魔法青年リリカル恭也Joker 作:アルミ袴
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番外編です。
第20.7話 ランキング一位------------------------------------
番外編です。
「なのは、今日の集合って六時でいいのよね?」
「うん、準備とかはもう終わってると思うから、お腹だけ減らしてきてね」
私立聖祥大学付属中学校、三年生の教室。
午前の授業を終え、今は昼休みの時間だ。いつものように机を並べて昼食を食べながら、なのははアリサに答えた。
「晶さんたちのお料理は楽しみだけど、いいのかな、私達なにもしなくて」
「とは言うても、たぶん私らが帰る時間には粗方準備は終わっとるやろうからなあ」
実際、すずかの言葉にはやてが答えた通りではある。手際のいい料理人たちが揃っているので、正直に言って自分たちの出る幕などないのだ。
「恭也さんも料理する気満々だったけど……」
「え、うそ、そんな事言ってた? もおおお……」
フェイトの言葉に、なのはは思わず額を手で抑えた。
「祝われる側だということをわかってないのかなあ、おにいちゃん……」
「それはわかってはいるみたいだけど、イコール自分がゆっくりしてて良いって結論には至らないらしくて」
「おにいちゃんらしいけど……。縁側でゆっくりお茶飲んでてくれていいのに」
盆栽をいじったり茶を楽しんだりといったおよそ若者とは思えない趣味を持つ兄だが、それらを楽しむのは基本的に、自分に出来る仕事がないときだけである。
なにかあればすぐに動く人なので、なかなか休ませるのが難しいのだ。
「そもそも三ヶ月しか通ってない学校の卒業を祝ってもらうのもな……とかも言ってたしなあ」
「なのは達と同じく短期プログラムなんだっけ? 恭也って」
「そうそう。その内二ヶ月間は中で教官やってたけど」
「そ、それはどうなのかな……」
すずかが苦笑するのももっともである。学んでいたのは正味一月だ。
とはいえ、それでも卒業は卒業。だからお祝いだ。
恭也の訓練校卒業祝い。
本人に逆に気を使わせるから言わないけれど、大学を途中で退学させることになってしまった事を考えると、こちらとしてはなるべく盛大にやらせて欲しいのだ。
「買い出しはリインが担当するゆうてたから、一緒に行ってたりしてな」
「……リインフォースさんと二人で?」
「かもなあ。なのはちゃん、眉間のシワがえげつないで」
右手の親指と人差し指で眉間をぐいぐい伸ばしてみるが、なかなか力は抜けなかった。
「リインフォースさんかあ……二人かあ…………あああああああ、まだ行ってないかな? 私早退していい? 頭痛いから、あとお腹」
「頭痛腹痛持ちがそんなハキハキ喋るわけないでしょ」
「なんだかなのはちゃん、リインフォースさんを随分警戒するよね」
アリサの突っ込みに続いたすずかの言葉へ、なのはは盛大なため息を返した。
「だってさあ、そりゃするよお、ランキング一位だもん……。ああ、もうっ、大丈夫かなあ、なにか起こってないかなあ……」
「身体を左右にふらふらと、行儀悪いわよなのは。で、それはそれとして聞き捨てならない台詞が聞こえたんだけど」
「ランキングってなんや。まあ予想はつくけど」
アリサとはやてだけでなく、フェイトとすずかも興味深げにじっとこちらを見てくる。
別段隠していることでもないので、素直に答える事にする。
「なにって、おにいちゃんに寄ってくる女の危険度ランキング」
「ああやっぱり」
はやてが納得の声を上げた。他の面々も同じような反応である。
「……リインフォースが一位なんだ」
「意外? フェイトちゃん」
「いや、納得だ。私も同じランクを付けるよ」
問い返したこちらに、フェイトは眼を伏せてそう答えた。
「なに、リインフォースさんってそんなに恭也と仲いいの?」
「仲いいっていうか……もちろんいいんだけどそれ以上の要因として、リインフォースさんはおにいちゃんの好み。どストレートに、おにいちゃんの好み」
ため息を、やはりまたしても吐いてしまう。
「普段は物静かで優しくて、でもなにかあれば苛烈に動く激情家でもあって、絶対にぶれないような芯を持ってて、それでいて少し影があって放っておけない、みたいな」
「な、なんかすごく具体的だね……」
「……まあね」
兄の初恋の相手が、そういうタイプの女性なのだ。すずかに頷きながら、なのはの脳裏には一人の黒髪の女性が浮かんでいた。
その次に恋した女性は少し毛色は違ったかもしれないが、やはり共通するところもあるように思う。
