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» 2015年07月13日 05時00分 UPDATE

Tech TIPS:古いInternet Explorerは2016年1月にサポート終了! その対策は?

従来、Windows OSのサポート終了時期さえ知っていれば、Internet Explorer(IE)には注意を払う必要はなかった。ところが古いIEは、2016年1月13日以降はサポートされないことになった。その対策は?

[島田広道,デジタルアドバンテージ]
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連載目次

対象ソフトウエア:Windows Vista/Windows 7/Windows 8/Windows Server 2008/Windows Server 2008 R2、IE7/IE8/IE9/IE10


解説

 Windows OSに付属している標準ブラウザー「Internet Explorer(IE)」は、これまでマイクロソフトによるサポートの終了時期に注意を払う必要があまりなかった。なぜなら、Windows OS本体のサポート終了日まで、いずれのバージョンのIEもサポートが継続されることになっていたからだ。

 しかし、それは過去の常識になりつつある。2014年8月にマイクロソフトがIEのサポートポリシーを変更し、「古いIEのサポートを2016年1月13日で終了する」ことにしたためだ。すなわち2016年1月13日以降、サポートされるIEは最新版だけに限られる

IEのサポート終了時期は大幅に変わった IEのサポート終了時期は大幅に変わった
これはマイクロソフトがIEのサポートポリシーを変更した旨を告知しているページ最新版を除く「古いIE」は2016年1月13日にサポートが終了する。ちなみに、この画面のIE7も間もなくサポート終了を迎える。

 ここでいう「古い」IEとは、各Windows OSにインストール可能なIEのうち、最新版以外のバージョンのIEを指す。Windows 7を例に挙げると、「古い」IEであるIE8/IE9/IE10が間もなくサポート終了を迎えることになる(最新版はIE11)。

Windows 7でのIEのサポート終了時期 Windows 7でのIEのサポート終了時期
最新版ではないIE8〜IE10のサポートは、2016年1月13日に終了する。最新版であるIE11のみ、OS本体と同じ2020年1月15日までサポートが継続される。

 どのバージョンが「古い」IEなのか、どれが最新版IEに該当するかは、Windows OSによって異なる。それを下表にまとめてみた。詳細については、右上の関連記事を参照していただきたい。

  2016年1月にサポートが終了する「古い」IE 2016年1月以降もサポートが続く最新版IE
Windows XP (サポート終了) (サポート終了)
Windows Vista IE7/IE8 IE9
Windows 7 IE8/IE9/IE10 IE11
Windows 8 IE10 (なし。OS自体のサポートが終了するため)
Windows 8.1 (なし) IE11
Windows 10 (なし) IE11(標準ブラウザーであるMicrosoft Edgeとは別に利用可能)
Windows Server 2003/2003 R2 (サポート終了) (サポート終了)
Windows Server 2008 IE7/IE8 IE9
Windows Server 2008 R2 IE8/IE9/IE10 IE11
Windows Server 2012 (なし) IE10
Windows Server 2012 R2 (なし) IE11
各Windows OSでのIEのサポート終了時期
インストール可能なIEのバージョンがWindows OSによって異なるため、サポート終了を迎えるIEのバージョンも異なる。なお、「(なし)」となっているのは、そのWindows OSではIEのバージョンアップができない、すなわち一種類のIEしか利用できないためだ。

●サポート終了は実質的に寿命を意味する

 では、マイクロソフトによるサポートが終了すると、どのような影響があるのだろうか?

 筆頭に挙げられるのは、セキュリティ更新プログラム(セキュリティパッチ)の無償提供が終わることだ。もし2016年1月13日以降に、サポートの終わったIEに対して新たなセキュリティ上の脆弱(ぜいじゃく)性が発見されたとしても、それは修正されることなく放置される。たとえそれが、システムの乗っ取りや情報漏えいにつながる危険な脆弱性でも、だ。

 そんな危険な状態のWebブラウザーを使い続けることができるだろうか? 特にビジネスの現場では許されないだろう。すなわち「IEのサポート終了日」=「IEの寿命」ということだ。

●最新版のIEにアップグレードするのが最も手軽な対策だ

 今利用しているIEが2016年1月13日のサポート終了の対象に含まれるなら、サポート終了前に何らかの対策をしなければならない。

 いくつかある対策の中で、最も手軽なのは最新版のIEにアップグレードすることだろう。Windows OS自体をアップグレードするのに比べれば、その手間は少なく済む。またGoogle ChromeやMozilla Firefoxのような他のブラウザーに移行するのと比べると、従来のIEとの互換性を維持しやすい(それにこの方法だと古いIEがシステムに残留するため、脆弱性を攻撃される危険性も残ってしまう)。

 最新版IEへのアップグレードは、Windows Updateによって実行できる。というよりデフォルトの設定のままであれば、IEはすでにWindows Updateによって自動的に最新版へ更新済みのはずだ。従って、現在でも古いIEのままということは、何らかの手段でWindows Updateによる更新がブロックされている可能性が高い

 もしWindows UpdateでIEを更新するつもりなら、そのブロックを解除する必要がある。具体的な手順については右上の関連記事が参考になるだろう。

 多数のPCに最新版IEを展開するなら、IEのオフラインインストーラーを展開ツールと組み合わせて使う方が便利だろう。どのバージョンも、マイクロソフトのダウンロードセンターから入手できる。

  最新版IEとそのインストーラーのダウンロードページ
Windows Vista Internet Explorer 9
Windows 7 Internet Explorer 11
Windows 8 (OS自体のアップグレードが必要)
Windows 8.1 (アップグレード不要)
Windows 10 (アップグレード不要)
Windows Server 2008 Internet Explorer 9
Windows Server 2008 R2 Internet Explorer 11
Windows Server 2012 (アップグレード不要)
Windows Server 2012 R2 (アップグレード不要)
2016年1月以降もサポートが続くIEとそのインストーラーのダウンロードページ
リンク先はマイクロソフトのダウンロードセンターである。32bit版(x86)か64bit版(x64)のいずれかを選んでダウンロードしていただきたい。

●互換性の問題には、IEに標準装備の機能を活用する

 ご存じの通り、IEのバージョンを上げると、Webアプリケーションが正しく動作しなくなることがしばしばある。そんなときのために、IEには過去のバージョンとの互換性を確保するための動作モードが実装されている。

 IE11の場合、「エンタープライズモード」という機能がそれに該当する。このモードを使うと、最新のIE11のセキュリティ対策が適用されたまま、ブラウザーの挙動がIE8となるべく同じになるように変更される。具体的なその使い方や設定方法については、右上の関連記事を参照していただきたい。

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