なんか知ってるだろ」

 さりげなく塩昆布を一本さらった青髪は、見るからに不機嫌そうな顔をした。

「なんか知ってるだろって、私が犯人だと決めつけているね、タマちゃんは。それって凄く失礼なことだと思うんだけど」

 青髪は手に取った塩昆布を口に含むと、そのまましゃぶり始めた。おい待て、そいつは俺のだ。

「失礼だと思うのは、お前の自覚が足りないからだ。お前以上に怪しいヤツがどこにいる」

 青髪は塩昆布をくわえたまま、不機嫌な顔をさらに歪めた。

「言っとくけど、私はなんにもしてないからね」

「じゃあ誰がやったんだよ。お前じゃなかったら」

「いるでしょ、一人」

 一人? どこの誰だ。

「学校の子だよ」

 そんなヤツがいるのか? 秋乃をおかしくできる人間が、俺の学校に。

「こう言えばわかるよね。アルファベットの大文字のAに子供の子。A子ちゃん」

 俺は思わず息を呑んだした。

確かにアイツなら、秋乃に何か吹き込むかもしれない。という意味を汲み取って息を呑んだのではない。それは別の理由だ。

 青髪が『A子』という文字(・・)でアイツのことを呼んだということは、あの出来事を知っているということになる。記憶と共に、いまだ完全に消えない罪悪感が俺の胸をかすめる。

「見てたのか?」

「ううん、聞いただけ」

 青髪はニコニコしながら答える 見てたのか、聞いたのか。本当はどうでもいいことなのだ。

「あ、あとね、犯人はA子ちゃんだけど、この事件には共犯がいるんだ。けど……教えてあげない」

 それは誰だと聞こうとして、先回りされた。教える気はないらしい。ただ、俺もそれを知ってそいつをどうこうしようという気はない。だから深追いはしない。

 青髪はいつの間にか塩昆布一本を食べ終えていて、早くも次の一本に手を伸ばそうとしていた。

「待て、それは俺のだ。それ以上勝手に食べるな」

 俺が手を伸ばして青髪の腕を制止させようとすると、青髪はもう片方の手で先に俺の手を掴んだ。

「いいじゃん。どうせあんまし好きじゃないんでしょ? 塩昆布」

「嫌いでもない、と言っておく。今だって食べてたぜ」

「でも、ご飯には合わないでしょ」

 まぁ、それは否定しない。塩昆布はご飯のおかずにするには固すぎて、なかなか噛みきれないから正直食べにくい。確かに塩味はいいが、これは炊飯器の中に入れるのが正解かもしれない。

 ……正解か? まぁいいや、まだたくさんあるし、今日の夜にでもやってみよう。

「じゃ、貰ってくよ」

「あっ」

 青髪は俺の沈黙を肯定と捉えたのか、塩昆布を袋の中から抜き取って、パクッと口にくわえた。

 俺はすかさず塩昆布の袋を取り上げ、青髪の手が届かないよう体の陰に隠した。これ以上取られたら、今日の晩飯の献立がいっそう悲しくなる。

 青髪は塩昆布をくわえたまま、無表情で俺を見上げた。

「それで、タマちゃんはどう思ってるの」

 どう思っているか、とは……

「そりゃ俺だって、塩昆布はご飯に合わないと思う」

「あ~、そうじゃなくて……」

 青髪のため息が、ふさがった口の代わりに鼻から漏れた。そして困ったように頭をポリポリとかく。

「私が聞きたいのは、秋乃ちゃんの変化を、タマちゃん自身が、どう思ってるかってこと。まったく、わざとやってるの? まぁいいけどさ」

 青髪が怒る理由がよくわからない。この状況下でご飯の話だと思うのは、ごく当然のことじゃないか。俺は眉をひそめた。

 でも、ご飯の話なんて今更だ。俺は青髪に言われたことを考えることにした。

 秋乃がおかしくなったことに対して、俺が抱く感情は何なのだろうか。――答えは、さっきでたばかりだ。

 まるで、嫁に行く娘を見送る父親のような感情。実際に娘を持ったことはないから、予想に過ぎないのだけど。

 ――いや、本当はそれだけじゃない。心の深いところには、もっとはっきりとした感情があるんだ。嫁に行く娘を見送る父親のような感情、なんてのは、平然を装うための偽物の感情。それは自分でもわかっている。