「確かにリインフォースはまさにそんな感じやな。それが本当に恭也さんのどストレートな好みなんやったら、それは一位にもなるなあ」
「リ、リインフォースさんは、恭也さんのこと、その、好きなの?」
「うーん……」
すずかの問いに、一番詳しいであろうはやては腕を組み、唸ってから答える。
「好きっちゅうか、信仰じみてる感はある。恩人やから。……だけどでも、それだけかって言うとやっぱり違うのかな。男の人として好きな気持ちも、あの中には入ってると思う」
それは、なのはの眼から見ても同じような印象だ。
「おにいちゃんがどう思っているかはわからないけど、二人は相性がいい。ああいう、絶対芯がぶれない一途さがあって、それでいて三歩下がって相手を支える女の人って、おにいちゃんとすごく相性がいい」
「まあ、わかる話やなあ。前から引っ張るタイプかてそれはそれで相性ええとも思うけど」
「私みたいなタイプね!」
「アリサちゃんは九位だよ」
「……………………………………………………は? はあ!?」
呆然とした後、アリサは掴みかかる勢いで腰を上げ、顔を真正面から寄せてきた。
「私が九位!? 九位!? な、わ、九位!?」
「九位」
「……きゅう、い」
脱力、大きな音を立ててアリサは椅子の上に戻った。
「なのはちゃん、私は?」
「すずかちゃんは七位」
「私は私は?」
「はやてちゃんは八位」
「おおう、八位……てことは、フェイトちゃんが六位?」
「そ。フェイトちゃんは六位」
「……今の私じゃ、五位以内には入っていないと思う。文句はないよ」
なのはの評価を聞いて、フェイトは実に冷静だった。今の、としっかり言うあたりが強かだが。
「四人の中でフェイトちゃんのランクが一番高い理由は、一番エロいから」
「ちょっと!」
「あれ、この間のDVD鑑賞会では……」
「……なんでもないです」
すすっと、金髪の彼女は視線を逸らして撤退した。最近の彼女の弱点である。
理由に関してはまあ、冗談だが。
「しかし、私やアリサちゃんよりフェイトちゃんやすずかちゃんのが上っちゅうのは、さっき言うてた話と繋がる感じがあるな。後ろから静かに支える系のが、なのはちゃん的には危ない相手っちゅうことやな? 私は静かではないからなあ」
「うん、そういう意味で、私はだから結構二人を警戒してる。それに、フェイトちゃんは御神流の弟子ってことで一緒にいる時間も長いし距離も近い。すずかちゃんは……ごめん、なんでもない」
「え、な、なに!? 気になるんだけど……」
「ごめんごめん、ちょっとノーコメントで」
「ええ……? なんで……?」
彼女自身が、どうというわけではないのだ。
問題は、彼女のお姉さんにある。
すずかの姉である忍は、兄と恋人関係にあるようには思えないし、どこか不思議と、そこに発展するような気配も、今はもうしない。
しかし、それでもただの友人の距離感では明らかにない気もする。
どころか、……自分の勘が確かなら。
(……いや、やめよう)
かつて、"護衛をしていた"と月村家から朝帰りしてきた兄の身体から、微かに嗅いだ事のないような匂いがした事まで思い出して、なのはは小さく首を振る。
この事を考えると気分がどんどん滅入ってくるので、これについての思考はここで断った。
とにかく、そんな姉がいるので、すずかも油断をするべき女ではないはずというのがなのはの判断である。
「……なのは。じゃあフェイトの上は、フェイトの上は誰なのよ」
力のない声でアリサが問うてきた。かなり落ち込んでいるらしい。悪かったかなと思いつつも、嘘を吐いても彼女は怒る気がするので仕方ないのだろう。
「五位はシャマルさんだよ」
「シャマルさん……あー、なるほどね」
「可愛らしい大人の女性って感じだよね」
アリサ、すずかが納得の頷きを返す。
はっきりと大人でありながら、すずかの言葉通りシャマルは実に可愛らしい女性だ。彼女に反感や嫌悪を抱くというのは、相当屈折した人間だけだろう。それくらい、あの癒やしが本領の湖の騎士は、ナチュラルに魅力的なのだ。
「そもそも、四人のランクが五位圏外なのって、中学生のお子様だからっていうのがすごく大きいんだよね。比べて五位以内の人達は皆、おにいちゃんと親しくて、その上で釣り合う歳の大人の女性、まともにやり合って現状、勝てるわけもない」
「そう言われると痛いなあ」
「……まだ子どもなのは、自覚してる」
はやては腹芸が得意な彼女らしく本音を読ませないあっけらかんとした物言いで、フェイトは苦々しさを隠そうともしない暗い表情で呟いた。
「ランキングの続きを言うと、四位は晶ちゃん。その上、三位にレンちゃん」
