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【世界遺産登録】
日韓・韓日議連合同総会 「強制労働」問題で応酬、声明に盛り込まれず
日韓議員連盟と韓国側の韓日議員連盟による合同総会が10日、国会内で開かれ、慰安婦問題に関し、「当事者たちの名誉回復と心の痛みを癒やす」ための措置を早急に講じる努力をするなどとした共同声明を採択した。「明治日本の産業革命遺産」の世界文化遺産登録をめぐり顕在化した「強制労働」の認識の違いについては、両国間の意見の隔たりが大きく、声明には盛り込まれなかった。
声明では、日中韓3カ国での共同教科書の実現に向け、日韓両国の歴史教科書を翻訳して双方で活用することの検討や、永住外国人への地方参政権の付与について日本側も法整備に努力することを表明。安倍晋三首相が8月に発表する方針の戦後70年談話については、「歴代政権の立場が反映され、(両国の)パートナーシップ関係を深める」内容となることを求めた。
明治日本の産業革命遺産をめぐる「強制労働」をめぐっては、日本側は「日本人も含めての徴用政策だった」と主張したが、韓国側は「学問的な議論では自らの意思に反して使役すれば、『強制的』なものだ」と反論し、両国間で折り合わなかった。
この問題をめぐり、韓日議連の鄭宇澤運営委員長は総会後の記者会見で「韓国としては、『強制徴用』の意味をもっていると捉える」と述べた。
安倍首相は合同総会開会式で「(国交正常化後の)50年間の友好の歴史を振り返りながらともに手を携え、両国の新たな時代を築いていこう」とのメッセージを寄せた。