岡田コウ『Aサイズ』
堤谷菜央先生の『人生は二日だけ』(徳間書店)を読みました。古き良き少女漫画テイストの絵柄で綴られる、切なくも優しいファンタジー短編集となっています。“上手い”絵ではないのですが、内容も絵もとても詩的だと感じますね。
絵柄の方向性は異なりますが、良質なファンタジー作品という点で、市川春子先生や九井諒子先生がお好きな方には強くお勧めしたい1冊です。
さて本日は、岡田コウ先生の『Aサイズ』(ヒット出版社)の遅延へたレビューです。長期出張のために更新止まっていましてすみません。なお、先生の前単行本『せんせいと、わたしと。』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
ちっちゃなボディの可憐な少女達のピュアな想いが激しく揺さぶられるストーリー&濃密なエロ描写がたっぷり詰まった1冊となっています。
収録作は、大変可愛がっていた弟君が中○生になってすっかり姉離れした様に見える上に、彼女とのセックスまでしていることを知った姉は・・・な連作「つまさきだち」前後編(←参照 “男性”らしくなった“弟”の背中 同中編前編より)、および独立した短編4作。
収録本数こそ6本と多くないですが、1話・作当りのページ数は25~48P(平均38P)と個々のエピソードにかなり多い分量を振った構成となっています。短編メインということもあって、この作家さんにしてはコンパクトにまとめた方ではありますが、じっくり読ませるシナリオワークであり、またエロシーンは質的にも量的にも満腹感の強い仕上がりとなっています。
【どす黒い寝取られ凌辱&切なくも優しい純愛ストーリー】
少女のピュアな恋愛模様からドス黒い欲望が闊歩する凌辱や寝取られまで、ある意味では両極端な作風を共に得意とする作家さんであり、今単行本においても両方の作風が楽しめます。
あとがきにおいて「今回は暗めの作品が多い」と自ら書いている様に、彼氏持ちの女の子がふとしたキッカケで毒牙を剥いたクラスメイトや先輩に無理矢理凌辱される寝取られモノの短編「クラスメイト」「モートンの熊手」、姉と上手くいかない結婚相手の性欲の捌け口となり恐怖と後悔と叶わぬ恋の哀しさに浸る少女描く短編「袋小路」は重苦しさのある作品。
また、凌辱系とは異なりますが、とある事情によりそれまでの関係を立たなければいけない青年と少女の切なくも優しい恋物語を描く短編「かすがい」や、弟のためにと空回りするお姉ちゃんが(背伸びして)大人ぶる弟君に振り回される姉弟恋愛ストーリーの連作「つまさきだち」も、切なさや焦燥感などを含ませたストーリーとなっています。
寝取られ凌辱にしても純粋な恋愛ストーリーにしても、共にストーリーとしての勘所を押さえていることに加え、ヒロインである少女達に宿っている、家族や恋人に対する愛情を丁寧に描き出していることが大きなポイント。
寝取られ作品であれば、恋人への純粋な想いを身勝手な奸智で利用し、つぶさに蹂躙していくことで寝取られモノとしての凄味を生み出していますし、恋愛モノであれば不定形の恋愛感情が主人公を取り巻く環境から試練を受け(←参照 他者の幸福と自らの幸福の間で流れる少女の涙 短編「かすがい」より)、時に叶い、時に叶わないものの、彼女達の中でそれが確かな形として結実していく過程がストーリーの醍醐味を形成しています。
少女達の心が揺れ動く幸福と不幸の天秤が、ふとしたキッカケにおいて短編「モートンの熊手」の様に少女の心を絶望と後悔で塗りつぶすバットエンドへ傾くか、連作「つまさきだち」の様な温かいハッピーエンドに落ち着くかという緊張感がストーリーに読み応えを生んでいるのはこれまで通りに作劇の美点と評し得るでしょう。
【保護欲と嗜虐欲を同時にかき立てる思春期ガールズ】
ヒロイン陣の年齢層は小○校高学年~中○生クラスのローティーンガールで統一されており、特に思春期前半の中○生ヒロインはこの作家さんの十八番。キャラデザインとしては設定年齢よりも幼さを強調したものとなっていると言えるでしょう。
可憐さや純粋さを十分に魅力として込めたヒロイン像ではありますが、性的なことや恋愛に関して決して無智ではなく、子供と大人の間を揺れ動く存在として思春期ヒロインを描くことがストーリーにおいても非常に重要なポイント。