「あー……納得」
「確かに……」
「お二人とも、恭也さんと付き合いすごく長いしね……」
「胃袋もがっつり掴んどる」
アリサ、すずか、フェイト、はやてがそれぞれ頷いてそう返してきた。
「本来的には、距離感とか付き合いの長さとかを考えると、はっきり言って二人が一位、二位でもいいくらい。でも、……二人はもう、家族って感じだから」
恋愛対象ではなく、家族愛を向ける相手として恭也にはもう思われているような気がするのだ。
自分がこれを決して言いたくはないのだが、兄が二番目に恋をした女性などは、それが非常に強いのでランク外である。恭也と彼女がどうにかなるのならもうとっくになっているはずで、今なっていないというのは、もうこれからそうなる事もないと思えるのだ。
ただそれはあくまで自分の予想であり、実際どうなのかはわからない。恭也が彼女と話をしている姿を見るだけで、浅ましいことに胸はざわつく。
だってそうだ、自分は彼女を―――。
(ああ……これも駄目だな)
この思考も、少なくとも人前でするべきものじゃない。気分がどこまで落ちて、どんな表情になるか、わかったものではない。
「二位は、予想着くよね?」
話を進めたこちらに、真っ先にはやてとフェイトが頷いた。
「ま、はっきりしとるな」
「シグナムだよね」
「そ。リインフォースさんが相性の良さでダントツなら、シグナムさんは似たもの同士って意味合いでダントツ」
「なんか、確かに似てるわよね、恭也とシグナムって。考え方とか口調とか、その下にある価値観、みたいなものが」
「剣士、っていうのも同じだね」
アリサとすずかの言った通り、だ。
まさに似たもの同士なのだ、二人は。価値観が同じであることをパートナーに求める一番の条件とするならば、彼らはお互いに非常に良い相手と言えるだろう。
「……実際、シグナムが恭也さんのことをどう思っているのかは、わからない」
言ったのは、フェイトだった。
「恩も感じてる。腕前を尊敬してもいるし、剣士としての共感もある。だけど、男性として恭也さんを見ているのかどうかだけは、いつもはっきりしない」
「シグナムはあれで、照れ屋なとこあるからなあ。ああ、それも恭也さんと似とる?」
「……似てるね」
頷くフェイト。なのはも同感だった。兄は随分な照れ屋に思える。さらに、周囲を想って自分の本音を隠しがちなタイプでもある。そのくせ表面ではしれっとした顔で嘘を吐くから見破るのも難しくって、そんなところも兄とシグナムはよく似ている。
「似てると言えば、人のからかい方もそっくりよね。恭也がなのはをからかう姿とシグナムがフェイトをからかう姿って、すごく被るもの」
「あー……それね。同じ同じ、同じ匂いがする。おにいちゃんとシグナムさん、本当似てるんだよ」
「そうなんだよねえ……私も恭也さんにちょっとだけからかわれる事あるけど、言われる事がほとんどシグナムと同じだったりして。この間なんか、まさにほぼ一緒だったよ……」
「なになに、何について言われたの?」
アリサの問いに、少しだけ身を縮こませてフェイトは答えた。
「……その、絵を、見せたら」
「見せたの!? フェイトちゃんの絵を!? おにいちゃんに!? なんでそんな自爆行為を……! 悩みがあるなら言ってよ!」
「じ、自爆行為とまで言わなくてもいいじゃない! 別に悩んでたわけじゃないよ! 強いて言うなら親友の暴言に悩んでるよ!」
思わずこぼしてしまったこちらの本音に、フェイトは少し半泣きだ。しかし、とは言えあれを見せたなどと言われればこんな反応になるのも仕方ないとして欲しいところである。
「いやいやフェイト……だってあんたの絵は…………絵っていうには無残すぎで」
「あ、味があるよね! 万人向けではないかもしれないけど!」
こちらよりもえげつない台詞をこぼすアリサの言をぶった切ってすずかがフォローに入る。
「……きょ、恭也さんだって、ずっと見てれば可愛く見えてこないでもないって、愛嬌があるって言ってくれたよ」
「……フェイトちゃん、それはな」
「わかってるよおおおお優しさだってことくらいいいいいいいい!」
そっと肩に手を置いたはやての言葉に、フェイトは慟哭で返した。
「本当によかったのか、騎士恭也。付き合ってもらって……」
「俺から頼んだんだ。いいに決まっている」
並んで歩きながら、まゆをハの字にしてこちらを見やる銀髪の美女に、恭也はそう返した。
「一人だけじっとしているのは、少しな」
「勤勉だ」
「皆がああも動いてなかったら、俺だってだらけているさ」
のんびりと縁側で茶でも飲んでいるのが、一番性にはあっているのだ。ただ、家の皆が働いているのに自分だけというのは据わりが悪い。
