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アセス
「あなたはなんで武器も持たずにこんな危ないところにいるの?」
いきなりの質問。
焦ってしまい、え? と情けない声を漏らしてしまった。
「え? ってなに?」
笑って返される。
「え、いやぁ……え? ここどこ?」
そうだ、なんで俺はこんなダダっ広いところにいるんだ?
まず、市民が剣を持ち歩いてる、なんて国知らないし…。この人が兵士とかなら別だけどさ。
しかも、この人は金髪、染めたとかそんなんじゃない、鮮やかな金。
日本人なわけないのに日本語を話している、とても流ちょうに。
「あなたはどこからきたの?」
迷子の子供をあやすように聞いてくる。
「え…っと、イギリス? あれ? 俺、日本人なのになんでイギリス?」
金髪の女性は不思議そうにこっちを見ていた。
「あ、いや、イギリスじゃなくて……日本から来ました! 住所は……?」
あ、あれ? 住所は…なんだったけ? 忘れてしまった。
「いぎりす…にほん……いぎ、リス……に、本? ブック?」などとよくわからないことを口ずさむ金髪の女性。
もしかして、わからないんじゃ…。
「あなたは遠くからきたの?」
「そ、そんなこと聞かれても…ってここどこですか?」
金髪の女性は明らかに困っている。
まぁわからない単語とか平気ではなされたら混乱するのも無理はない。
「難民かな? 特に名前はないけど…あえていうなら、エインフィルグン西部、迷宮区近くかな。」
「え、えいぐんふぃるぐん?」
うん、と笑顔で返事をされた。
「しかも、迷宮区って…?」
またしても、うん、と笑顔で返された。
迷宮ってあれだよな…よくRPGとかである…。
洞窟とかのことをここのゲーム好きのお偉いさんがそう名づけたのかも…。
などと、自分で納得しておいた。
「私はアセスといいます。あなたは?」
「ボブっていいます」
「ボブって名前のわりに細すぎじゃない?」
あはは、などといってごまかす。
ボブという名前に太いイメージでもあるのだろうか?
「じゃあさっき言ったエインフィルグンにでも行きましょうか」
ここは危ない、あたりをよく見るとブラックピックがたくさんいる。もう追い回されるのはごめんだし、アセスさんについていけばなんとなく大丈夫な気がする。
「はい! いきましょうか」
元気な声で返した。
出会ってばっかりの人についていくことにした。
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