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ヤンキー君に愛されて。 作者:相良亜貴
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出会い、驚き。

椎名(しいな)は…玖珂の隣でいいな』

金髪
ピアスだらけの耳
緩い制服の着方
てか、ネクタイどこいった

そして、なぜに隣の席。

「よろしくね、椎名君」
「…ああ」

声低っ。しかも全然表情筋動いてないし。
私の笑顔を返せ…!

どっからどうみてもヤンキー。
360°どの角度から見てもヤンキーですよ、要さん…。

SHLが終わり、授業が始まったけど、彼はまだ暴れない。警戒しながら一限を過ごし、終わった時に隣を見ると、椎名君は早々に片付け、ポケットに手を入れた。

もしかして、煙草!?
と警戒を強めたけど、出てきたのはアメ。しかも、三角錐の袋の、ちょっと苦いコーヒー味のアメ。
欲しいな…と思ったり思わなかったり。

しかも、二限の数学が始まると、また真面目に板書を書いたりしてる。ちょっと角張った字で、綺麗なノートのとり方。

「椎名君、ここって…」
「この部分は微積分使えばいい」
「…ありがとう」

瞬殺。
何、この人。
─────椎名君って、何者?

俄然興味が出た私は、ちょっとドキドキしながら椎名君に声を掛けた。

「椎名君、昼休憩、一緒に屋上で過ごさない?」
「…ああ」

コンビニの袋を持って立ち上がった椎名君は思った以上に背が高い。多分、180は越えてそう。
私も椎名君も黙ったまま屋上に。長かった梅雨があけ、今日は久しぶりの快晴。フェンスを背に、並んで座る。

「…椎名君、それがお昼ご飯?」
「…そうだけど」

高カロリーな菓子パン三つ。私がこんな食事をすれば、絶対に大嶋さんに怒られる。

「体に悪いから、私のお弁当と交換」

三つの中からチョコチップメロンパンを貰い、お弁当を半ば強引に渡す。
食べたかったやつ…と呟いた椎名君は無視。

「いただきます」
「…いただきます」

椎名君がお弁当の蓋を開けると、ハンバーグをおかずにした栄養満点の中身が出てきた。
流石、大嶋さんクオリティ。完璧に主夫だ。

「…うま」
「でしょ!?大嶋さん、凄い料理上手なんだー」
「大嶋さん?」
「……お手伝いさん的な」

ふーん、と興味なさげに相槌を打つ椎名君。
追求されなくてよかった…。まさか、極道のトップの右腕が作ってます☆とか言えないし。

「ご馳走様でした」
「お粗末様でした…って、私が作ったわけしないけど」
「知ってる」

不意に笑った椎名君。その顔に胸が音を立てた。その正体に首を傾げていると、眠そうに目をこすっている椎名君を見て、何なのか分かった。

そうか…これが母性か…。

「椎名君、寝る?」
「今寝ると五限集中出来ないからいい」

やっぱり、椎名君って真面目だよなあ…。

「何?」
「椎名君って真面目だな、って。染めてるし、ピアスめっちゃつけてるし、意外で」
「俺、ハーフだけど」
「…」
「…」
「…」
「…」
「ハーフ!?」

実はアメリカと日本のハーフでしたー!
ってオチかい!
「綺麗な金髪だなー」とか「染めるの上手いんだなー」とか思ってたよ!地毛かよ!

「ピアスも二つしか空けてないから。あとはマグピとかイヤーカフとか」
「衝撃的だわ!」

よく見れば、赤のストーンピアスだけっぽい。

「なあ」
「ん?」
「……何でもない」

変な椎名君だなー、なんて思っていると、顔を強制的に右に向けさせられた。

「痛い痛い痛い!首がもげるよ!」
「もげない」

いや、急に変えられたらもげるよ!
お久しぶり…ですかね。相良亜貴です。

登場しましたよ、転入生!地毛が金髪ってだいぶ凄いですよね…。流石ハーフ。
ちなみに、菜緒のお兄ちゃん、大河も金髪ですが、あれは染めてるので時々プリンになります。それを見て「プリン食べてぇ…」ってなるのが大河です。
ギャップにドキッとしたはずなのに、「母性か…」と思っちゃう菜緒ちゃんは、やっぱり大河と同じ血が流れてますね。

次は楽しくなるんじゃないかなー、と思います。

では、また会える日を楽しみにして。
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