だから、買い出しに行くというリインフォースに付き合わせてもらったのだ。
「騎士恭也の卒業祝いだからな、皆張り切っている」
「……三ヶ月しか通っていなかったんだがなあ」
「何を言う。それでも立派に卒業じゃないか」
「そうかな」
「そうさ」
穏やかな春の日差しが、微笑む彼女の銀色を透かす。整い過ぎるほどに整った美貌と相まって、それは幻想的な光景だった。
「ああ、見えてきたな」
「八神家もここを使うのか?」
とは言え、その背景は海鳴の庶民的な風景である。駅前の大通り、昨今珍しくというべきだろうか、廃れていない商店街だ。
その入口に差し掛かりながら問うた恭也に、リインフォースは頷く。
「前はスーパーマーケットを使っていたんだが、桃子さんに教えて頂いてな。少し値は張るかもしれないが、明らかに質が良いからこちらに変えたんだ」
「そうか、まあ確かにここのはいいものが多い」
店主にこだわる人が多いので、適当な商品はあまり並ばない。それでも個人経営店としてやっていけているのだから、ニーズがあるという事なのだろう。
そんな話をしている内に八百屋に辿り着く。店はそこまでの規模ではないが、品揃え自体は豊富だ。
「……ええと、必要なのは」
じっと野菜を見つめ、時折手に取るリインフォースの顔は歴戦の主婦そのものだった。神話の女神よろしくな見た目の彼女がそうしていると、有り体に言ってギャップがすさまじい。
「き、騎士恭也……そんなに見つめられると、その……」
「ああ、すまん。思わず」
君が綺麗だったから、なんて口の滑らかな男なら言えるのだろうが恭也にはどうやっても不可能な芸当である。
「あとリインフォース、ここで騎士というのは」
「あ、ああっ、すまない、そうだった」
恭也を呼ぶ時、なぜか彼女は騎士と付ける。ちなみに少し前、理由を聞いてみたのだが"理想のベルカ騎士そのものだから"という面映い答えが返ってきた。
「で、では、……え、……と、……………………きょ、……恭也?」
「ああ」
「…………恭也」
「うん」
家族以外の男性を名前で呼ぶ事に免疫がないのだろうか、彼女は頬を朱に染めて少し俯いた。元が健康的な範疇においてこれでもかというくらいに白いので、余計にわかってしまう。
「……そういう関係だったのか、知らなかったぜえ」
「親父さん」
パチンと、その禿頭を自分の手ではたきながら店の奥から出てきたのは、この店の主である中年の男性だった。恭也とは昔から馴染んでいる仲である。
「恭也くんは結局、リインちゃんと一緒になったのか。ううん、なるほどなあ。いやいや、お似合いの二人だよ。美男美女だ」
どうやら何か、勘違いをされているらしい。
「え、や、ち、違うんだ店主! 私ときょ、恭也はそんな関係では!」
「またまたぁ! いいっていいってそんな! いやあこの商店街じゃ昔っからな、恭也くんはどんな女と付き合うんだろうってよく話題になってたもんなんだが、リインちゃんなら納得だよ!」
はっはっはと、八百屋の店主は豪快に笑う。
「さっきの雰囲気を見る限り、付き合いたてだな? 初々しいねえ!」
「親父さん、違うんです」
「恭也くんまでそんな! まったく照れ屋な二人だねえ。記念になんかやろう、ええっと、何がいいかな」
「店主! 本当に違うのです! きょ、恭也と私は!」
まあ確かに、自分なんかとそういう噂を立てられても迷惑だろう。リインフォースがそんな風に嫌がっているとは厚かましい事に思いはしないが、彼女に悪いというのは確かである。
「親父さん、本当に、照れとかごまかしではなくて」
「……え、ほんとに付き合ってるわけじゃないの?」
「はい」
「…………なあああああんだもおおおおおおおおおお!」
パチンパチンと、八百屋の店主はまたしてもその禿頭を叩いた。
「お似合いだと思うんだけどなあ!」
「俺とリインフォースですよ? 釣り合うと本気で思いますか?」
「ばっちりじゃないか。……ええい、ちょっとこっちこっち、恭也くん!」
八百屋の店主はそういうと、店の隅へと小走りに駆けて恭也を手招いた。
とりあえず、従って彼の下へ。
「恭也? 店主?」
不思議そうな顔のリインフォースをよそに、男二人、しゃがみ込んで息を潜めて話す。
「なあ恭也くん、リインちゃんを見てなんとも思わないのか?」
「なんとも、とは?」
「だから、ほら、見てみろあの…………あの尻! あの胸! あのくびれ! とんでもねえぞ、ほんと!」
「……まあ、そうですね」
スタイルの良さで言うなら、恭也の周囲でも間違いなくダントツである。
