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 13日午前2時52分ごろ、大分県南部を震源とする地震があり、同県佐伯市で震度5強を観測したほか、九州から中部地方にかけての広い範囲で揺れがあった。気象庁によると、震源の深さは58キロ、地震の規模を示すマグニチュード(M)は5・7と推定される。この地震で大分県の3人がけがをして病院に運ばれた。地震による津波はなかった。

 大分県災害対策本部や同県内各地の消防によると、震度5弱を観測した同県豊後大野市の男性(78)がベッドから落ちて頭を打ち、同市の女性(83)は部屋で転倒し腰を打った。震度4だった同県臼杵市では女性(52)が廊下で転んで顔を打ち、鼻から出血したという。3人とも病院に搬送され、手当てを受けた。

 四国電力伊方原発がある愛媛県伊方町では、町内の一部で震度4を観測。四国電力や原子力規制庁によると、運転停止中の1~3号機をはじめ、発電所内の施設に異常はないという。

 気象庁は、揺れが強かった地域について「今後1週間程度は最大で震度5弱の余震が起きる可能性がある」としている。また福岡管区気象台は、雨が続いた地域では地盤が緩んでいる可能性があるとして、余震による土砂崩れなどへの警戒を呼びかけている。

 同気象台などによると、今回の地震が発生した地域の地下では、フィリピン海プレートが、陸のプレートの下に沈み込んでいる。地震は、フィリピン海プレートの内部で断層が横ずれを起こしたことで発生したとみられる。同プレート内部で起きた過去の地震では、2001年3月の芸予地震(M6・7)や、14年3月の伊予灘地震(M6・2)がある。

 九州での震度5強は、11年10月に熊本県菊池市で観測されて以来という。

 震度4以上が観測されたおもな地域は次の通り。

 【震度5強】大分県佐伯市

 【震度5弱】大分県豊後大野市、愛媛県西予市、熊本県阿蘇市、同県産山村

 【震度4】福岡県久留米市、熊本県高森町、同県玉名市、同県菊池市、同県合志市、熊本市、大分県国東市、大分市、同県臼杵市、同県津久見市、同県竹田市、宮崎県延岡市、愛媛県宇和島市、同県八幡浜市、広島県呉市、高知県宿毛市、同県黒潮町