姉としての自負や弟への愛情(連作「つまさきだち」)、彼氏への無垢な愛情(短編「クラスメイト」「モートンの熊手」)、親への愛情(短編「かすがい」)など、性的なものでない想い・感情と、性的なものとの狭間で激しく揺れ動いてくヒロインの感情は、彼女達の可憐さ、言い換えれば弱さを詳らかにするものであり、読み手に対し、強烈な保護欲と嗜虐欲という相反する様で両立する感情を喚起することがシナリオ的にもエロ的にも確たる強みでしょう。
黒髪ショートの女の子は今単行本においても高頻度で登場しており、素朴な可愛らしさのある彼女達が、エロシーンにおいて一気に性的な存在に変化するギャップはこの作家さんの真骨頂(←参照 短編「袋小路」より)。日常パートではふわっと軽く、幼い可愛らしさを込めて描いている分、この落差は強力で、“「あれっこの子は…いやいやそんなまさか…こんな子が…あーっ!!付いてました!!おまんこ付いてましたーっ!!」って新鮮な驚き”(©ドバト先生)を提供。
等身低めの小さなボディに、桜色の乳首が慎ましく自己主張するぺたんこバストと程好く肉の付いた小ぶりな桃尻、鏡面仕様のぷにぷにの股間をフル装備させた純然たるロリボディで統一されており、この辺りも年齢設定以上に幼さを感じさせる点でしょう。
イケメン男子達の描き方も含めて、当世風の少女漫画テイストを含む絵柄ではありますが、決してくどいタイプではなく、繊細いながらふんわりと柔らかい描線が少女達の可愛らしさを引き出す導入パートと、その絵柄の良さは保ちつつ適度な乱れや勢いを感じさせ濃密に描き込むエロシーンとの使い分けも美点。
【凶悪なレベルの陶酔感に溺れるキュートガール達の痴態】
40Pを超える様な大作短編においてはエロシーンの分割構成を行い、複数のシチュエーションに分けて描くこともあるものの、元となるページ数が多いこともあって個々の濡れ場に十分な尺があり、またより短い短編ではじっくりと長尺で濡れ場を見せることもあって抜きツールとしての満腹感はかなり高くなっています。
恋愛モノであれば思い合う二人の幸福感を高めていく流れを、凌辱・寝取られ系であればヒロインの精神を徹底的に追い込んでいく流れをエロシーンを通してじっくり描いており、それぞれのエロシチュエーションの旨味を高めていくことが実用性にも大きく貢献していきます。
いずれのエロシチュエーションにおいても、前述した様に可愛らしいヒロインが大きく“性的なモノ”に天秤が傾いた状況において、時として未知の快感や感情に恐怖や躊躇を覚えつつも溺れていく痴態を丁寧な語り回しと共に描き出しており、彼女達が一挙に性的な存在になったことによる凶悪な官能性が抜きツールとしての基盤を形成。
とろんと蕩けた瞳や涎がトロトロと溢れ出す開きっぱなしの口による陶酔感溢れる蕩け顔や、強烈な快楽の波に瞳をギュッと閉じる表情、狭い膣道が押し開く肉棒を締め付ける断面図・透過図、思わず溢れ出す苦悶にも似たハートマーク付きの嬌声、可愛らしいフォントながら行為のえげつなさも物語る擬音など(←参照 短編「クラスメイト」より)、エロ演出を濃密に重ねていくことでハイカロリーな性描写にしているのも大きな特長でしょう。
前戯パート、抽挿パート共に、十分な尺があることもあって手数の多さがあり、小さな膣に抽挿を繰り返しながら、ねっとりと舌を絡めるキスや乳首や性器、下腹などの愛撫を重ねており、大ゴマのインパクトを要所で配しつつ、特徴的な連続小コマでそれらの行為を同時並行的に描写していく情報量の高さも変わらぬ美点。
小さなお口に白濁液を放出する前戯パートの抜き所も設けつつ、着実なピストンとキスや愛撫の同時攻めによって、強烈な快楽でヒロインを圧倒する性器結合により、小刻みなアクメの陶酔に浸る彼女達にトドメの絶頂と膣内への白濁液を叩き込むフィニッシュを大ゴマで描くと共に、だらんと弛緩した女体と漏れ出る精液や献身的なお掃除フェラなどの追撃描写も投入して抜き所としての確実性を更に高めています。
寝取られ系も純愛系も両方楽しめる作品集であり、どちらか片方に集中して欲しい方には難点となるかもしれませんが、どちらも得意な作家さんであるため共に完成度の高いシナリオとエロが楽しめると感じます。