「んで、もう、ほら、よくわからんくらい美人だろ? 美人って表現でいいのかどうかすらわからんけども、もはや」
「……そうですね。まったくその通りかと」
銀髪に紅い瞳、抜けるような白い肌と神秘的な要素がそろった上で、そのかんばせの精緻さは極限の域だ。
美しさで彼女と張れる女性は、周囲で言えばシグナムと忍がいる。だが、凛々しさの強いシグナム、妖艶さの香る忍とはまた違い、リインフォースの美にはどこか神聖さがある。
情けないので気づかれないように注意しているが、思わず息を呑んで見蕩れた事が何度あったか。
「男としてあの娘に惹かれないってのがあんのか?」
「もしそういう奴がいたとしたなら、そいつは心に決めた誰かがいるか、女性を好むタイプではないかのどちらかですね」
「だろうだろう。恭也くんはそのどっちかなのか?」
「いえ、そういうわけでは」
「じゃあもういっちゃいなよ! 決めちゃいなよ!」
バシンバシンと背中を叩かれる。
「彼女は友人ですので」
「だからこれから恋人になりゃいいんだよ」
「随分と俺たちが付き合う事を推しますね、親父さん」
「……まあな。あの娘は本当にいい娘でよお、それに、この商店街は結構リインちゃんに助けられてんだ」
そこを見てみろと八百屋の店主が店の一角へ指をさす。素直に視線を向けると、商店街の宣伝ポスターがあった。
「……リインフォース、ですか?」
「そうそう、よく描けてるだろ? 若い衆にこういうのが得意なのがいてよ」
商店街の名と店舗名の数々が載せられたそれの中心では、三等身にデフォルメされた銀髪の女性が微笑んでいた。
「……あっ! 恭也! これはそのっ」
店主と恭也がポスターを見ていることに気がついたらしいリインフォースが、慌ててその前に立ちふさがって背中に隠す。
恥ずかしそうな彼女に見られながら、店主はまた声を潜めて恭也へ言う。
「リインちゃんがここに買い出しに来るようになって、すごい話題になったんだよ。あの見た目の娘が野菜やら肉やら魚やらの詰まった袋を両手に抱えて、なんなら長ネギの飛び出たバックとか引っ提げてんだぜ? 話題にならねえわけねえだろ?」
それは確かに、すごい絵面だ。
「そのうち何がどう転んだのかはわかんねえけど、『買い物をしている彼女を見られたら、何か良い事が起こる』なんて、そんな噂も流れてなあ。まあ誰かが面白半分に言い出したんだろうが、なんか信憑性あるだろ? ほんとかも、ってさ」
「……そうかもしれませんね」
根拠も謂れもなにもなくてもなんとなく、そう思わされる神秘性が彼女の雰囲気には含まれている。
「それで客入りも増えてよお、ここの名物みたいになったんだ。だったらポスターのデザインにも採用しちまえって話になって、謙遜されまくったけど、拝み倒したらなんとか許可もくれて、こうしてここを賑わしてくれてる。……ありがたいことじゃねえか、このご時世、商店街が活気付くなんてそうある事じゃねえ」
「ええ、そうですね」
自分が長い眠りに入る前よりも、確かにこの商店街は活気付いている。人入りは多いし、店の仕入れも同様だ。
「だからあの娘には幸せになってほしいんだよ! な、恭也くん!」
「もちろん俺もそう願っていますが」
「だったら君が幸せにしてやってくれよ! 恭也くんなら安心だ!」
「……親父さん、あのですね」
八百屋の店主の前、恭也はため息を吐く。
「なにより、向こうの気持ちというものがあるでしょう」
「そりゃああるが……見てたけど、いい雰囲気だったぜ? リインちゃん、君の事好きだろう?」
「生意気を言うようですが、この歳まで生きれば身の程というものを知ります。彼女にそういう意味で想われていると自惚れるほど、俺は脳天気じゃないですよ」
「うーん……そうかあ?」
「そうですよ」
「じゃあ、もし仮に! もし仮にだ!」
ぴっ、と。店主は指を立てた。
「もし仮に、リインちゃんが君に好きだって言ってきたらどうだい? 応えるつもりはあるか?」
「……そんな宝くじが当たったらのような仮定をされても」
「いいからいいから! どうなんだ!?」
「……リインフォースに、ですか」
問われ、己の思考に潜る。
リインフォース。
その女性を思う時、いつも、恭也の頭に浮かぶ表情がある。
"もうッ! 嫌だああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!"
穏やかな笑顔を、何度も見た。
安らかな彼女を、何度も見た。
だけど、どうしても。
"悲しいことばかりだッ! 苦しいことばかりだッ! 辛いことばかりだッ! 痛いことばかりだッ! この世は、この世はっ、ずっとそうだ!!"
