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コラム:中国の公的介入が導く「株式市場の死」=武者陵司氏

2015年 07月 13日 11:03 JST
 
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武者陵司 武者リサーチ代表

[東京 13日] - 中国の共産党政権がいよいよ本性をむき出しにしてきた。今回の株暴落局面で同国政府が繰り出した一連の相場テコ入れ策を見るにつけ、筆者はそうした思いを強めている。

この間のテコ入れ策をざっと挙げれば、当局の大号令に従った大手証券会社21社による1200億元(約2兆4000億円)規模の上場投資信託(ETF)購入、新規株式公開(IPO)の承認凍結、大量保有株主による株式売却の半年間停止、「悪意ある空売りの懲罰」など、市場経済システムを採用している国から見れば、もはやあり得ないものばかりだ。

一部には、8日の暴落を受けて、中国株はあたかも底なし沼に落ちたかのような見方も広がっているが、中国政府は今後も信じがたい手を繰り出してでも株価のさらなる暴落を食い止めるだろう。

まず当面は恐怖の連鎖を断ち切るために、市場原理を無視したあの手この手を使って、「これ以上は下がらない」という官製相場のフロアーを明確に示そうとする可能性がある。上海総合指数で言えば、春先以降の急騰局面前の水準である3500ポイントから4000ポイント近辺だろうか。

本来、市場経済のルールが通用する世界において、相場の下落局面で当局が下支えに動けば、投機筋の「格好の餌食」となり、その売り圧力の前に打ち負かされるのが常だが、中国株式市場はいまだ国際金融市場から事実上隔絶されている。その特異性を生かして、官製フロアーどころか、いったんバブルが破裂したように見せて、もっと壮大なバブル、例えば上海総合指数で言えば1万ポイントへの大相場すらも作りかねないのではないか。

むろん公的介入で株価が持ち直せば、帳簿上の富がある程度確保されるのは事実だが、本源的企業価値からはどんどん乖(かい)離してしまう。株価は、言うなれば経済の体温計である。その「目盛り」を意図的に変えてしまうことは市場原理の否定そのものであり、グローバルな尺度で見て中国株式市場の死を意味しかねない。

<マネーの質が劣化、頼みの綱は公共投資>   続く...


 
 
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 7月13日、武者リサーチの武者陵司代表は、なりふり構わぬ中国政府の株価テコ入れ策は市場原理の否定そのものであり、グローバルな尺度で見て中国株式市場の死を意味しかねないと指摘。提供写真(2015年 ロイター)
*統計に基づく世論調査ではありません。

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