個人的には、巧みな口車でヒロインをポイント・オブ・ノーリターンに追い込む寝取り凌辱の強烈さとラストでヒロインに対して精神的なトドメを刺す短編「モートンの熊手」が最もお気に入りでございます。
絵柄の方向性は異なりますが、良質なファンタジー作品という点で、市川春子先生や九井諒子先生がお好きな方には強くお勧めしたい1冊です。
さて本日は、岡田コウ先生の『Aサイズ』(ヒット出版社)の遅延へたレビューです。長期出張のために更新止まっていましてすみません。なお、先生の前単行本『せんせいと、わたしと。』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
ちっちゃなボディの可憐な少女達のピュアな想いが激しく揺さぶられるストーリー&濃密なエロ描写がたっぷり詰まった1冊となっています。
収録作は、大変可愛がっていた弟君が中○生になってすっかり姉離れした様に見える上に、彼女とのセックスまでしていることを知った姉は・・・な連作「つまさきだち」前後編(←参照 “男性”らしくなった“弟”の背中 同中編前編より)、および独立した短編4作。
収録本数こそ6本と多くないですが、1話・作当りのページ数は25~48P(平均38P)と個々のエピソードにかなり多い分量を振った構成となっています。短編メインということもあって、この作家さんにしてはコンパクトにまとめた方ではありますが、じっくり読ませるシナリオワークであり、またエロシーンは質的にも量的にも満腹感の強い仕上がりとなっています。
【どす黒い寝取られ凌辱&切なくも優しい純愛ストーリー】
少女のピュアな恋愛模様からドス黒い欲望が闊歩する凌辱や寝取られまで、ある意味では両極端な作風を共に得意とする作家さんであり、今単行本においても両方の作風が楽しめます。
あとがきにおいて「今回は暗めの作品が多い」と自ら書いている様に、彼氏持ちの女の子がふとしたキッカケで毒牙を剥いたクラスメイトや先輩に無理矢理凌辱される寝取られモノの短編「クラスメイト」「モートンの熊手」、姉と上手くいかない結婚相手の性欲の捌け口となり恐怖と後悔と叶わぬ恋の哀しさに浸る少女描く短編「袋小路」は重苦しさのある作品。
また、凌辱系とは異なりますが、とある事情によりそれまでの関係を立たなければいけない青年と少女の切なくも優しい恋物語を描く短編「かすがい」や、弟のためにと空回りするお姉ちゃんが(背伸びして)大人ぶる弟君に振り回される姉弟恋愛ストーリーの連作「つまさきだち」も、切なさや焦燥感などを含ませたストーリーとなっています。
寝取られ凌辱にしても純粋な恋愛ストーリーにしても、共にストーリーとしての勘所を押さえていることに加え、ヒロインである少女達に宿っている、家族や恋人に対する愛情を丁寧に描き出していることが大きなポイント。
寝取られ作品であれば、恋人への純粋な想いを身勝手な奸智で利用し、つぶさに蹂躙していくことで寝取られモノとしての凄味を生み出していますし、恋愛モノであれば不定形の恋愛感情が主人公を取り巻く環境から試練を受け(←参照 他者の幸福と自らの幸福の間で流れる少女の涙 短編「かすがい」より)、時に叶い、時に叶わないものの、彼女達の中でそれが確かな形として結実していく過程がストーリーの醍醐味を形成しています。
少女達の心が揺れ動く幸福と不幸の天秤が、ふとしたキッカケにおいて短編「モートンの熊手」の様に少女の心を絶望と後悔で塗りつぶすバットエンドへ傾くか、連作「つまさきだち」の様な温かいハッピーエンドに落ち着くかという緊張感がストーリーに読み応えを生んでいるのはこれまで通りに作劇の美点と評し得るでしょう。
【保護欲と嗜虐欲を同時にかき立てる思春期ガールズ】
ヒロイン陣の年齢層は小○校高学年~中○生クラスのローティーンガールで統一されており、特に思春期前半の中○生ヒロインはこの作家さんの十八番。キャラデザインとしては設定年齢よりも幼さを強調したものとなっていると言えるでしょう。
可憐さや純粋さを十分に魅力として込めたヒロイン像ではありますが、性的なことや恋愛に関して決して無智ではなく、子供と大人の間を揺れ動く存在として思春期ヒロインを描くことがストーリーにおいても非常に重要なポイント。