そのあまりに悲痛な泣き顔が、頭から離れない。
どうしようもなく黒くって、どうしようもなく暗くって、どうしようもなく痛くって。
(……そうだ、俺は)
ああ、白状しよう。
どうしようもなく、愛おしいと思った。
あの闇を、あの影を、あの傷を、抱きしめたいと思った。愛おしい女性だと、確かにそう思ったんだ。
いや。
それは、今でも思っている。
これを恋と呼ぶ人も、きっといるんだろうと思う。
だけど、わからない。
恋と呼ぶ誰かはいるのだろうけど、自分がそう呼びたいと思っているのか、自分はそう呼ぶべきなのか、それが恭也にはわからない。
恋というのは、いつもわからないものだった。
初恋も、その次も、その最中に明確に自覚をしたことは、ついぞなかった気がする。あとから振り返って、ああ、自分は恋をしていたんだと気付くような有り様だ。
だから、わからない。
リインフォースへのこの気持ちが、恋なのかどうかはわからない。
彼女を愛しいと想う気持ちはある。
あるけれど、遮二無二手を伸ばす熱情が自分の内にあるかといえば、はっきりとは頷けなかった。
恋とはそういう、求める気持ちがまずあるものではないのだろうかと思って、どうしても自信が持てない。
こんな中学生のような悩み方を二十を超えた男がするというのも実に情けない話だが、まともな情操教育を受けてきたような人生では決してないから仕方ないじゃないか、なんて開き直るのは亡き父への責任転嫁だろうか。
とにかく、自分の気持ちの計り方が、少なくとも今の恭也にはよくわからないのだ。
(……それに、何より)
もしこれを恋だと断ずる事が出来たとしても、自分から彼女を求める事は出来ない。
釣り合いがとれるとも思わないし、届くとも思えないし、何より、彼女はあまりにも自分に恩を感じてくれている。
だから、どうしても思ってしまうのだ、それが彼女に応えなければならないと思わせるのではないかと。
感じてくれている恩情を足場に関係を求めるなんて、そんな下衆なやり方で、彼女に触れていいわけがない。
だから、どうしたって自分から距離を詰めていけないのだ。
「……」
「なにをそんなに考えることがあるんだ……? リインちゃんだぜ? リインちゃんが好きだって言ってきた、だぜ? そんなもん即答だろ……」
しかし、店主の質問は、リインフォースが彼女からこちらにもし好意を伝えてきたら、というものだ。
恩で強制された気持ちでなく、自然に好きだと言ってきてくれたなら。
ありえないことではあるが、もしそんな事が起こったら。
自分は。
そうだ、自分はきっと。
「俺は……」
「いつまでもサボってんじゃないよあんたぁ! 恭也くん捕まえてなにしてんだい!」
問いの答えを口にしようとしたその瞬間、店内へ雷が落ちた。発生源は店の奥から現れた店主と同じ年代の女性。
言うまでもなく、店主の奥方である。
「か、かあちゃん! 違うんだよほら、恭也くんにうちの野菜の素晴らしさを、な、な、恭也くんそうだろ!」
「ええ、ここの仕入れるものは甘みが深いのでその秘訣を伺っていました」
「……本当かい? まあ恭也くんがそう言うならいいけど、まさか馬鹿話で油売ってたわけじゃないだろうね?」
夫を睨む彼女の眼は、実に訝しげだ。
「ほら恭也くん、こっちの野菜はね……ほら、ここがこう……」
「なるほど……」
ここは男同士、チームワークを見せるとしたものだろう。打って変わって真面目な商品解説をスタートした店主に、恭也もさもさっきからこういう話を聴いていましたよという顔で相槌を打ち始めた。
「ま、なんか阿呆な話をしていたんだろうけどね。困った亭主だよ」
苦笑しながら、奥方は軽くそう言った。店主と彼女のこんなやりとりはこの店ではありふれている。
常連と名乗っても一応は大丈夫だろうくらいにここへ通っているリインフォースは、それなりにそれを目にしてきたので今更驚かない。
「相変わらず、夫婦仲がいいようで」
「はっは、ま、尻に敷くくらいでちょうどいいのさ、旦那なんてものはね」
奥方はそう言って、豪快に笑った。
「まあでも、リインちゃんはそういうタイプじゃないか。三歩下がって支える系かな? 恭也くんも幸せ者だ」
「……あの、それは」
「隠さなくていい隠さなくていい! 付き合ってるんだろ、恭也くんと! 入ってきたところをちょろっと見てたんだけど、いやあ良い雰囲気だったじゃないの!」
ぱしんぱしんと、彼女の手がリインフォースの背中を叩く。
「いい男捕まえたねえ! 恭也くんは、ちょっと鈍いけど真面目で優しいし、かと思えば茶目っ気もあるし、ルックスはあの通りだ! 詳しく知らないけど、仕事もいいとこに決まってんだろ? 言うことないよ!」
