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これでも勇者ですがなにか問題でも? 作者:引 小森
10/11

金髪さん

「たのも〜」

まだ準備中という看板が扉にあるのに構わず扉を開ける友達(仮)。
ちっちゃな体に比べて精神はでかいらしい。たくっ、これだから合法ロリは。大人の礼儀をしらないんだからな。

「はいは〜い。お待ちくださ〜い。」

な・・・に?若い女の人の声、だと!
急いで黒いフードを外す俺。

「おい、なぜ挙動不審で震えているんだ?」

「は?なにを言ってるんだい?震えてなぞいないですのよ?」

「口調までおかしいぞ。どれだけ緊張しているのだ。」

「はあ⁉︎それは緊張もすりだろう。初めて会う人の会話は、(れい)で始まり、零で終わるのが礼儀だぞ。」

「零で始まり、零で終わる?礼に始まり礼でおわるんじゃないのか?」

「違う違う。(記憶に残る確率)零で始まり、(存在感)零で終わるだ。」

こうすることで町などで偶然出会っても、話しかけられない。
昔へまをおかして、町中で話しかけられた時は、その人の事を思い出しながら会話をしていた。
最終的に思い出せなくてなんとか会話を終わらしたけど。あれ多分ばれてたな。逃げるように話終わらしてたし。

「・・・なぜ私には緊張しないんだ?」

「え?なんだって?」

ごまかしました。聞こえてたけど。

「何でもない。」

さすが、某ラノベの難聴プリン頭の主人公のセリフだ。効果てきめんだな。
ごまかした理由・右手に拳を作って殺気をだしてたから。

「あの〜、何か御用でしょうか?」

声がした方を目で追ってみるとそこには女性が立っていた。話に夢中で気がつかなかった。

「!」

驚いた。ええ、驚きましたとも。
そこには、長髪の金髪で巨乳という、ラノベでしかお目にかかれないような男の夢が詰まった女性がそこにいた。
ラノベ読者として本物の金髪巨乳に会え、わたくし感動しております!

「?」

金髪さんは首をかしげていた。それはそうだろう。声をかけたのに何も喋らないから不思議におもったのだろう。よし!ここは自然に、記憶に残らないように・・・

「はびべまじっ」
噛んだ。

「・・・・・・ふふ」

やめて。気を使ってバレないように笑ってるつもりだろうけど聞こえてるから
。それなら笑ってもらったほうが楽だから。時として優しさは鋭利なはものだよ。
かわいそうな目でこちらをみないで。やだもう、帰りたい。引きこもりたい。
佐陀のHPはゼロになった。新たなトラウマを覚えた。

「初めまして。十六夜というものだが。たぶんここにいるだろう、御人におとどけものがあるんだが。」

「スルーしやがった‼︎失敗した時スルーされるのが一番堪えるんですけど⁉︎」

そして人が喋りに失敗した後完璧に喋るな。俺が余計アホに見える。
ほら見ろ、余計かわいそうな目で見られてるよ。俺のトラウマシリーズでもトップランクだわ。

「なんだ。それが貴様の挨拶だと思っていたよ。」

「うわ!予想外の勘違いしてた‼︎」

こいつ絶対友達になろうと思ってないよな⁉︎
だって、俺にトラウマしか与えてないもん。

「あの〜、それでうちの店のどなたにご用なんですか?」

あ、そういえばそんな話をしていたような?この人に用事?
「ラノベのモデルですか?」くらいしか聞けねぇよ。

「あー、すまない。バカのせいで話が遅れてしまった。これなんだが、」

そう言って十六夜が水色のハンカチを見せると金髪さんが驚いたような表情を浮かべた後、とても嬉しそうな笑顔をむけてきた。
やべっ。クラっときた。反則だろ・・・これ?
ああ、幸せだ。ラノベの主人公はこんな素晴らしいものを見てたのか
。ちょっと羨ましいな。俺の傷ついた心が洗われるよ。

「これはうちの祖母のハンカチです。ちょうど今探していたんですよ。」

「今朝、出会った所の道路に落ちているのを拾ったところ、お婆さんの物だとわかったので届けたのだ。」

「もしかして、先程祖母が言ってたタクシーを呼んでくれた親切な人とはあなたのことだったですね。重ね重ねありがとうございます。祖母がご迷惑をおかけしました。」

そういって頭を下げる金髪さん。
その時、金髪さんの金髪の髪の毛がしたに垂れたのでとても美しいうなじが見えた。
うお!こいつはすごいな。
金髪と白く透け通るような肌のうなじがマッチして最強の美をかもしだしてる。
こいつはうなじ属性に目覚めそうだぜ。

「あの、そちらのかたもわざわざここまでご足労ありがとうございます。お時間がよろしければ奥の方で少し休んでいかれませんか?お礼がしたいので。祖母ももう一度あってお礼がしたいと言っていたので。今、とても美味しいプリンがあるんですよ。」

いや、あなたのその笑顔でもうお腹いっぱいです。
お礼なんていいんでもう少し眺めていたい笑顔だ。
守りたいこの笑顔。
おっとついつい、俺はそこまでボッチで卑屈じゃないぞ。友達が作らないんじゃなくて、ただ、しないだげだ。
あれ?一緒じゃね?

「いやすまない。私はこの後予定があるので遠慮させて頂く。」

おいおい、この笑顔より大事な用事とはなんぞい?そんなものこの世に本当に存在するのか?

「それでは、失礼させて頂く。ほら、行くぞ。」

最後だけ下からヒソヒソと話しかけてくる。
俺も上から下にヒソヒソで返す。

「え?俺ともうちょとながめ・・・ここに居たいんだけど。」

後一時間見ないとそんだな。俺、絶対布屋来ないもん。それ以前に外にでないもん。

「貴様は私が居なくて普通に喋れるのか?」
「よし、帰ろうか。」

それは流石に無理。てか絶対無理。死んでも無理。

そうして、お婆さんに会うことなくお婆さん探しは終わった・・・








かのように思えた。
実際俺もそう思っていた。
まあ、あんなことご起きる前にさっさと帰るべきだったのだ。
そして引きこもるべきだったのだ俺は。
でも、金髪巨乳の色香の余韻に浸ってたからしかたないか。
頭の中、金髪巨乳九割トラウマ一割だったからな・・・



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