【ブリュッセル=森本学】ユーロ圏は12日、前日に引き続いて財務相会合をブリュッセルで開いた。4時間超にわたって財政危機に直面するギリシャへの金融支援交渉の再開の是非を巡って協議したが、結論には至らなかった。同日夕に開幕したユーロ圏首脳会議での政治判断に委ねた。調整は欧州連合(EU)が「最終期限」としていた12日の夜までもつれ込む展開となった。
財務相会合の終了後、デイセルブルム議長(オランダ財務相)は記者団に「まだいくつかの大きな問題が残されている。首脳らの判断しだいだ」と述べ、ギリシャ支援再開の判断を首脳らに委ねる考えを示した。
ユーロ圏首脳会議は12日夕刻(日本時間同日深夜)に開幕した。一方、同日夜に当初予定していたEU首脳会議は取り消しとなった。会議前の首脳らの発言は合意を巡って温度差が際立つ格好となった。
オランド仏大統領は記者団に「ギリシャのユーロ離脱は欧州の後退を意味する。今夜合意するためにあらゆることをやるつもりだ」と強調。ユンケル欧州委員長も「最後の瞬間まで合意のために闘う」と述べ、支援への大筋合意へ全力を尽くす姿勢を強調した。
一方、メルケル独首相はギリシャの財政改革実行に不信感を示しつつ、「どんな代償を払ってでも合意するということはない」と述べた。
ギリシャのチプラス首相は「皆が望めばきょう、合意できる」と支援再開へ期待を込めた。
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