「きょ、恭也はおっしゃるとおり、その、間違いなく世界一の男性ですが……」
「お、惚気けてくれるねえ」
「いえ、その、あの、違うのです! 私達は……結ばれているわけでは、決して」
知らず俯いてしまって、低いトーンの声が出た。
「……片想い?」
「………………私は」
何をしたって返しきれないくらいの恩がある。だから何より彼は、自分にとっては恩人で。
そう考えるべき、なのだ。
そんな事、わかっている。
わかって、いるのに。
店主と話すその横顔を、ちらりと見て。
(……ああ)
あきれるくらい簡単に、リインフォースの胸は高鳴る。
胸が高鳴るという言葉が、修辞的な表現というわけではない事を、彼を見る度リインフォースは思い知る。
人を護るあの生き様が、眩しくて。
弛まず己を鍛え続け、決めた道を歩き続けるその強さが、尊くて。
そして何より、泣き叫んで当たり散らしていた自分に、真正面から向かい合いあんなにも優しくしてくれた事が、致命的に心をわし掴んだ。
彼が起きて、友人として傍に居ることが出来るようになって、すぐにわかってしまった。
女としての自分が、男性としての彼にどうしようもなく惹き付けられている事なんて。
(……でも)
愛を与える事とするなら、恋は求める事なのだと、なにかで読んだ。
であるなら、自分に許されているのは彼を愛する事だけのはずだ。親愛でもって、彼への恩に報いる事だけのはずだ。
だって、求めるなんて、何を言う。
もうこれ以上ないものを、自分は彼に貰ってしまった。生きていける命を、生きていける未来を、貰ってしまった。だったら何をこれ以上、彼から求めると言うのだ。
あまりにそれは、浅まし過ぎる。厚顔無恥もいいところだろう。
そんな事、わかっているのに―――。
「そんな暗い顔しないの! 美人が台無しだろう、女の武器を曇らせるんじゃないよ!」
「……女の、武器?」
「そうさ。憂い顔だって惹き付けられるだろうし、言うまでもなく泣いちまえば力押し出来る。だけどね、一番威力があるのはやっぱ笑顔さ」
言葉通り、力強い笑みを浮かべて奥方は言う。
「笑ったあんたに撃ち抜かれない男なんざいないよ! ライバルが多くて不安になるのはわかるけどね、いいから頑張んな!」
「あ、え、そ、そういうわけでは……」
彼を想う女性がたくさん居るのは事実だろうけど、リインフォースの頭を巡っていたのはそれ以前の問題だ。
「胃袋を掴むってのも重要だよ! 本当に重要! 今日はいいのが入ってるからねえ、これでガツンと決めな!」
しかし、気遣ってくれる奥方の心配りはやはり、暖かかった。
「恭也……、やはり私も」
並んで帰路に着きながらリインフォースは隣の恭也にそう言ったが、彼は首を振る。
「大丈夫だ、このくらい重さの内には入らん」
軽く言う彼の手には大きな袋が左右合わせて四つ。八百屋に魚屋、精肉店と巡った結果、買ったものから貰ったものまで、かなりの量になってしまった。
それでも言葉通り、まったく苦にしていない様子なのはさすがである。
「私も力には自信があるぞ」
「俺が持ちたいのさ。女性に重い荷物を持たせないくらいの格好は付けたい」
普段から甘い言葉を囁きまくるという性質では決してないが、時折さらりとこういう事を言うところが、きっと彼の男性として怖い部分だろう。
「か、格好など付けずとも、その、……恭也は、とても凛々しい」
「……そうか? 気持ちは受け取っておこう」
彼は落とすように苦笑した。こちらの言葉を信じてはいないようだ。
相変わらず、自己評価が低い。その理由は、かつてリンカーコアを喰らい、書の中にすら閉じ込めたリインフォースにはよくわかっている。彼は、彼が好きではないのだ。ゆえに、なのだろう。
しかし、自分の顔立ちの端正ささえ理解していないというのはどういう事だろう。シグナムやシャマルを美人と言っているから、美醜の感覚がおかしいようにも思えない。こういう事は本人に聞くより、きっとなのはや桃子に聞いた方が早く正確だと思うので、後で尋ねてみよう。
知りたいのだ、彼の事を、もっと。
出来るなら、多くを。
叶うのなら、全てを。
それが知慧の蒐集を目的として生み出された自分だからこその願いなのかどうかは、わからない。
「そう言えばリインフォースは今日は非番なのだったか? 今はなにか忙しい仕事を抱えているわけではない、という事か?」
「ああ。事件の後処理程度だ、穏やかなものだよ。騎士恭也はどうなるんだ?」
「それが、どういう風になるか、いまいちよくわからんらしいんだ。もうすぐ正式に就任なんだがな。とにかく基本は待機という事で、好きに鍛錬でもしていてくれていいと言われている」
彼の役職は、特別武力制圧官という新設されたものであり、未だに不明な点が多い。