 本当の感情は人に知られたりはしたくない。それどころか、自分でも考えたくない。

 俺は本心を隠し、偽物の感情を伝えることにした

「いいよ、話してやる。俺が思ってることは――んむっ」

 しかし俺のもとまでひらりと近づいてきた青髪に唇に人差し指を置かれ、言葉を制止させられた。

 青髪の上目遣いの視線に、いつもとは違う理由で緊張する。

「やっぱり、タマちゃんは言わなくていい。タマちゃんの気持ちを、私が代弁してあげる」

 青髪は俺を見上げたまま、ニッコリと笑った。そして俺は、コイツに嘘は通用しないのだと悟った。

「幼かった秋乃ちゃんも当然のように成長して、世間知らずのトラブルメーカーから、だんだん普通の、一人の女になっていく。やっと秋乃の馬鹿も治ってきたかぁ、秋乃も大人になっているんだなぁ……。と、タマちゃんは感心しました。めでたしめでたし、パチパチ」

 青髪の人差し指が唇から離れる。俺は目の奥をのぞき込まれるように、アイスブルーの瞳に見つめられた。

「ううん、違うよね。タマちゃんはそんな風には思っていない。そんなのは上っ面だけでしょ? 」

 青髪が首を少し傾けて聞いてくる。俺は、反論はしない。

「秋乃ちゃんが変わっていくのが、タマちゃんは嫌なんだよね。タマちゃんはそれが心配で仕方がない。不安で今も震えてる。秋乃ちゃんが普通の女になっていくのが、タマちゃんはどうしても怖いんだ。――そういえばちょっと前、タマちゃんはこう言ってたよね。秋乃ちゃんは誰にも捕まらない蝶だって」

「…………」

「でもね、残念ながらそれは違う。タマちゃんの考えは客観的事実じゃなくて、ただの理想像にすぎないんだよ。秋乃ちゃんだってね、素敵な男の人が現れたらサラッとどっかに行っちゃうよ? 要するに、タマちゃんは秋乃ちゃんにこう望むわけだ。秋乃、お前は誰にも捕まらないでくれ。俺にだって捕まえないように。今のままでいてくれって」

「…………」

 そんなこと……

「でもちょっと考えれば、それってむなしいよね。秋乃ちゃんにずっと今のままでいて欲しいなら、剥製にするか時間を止めるしかないんだから。変わらない人間なんて、この世のどこにもいない。もしいたら、そいつは人間じゃないね」

「やめろよ……もういいだろ」

 青髪は口を止めない。

「でもね、皮肉なことにタマちゃんにはそれができるんだよ。アハハ、大丈夫。三分クッキングより簡単だから。手順は、タマちゃんの『時計』を秋乃ちゃんの中に埋め込んで、そのまま『時計』を壊すだけ。するとあら不思議、秋乃ちゃんは未来永劫動きません。もちろん、誰のものにもなりません。めでたしめでたし」

「違う! 俺はそんなこと望んでない!」

 俺は思わず大声を上げた。頭の中が熱くなって、思考がまともにできない。

 そして青髪は、あたかも俺が否定するのを待っていたかのように、唇の左右をつり上げた。待ってました、と言わんばかりに。

「タマちゃんがそれを許さないのは重々承知だよ。――だから私がここに来たんだよ」
 青髪は顔を俺の顔に近づけて息がかかりそうなくらい近くまで来ると、青髪は俺の横を、すり抜けるかのように通り過ぎた。

 青髪はすぐに、くるりとこちらに向き直った。空色に透き通った長髪がふわりと後に続く。

「タマちゃんが私に聞きたかったこと、もう一つあるでしょ? 今日、なんで私がここに来たか。その理由、目的を知りたいんだよね」

 まったくその通りだ。青髪が理由もなく俺の前に現れることはないだろうと、俺は考えていた。

「とりあえず、二回戦突破おめでとう」

 青髪は屈託のない笑顔でそう言った。心の中でも同じように笑っている、そんなわけがないと俺はしっかり理解している。

「タマちゃんはもちろん覚えてるよね、優勝者にはみんなが欲しがる豪華賞品をプレゼントしま~す、って言ったの。でもみんな、何がもらえるかわからないまま大切なものを賭けて闘うのも、なんかアレでしょ? だから三回戦まで進んだ参加者には、優勝賞品が何かを教えてあげることにしてるんだ」

 豪華賞品。みんなが欲しがる。優勝賞品。中身はわからないけど、俺の心を動かすものはなかった。俺が望むものはそんなものではないし、そのために自分の大切なものを賭ける気も、他人の大切なものを奪う気もない。俺は今まで、あくまで自己防衛のために闘ってきたんだ。

 俺の一番大切なものは、午後三時にプッチンプリンをたべること。その習慣、気持ち。――ただ、それだけだ。

 一方、俺が一番欲しいものもある。ただ、それを手に入れらるのは多分無理なこと。優勝賞品とか、そういう『物』ではないこと。それはもう理解している。

 だから俺は、別に優勝賞品に期待なんてしていなかった。

 そう、思っていた。

 しかし青髪は、そんな俺の心底を見透かしているかのように笑っていた。

「ふふふ、当然『みんなが欲しがる物』なんて物理的に存在しないよ。ただね、結局はみんなの望みが適うんだ。これは言葉遊びでなければ、特に難しい意味もこめられていない。そのままの意味だよ」