姉としての自負や弟への愛情(連作「つまさきだち」)、彼氏への無垢な愛情(短編「クラスメイト」「モートンの熊手」)、親への愛情(短編「かすがい」)など、性的なものでない想い・感情と、性的なものとの狭間で激しく揺れ動いてくヒロインの感情は、彼女達の可憐さ、言い換えれば弱さを詳らかにするものであり、読み手に対し、強烈な保護欲と嗜虐欲という相反する様で両立する感情を喚起することがシナリオ的にもエロ的にも確たる強みでしょう。
黒髪ショートの女の子は今単行本においても高頻度で登場しており、素朴な可愛らしさのある彼女達が、エロシーンにおいて一気に性的な存在に変化するギャップはこの作家さんの真骨頂(←参照 短編「袋小路」より)。日常パートではふわっと軽く、幼い可愛らしさを込めて描いている分、この落差は強力で、“「あれっこの子は…いやいやそんなまさか…こんな子が…あーっ!!付いてました!!おまんこ付いてましたーっ!!」って新鮮な驚き”(©ドバト先生)を提供。
等身低めの小さなボディに、桜色の乳首が慎ましく自己主張するぺたんこバストと程好く肉の付いた小ぶりな桃尻、鏡面仕様のぷにぷにの股間をフル装備させた純然たるロリボディで統一されており、この辺りも年齢設定以上に幼さを感じさせる点でしょう。
イケメン男子達の描き方も含めて、当世風の少女漫画テイストを含む絵柄ではありますが、決してくどいタイプではなく、繊細いながらふんわりと柔らかい描線が少女達の可愛らしさを引き出す導入パートと、その絵柄の良さは保ちつつ適度な乱れや勢いを感じさせ濃密に描き込むエロシーンとの使い分けも美点。
【凶悪なレベルの陶酔感に溺れるキュートガール達の痴態】
40Pを超える様な大作短編においてはエロシーンの分割構成を行い、複数のシチュエーションに分けて描くこともあるものの、元となるページ数が多いこともあって個々の濡れ場に十分な尺があり、またより短い短編ではじっくりと長尺で濡れ場を見せることもあって抜きツールとしての満腹感はかなり高くなっています。
恋愛モノであれば思い合う二人の幸福感を高めていく流れを、凌辱・寝取られ系であればヒロインの精神を徹底的に追い込んでいく流れをエロシーンを通してじっくり描いており、それぞれのエロシチュエーションの旨味を高めていくことが実用性にも大きく貢献していきます。
いずれのエロシチュエーションにおいても、前述した様に可愛らしいヒロインが大きく“性的なモノ”に天秤が傾いた状況において、時として未知の快感や感情に恐怖や躊躇を覚えつつも溺れていく痴態を丁寧な語り回しと共に描き出しており、彼女達が一挙に性的な存在になったことによる凶悪な官能性が抜きツールとしての基盤を形成。
とろんと蕩けた瞳や涎がトロトロと溢れ出す開きっぱなしの口による陶酔感溢れる蕩け顔や、強烈な快楽の波に瞳をギュッと閉じる表情、狭い膣道が押し開く肉棒を締め付ける断面図・透過図、思わず溢れ出す苦悶にも似たハートマーク付きの嬌声、可愛らしいフォントながら行為のえげつなさも物語る擬音など(←参照 短編「クラスメイト」より)、エロ演出を濃密に重ねていくことでハイカロリーな性描写にしているのも大きな特長でしょう。
前戯パート、抽挿パート共に、十分な尺があることもあって手数の多さがあり、小さな膣に抽挿を繰り返しながら、ねっとりと舌を絡めるキスや乳首や性器、下腹などの愛撫を重ねており、大ゴマのインパクトを要所で配しつつ、特徴的な連続小コマでそれらの行為を同時並行的に描写していく情報量の高さも変わらぬ美点。
小さなお口に白濁液を放出する前戯パートの抜き所も設けつつ、着実なピストンとキスや愛撫の同時攻めによって、強烈な快楽でヒロインを圧倒する性器結合により、小刻みなアクメの陶酔に浸る彼女達にトドメの絶頂と膣内への白濁液を叩き込むフィニッシュを大ゴマで描くと共に、だらんと弛緩した女体と漏れ出る精液や献身的なお掃除フェラなどの追撃描写も投入して抜き所としての確実性を更に高めています。
寝取られ系も純愛系も両方楽しめる作品集であり、どちらか片方に集中して欲しい方には難点となるかもしれませんが、どちらも得意な作家さんであるため共に完成度の高いシナリオとエロが楽しめると感じます。
個人的には、巧みな口車でヒロインをポイント・オブ・ノーリターンに追い込む寝取り凌辱の強烈さとラストでヒロインに対して精神的なトドメを刺す短編「モートンの熊手」が最もお気に入りでございます。
コメント
コメントの投稿