「どうなるものかな。まあ、なるようにしかならんだろうが」
なんでもないように、言うが。
(……恭也)
いかな強い彼とはいえ、……不安、なのだろう。
リインフォースの眼は、荷物を握ったこちらに近い彼の右手に惹き寄せられた。
季節は四月。時は夕暮れ。
暖かくはなったけれど、まだ少し肌寒くもある。
「…………」
無言のまま、ゆっくり、ゆっくり。
そこへ、自分の手を伸ばす。
せめて、熱を伝えて。せめて、手を包んで。
平気そうだけどやっぱり荷物は重そうだから、一緒に持とうだなんて言い訳も用意して。
「ただ、勝手だが、やはりいざとなったらリインフォース達がいてくれると思うと、安心だな」
「あ、ああ! それはもちろんだ! 任せてくれ!」
言いながら、彼の手に自分のそれが触れるまで、あと少し。
あと、ほんの少し。
「恭也の任務は危険なロストロギアを相手にする事もあるかもしれないが、それこそ私の本領だっ」
「ああ、そうか、そうだったな」
「そうさ、だって」
そう、だって。
「だって私は―――…………」
だって、私は。
その言葉の続きを言おうとして。
リインフォースの左手は、恭也の右手の寸前、ピタリと止まった。
「……リインフォース?」
「……私は、………………ロストロギアだからな」
笑顔を浮かべることが、出来てはいるんじゃないかと思うけれど。
頭と背筋と、きっと魂のどこかは、ひどく冷えていた。
何を、勘違いしていたのだろう。
あまりに暖かく、人と人との間で生きさせてもらっていてまさか、自分は忘れていたのだろうか。
あまりにどうしようもなく、この人に惹かれてしまっていてまさか、自分は見ないふりをしていたのだろうか。
滑稽だ。
ひどく、滑稽だ。
「これでもロストロギア関連では、それなりに実績もあるんだ」
「ああ、話に聞く限りずいぶん活躍しているみたいじゃないか」
「大したものではないんだが、……うん、それなりにな」
どれだけ人に似てようと。
どれだけ人と近かろうと。
自分に出来るのは、許されるのは、人の傍で生きることだけ。
愛する主人に家族だと言ってもらっても、いる。自分だって、そう思わせてもらっても、いる。
だけど、それでも絶対に、―――自分は人ではない。
人に似た姿で、人のごく近くで、まるで人のように過ごす自分は、しかし決して人ではない。
人間では、ない。
だから、人間である彼を求める資格なんて、本当に最初の最初から、まるきりなかったのだ。
「リインフォース先輩とお呼びするべきかな?」
「や、やめてくれ。階級で言うなら騎士恭也の方が上でもあることだし……」
「俺のはあくまで一佐相当というだけだよ、実際に一佐なわけじゃない。いきなり佐官にされても、困るなんてものじゃないしな」
愛し合っても決して子どもは成せないし、彼と同じく老いていく事すらない。
そんな女に……女によく似た何かに、愛されたって、何になる。
「騎士恭也が私達の直属の上官であってくれればいいと、私は思うよ」
「そんな無茶ぶりは勘弁してくれ……」
尽くそう。全てを賭けたっていい。それが主の意思でもあり、自分の願いでもある。
その背を支え、追い風を起こし、あらん限りの祝福を捧げよう。
それでいい、それだけが、自分に出来る唯一なのだ。
求めたりなんて、自分はしない。
それでいい。
それでいいんだ。
……それで、いいんだ。
「騎士恭也なら、きっと沢山の人々を救う素晴らしい局員となるだろう。ああそうだ、そのうちに聖王教会にも紹介したいのだが、いいだろうか?」
「ああ、ベルカ式の総本山だったか。是非頼む」
ただ、一つだけ。
一つだけ、どうか言わせて欲しい事がある。
それは、この身の製作者達に。
言わせて欲しい事がある。
問わせて欲しい事がある。
「騎士恭也にも、ベルカの空気を気に入ってもらえると嬉しい」
「武芸者が多いんだろう? 気に入り過ぎて入り浸るかもしれんな」
「ああ、そうだな。そうなったら、素敵だ」
私はこんなもの、要りませんでした。
私はこんなもの、知りたくなんてなかったのです。
「楽しみにしているよ、リインフォース」
なのに、どうして。
どうして。
どうして。
どうして!
「ああ、……騎士恭也」
恋をする機能なんて、なんにもならないこんなもの、自分に付けたのですか。
リインフォースの話でした。
(少なくともheart開始時までは)彼女と恭也さんの仲は、このまま一切進展しませんでした。お互いこんな風に考えているので、踏み出さないまま。
恭也さんがリインフォースをそういう意味で好きなのかどうかは、ものすごく微妙なライン。想いを告げられたらそのときにどうなのかわかる、みたいな感じです。