下村文科相、新国立デザイン「ずさん」今さら指摘

2015年7月11日6時0分  スポーツ報知

 下村博文文部科学相(61)が10日、総工費の高騰が問題となっている新国立競技場のデザイン選考について、「ずさんだと思う」などと述べ、検証する考えを表明した。また、選考で審査委員長を務めた建築家の安藤忠雄氏(73)に選考理由の説明を求める構えを示した。こうした下村文科相の発言に、建設計画見直しを求めている建築家・槙文彦氏グループの大野秀敏氏(65)は「稚拙な立ち回りだ」と苦言を呈した。

 議論し尽くされてきたはずの新国立のデザイン選考について、下村文科相が問題を提起した。この日、閣議終了後の会見で「(当初の総工費の)1300億円がどの程度、デザインをする人たちに伝わっていたのか。値段とデザインを別々にしていたとしたら、ずさんだと思う」と述べ、当時の状況について検証する意向を示した。

 また、デザインの採用を決めた審査委員会で委員長を務めた安藤忠雄氏について「責任者として、なぜ(イラク出身の建築家)ザハ・ハディド氏の案を選んだのか発言してもらいたい」とも言及。2本の巨大なアーチ構造を特徴とするデザインが高騰の要因の一つとなっていることから「ザハ氏が、(1300億円について)どの程度認識していたのか」と選考方法にも疑問を投げかけた。

 整備計画の見直しを求めている槙氏グループの大野氏は、下村氏のこうした発言について「今になって何を言っているんだ、という思いがする」と指摘。2520億円まで膨れあがった費用で計画を進める方針を、6月29日の調整会議で自ら発表しておきながら、デザイン選考まで遡って検証するとした発言に疑問を呈した。

 大野氏は、「JSC(文科省の外郭団体で事業主体の日本スポーツ振興センター)が、ザハ氏に対してどのような指示をしているのか、担当者を呼んで確認していなかったと思われる」と、下村氏の姿勢を問題視するとともに、「初歩的な、稚拙な立ち回りですよね。普通の会社だったら、トップがそのようなことをしたら株主総会で罷免されるんじゃないですか」と厳しい言葉を口にした。

 一方、7日の有識者会議を「日程の都合がつかない」と欠席した安藤氏の“説明責任”について大野氏は、「デザイン採用の後、安藤氏はJSCに対してコストの相談をしたのか」と指摘。JSCは建築の専門家でないことから、もし安藤氏が費用の膨張の可能性を進言していなければ、問題があるとした。

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