 青髪は一つ咳払いをすると、つまり、という言葉で少し間をあける。

「優勝者には、どんな願いでも何でも叶えてあげる。この私がね」

 その言葉を聞いたとき、俺の中で何かが変わった。つまらない夢から醒めるように、つまらない現実がその景色を一変させるように。

 どんな願いでも叶える、と。青い髪の少女はそう言ったのだ。それはつまり、俺の願いも叶うということなのだろうか。

「タマちゃんもそろそろ、心の底から本気で闘ってみない?」

 少女は俺に、雪で作られたかのように白くて儚い手を差しのべた。

 ここで俺はふと気づく。俺と青髪の少女の立ち位置が、最初と入れ替わっていたことに。

 そのせいだろう。明るい窓際に立っている俺は、部屋の中が夜よりも暗く見えた。少女の顔にも影が落ちている。

 願いを叶えるということが事実が否かは、聞いて確かめる必要もない。少女の暗い笑いが、それを事実と伝えていた。

 俺は何の躊躇もせずに、少女の手を取った。

「別に、今までだって本気だったさ」

「ふふっ、じゃあこれでもっと本気になれるね」

 少女の腕を握って、確かな感覚を得た。しかしその感覚はすぐに消え、少女の身体は、たくさんのちいさな光の玉が弾けるように消えた。

 少女の雪のような腕は、見た目の通りひんやりとしていた。

「――なんて都合のいい話……」

 結局机の上には秋乃にもらった塩昆布が、俺の右手には青髪の手の冷たさが残った。

 きっとあの塩昆布を取って口に入れれば、塩っ辛くて温かい味がするのだろう。

 でも塩昆布は、食べていればいつかは無くなってしまう。そんなことになるくらいなら――

「残念ながら、行く道なんてずっと前から決まってるんだよ」

 深い海の底に呟くように、俺は言った。

 きっと、俺の願いは届く。誰に負けてやるものか。俺のプリンは、誰にも奪わせやしない。

 俺は右手の冷たさを感じながら、その手を握りしめた。
遂に…………遂に第二章完結です!

いやぁ、長かった。一話書くのにかかる時間も長かった。
キャラクターのセリフがうまく出てこなかったり、うまい表現が出てこなかったり、ストーリーがあらぬ方向へそれてしまったり……云々。

さぁ、第三章に突入だ、と行きたいところですが、やはり受験生ということで、執筆の時間がさらに減ってしまうかと。
もともと執筆は遅い方だったので、これからも連載はキツいかな……と思ったのが一つの理由です。

ここまで読んでくださった方々には多大な感謝をしております。

もし、続きが読みたい、とおっしゃってくださるなら、いつか書きたいと思っております。
どうか、感想や評価の程、よろしくお願いします。励みになっているので(#-ω-#)



※ここから下は、作者の自己満語りです。


さて、語りたい事も多くあります。
今回チラと顔を見せました、ちょっとブラックなタマちゃんこと翔。かれのプリン好きは、ただプリンが好きなのではないようです。
……一番最初に書いた時は、本当にただのプリン好きだったんですけどね(一回大幅改稿して、その時にはちゃんと意識して書きました)。
秋乃ちゃんの挙動も、当初ではまったく考えておりませんでした。
最初はただ、なんとなく個性を持たせた二人でした。秋乃ちゃんなんか、このサイトに掲載されている小説のヒロインをほぼ真似たようなものです(お気に入りに載っているので、すぐにわかると思います)。
ですが、書いているうちに変わってくるものですね~。なんか感慨深いです。

話を戻しまして、なんとなく個性を持たせた二人は、途中で姿を変えてくれました。主に内面の方です。

昔は仲がよくて、今も仲がいい二人。でも、形はだんだん変わってきています。合う回数も少なくなって、遊びに行くことも少なくなりました。
この話の特に重要な変化は、秋乃の成長です。作中では翔は秋乃のことを「トラブルメーカー」とか「巻き込まれ型」とか言っていましたが、それも昔の話となりつつある。そんな時期なのです。
翔はそれが嫌なようなので、秋乃には振り回されたくない! と言いながら、一部では自分も昔のままでいようとするのです。

第三章は、そんな翔が青髪から言われた言葉によってこれからどうなるのか、ということです。


この文章は、小説がうまく書けなかった言い訳みたいなものなので、どうぞあざ笑ってください(笑)

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