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『花梨の場合』 「ボク、まけないもん!」 花梨が薄めの胸を張って、元気良く言った。 目の前では、カラスが三羽カアカアいっている。 そのカラスはいっつもかびたの周りに出没してた。 かびたはまるで気にしてなかったけど、そのカラスの正体がなんであるのか花梨はわかっていた。 なにしろ神様なのだ。 まだなりたてほやほやで、力の使い方も良く分かってないけど、それでも神様なのだ。 かびただけの神様。 どんなお願いでも叶えてあげられる。 最初はそう思って喜んだ。 でも、すぐにちょっとした真理に気づく。 それは、“ないお願いは叶えられない”っていうこと。 だからかびたのような人間のお願いを叶えるのは、とってもとっても難しいことなのだ。 たった一つだけ、願い事があるにはあったのだけど……。 『ニャルフェスさまから、いぢめられなくなるように』っていうこと。 こればかりは、さすがに花梨にはどうしようもない。 相手は、創生期以前からいるような古い神さま。 一方花梨はまだ神さまなりたてのペーペーだ。 その実力差はカマト婆ちゃんのキスとノリカのキスくらいの開きがある。 とんでもなく違うのだ。 なのに一度かびたが目の前でいぢめられてたとき、後先考えずにやっちゃってしまったことがあった。 ほとんど条件反射である。 その結果、 『お前、かびたを鍛える道具にしてやるニャ!』 とかいわれてその通りになってしまった。 頭の中はかびたとHすることだけになって、ひたすら求め続けてしまう。 もちろんニャルフェスさまがナットクするまでだ。 その間、花梨はかびたの何十倍もイッたけど、花梨の体力は無尽蔵。けっして尽きることはない。 そんな花梨が欲望の歯止めをとっぱらわれてしまったのだから、かびたにとっては確かに修練の場となった。 まったく花梨としては、不本意極まりないことだった。 いいようにニャルフェスさまに操られて、花梨の意思ではどうしようもなくされてしまった。 ただただかびたの肉体を、一方的にむさぼった。 結局、花梨にとってニャルフェスさまは、ちょっとばっかし荷が重過ぎる相手だったのである。 それで、今のところかびたのお願いを叶えてあげることは、ほとんど絶望的といっていい状況にある。だから、花梨としては何か他にかびたのためにしてあげられることはないか見つける必要があった。 すでに氷川先生や由利亜センパイたちは、それぞれかびたのためにしてあげられることを自分でみつけて動き出している。美香ちゃんは美香ちゃんで、なにやらアブナイ計画をたてている。 もうすでに、かびたのために動き始めているのだ。 勝つとか負けるとかいうようなことではないってわかってはいるけど、それでもやっぱりくやしい。 しかも花梨には、かびたのことを一番先に好きになったんだという、ちょっとした自負もあったりする。 だからなおさら、必要以上に力が入ってしまうのだ。 かびたのために、自分ができることは? 花梨は一生懸命考えた。 その中にはかびたに自分の肉体を好きにしてもらうっていうこともあった。 でも、そんなのすぐに却下だ。 それだと、結局よろこぶのは花梨の方になってしまうから。 ニャルフェスさまに操られなくったって、結果は同じだったりする。 そもそも花梨にとってかびたの肉体は麻薬と同じだ。好きにしてもらう必要があるのは、花梨のほうなのだ。 どう考えてみても、それではかびたのためっていうより、花梨のためにっていうべきだろう。 そうやってあれこれ悩んでいるうちに、なんにもできなくなっていた。 まぁ、かびた相手に悩んだりするのが一番問題みたいな気がする。 でも花梨にしてみたら、けっこう必死なのだ。 そうこうしているうちに、花梨は三羽のカラスに気がついた。 カラスなんでどこにでもいるから、あまり気にもとめなかった。はっきりいって、かびた以外のことなんてどうでもよかったのだ。 でも、そのカラスがかびたに糞による精密爆撃を慣行していたとしたなら話は別である。 糞爆をうけてもかびたはあまり気にならないみたいだったけど、花梨は気にした。 思いっきり気にした。 つーか、ムカついたのである。 そのカラスから感じたのは悪意。 かびたのことをあからさまにバカにしていた。 カラスの分際で、だ。 元々は人間だったとしても、今はカラスだ。 ゴミをあさって、ばさばさ飛んで、かあかあ鳴いてるのが仕事なのだ。 そんな連中がかびたにいやがらせをしている。 まったく、許しがたい冒涜だった。 それで花梨は、めったにないことだけど怒った。 ぷんぷんと、それはもうはげしく怒っていた。 だから、しっかりとはっきりとなおかつキッパリと言い聞かせる必要がある。 そして、いままでの分はきちんと、それなりの報いを受けてもらうつもりだった。 でも、カラスに説教やお仕置きしても、かなり虚しいものがある。花梨としたらそれはちょっとやめときたい。 だから、花梨はとりあえず彼女たちに人間の姿に戻ってもらうことにした。 とはいっても、なかなかうまくいかない。 それをしたのはニャルフェスさまじゃないみたいだから、すんなりいくかと思った。 で、やってみた。うまくいかない。 とても高度な処理がほどこしてあったからだ。 ただ人間をカラスにするだけなら、そんなに難しくない。今の花梨になら、簡単にできる。逆もまた然りだ。 でもそれだと頭の中身もカラスと同じになってしまう。人間だったときの記憶はどっかにいっちゃうし、人間と同じように考えたりもできない。 なにしろカラスの頭なのだ。それが当然というものだ。 なのにその三羽のカラスは、人間の頭脳を持ったままカラスにされていた。 それをもとに戻すためには、さんざんにからまってしまった糸の塊をほどくように元にもどしてゆく必要があったのである。 と、まぁそんなことよく分かっていても、現実にやるとなるとこれがまた難しい。 首だけが人間で、体はカラスのままだった。 あるいは、足だけが人間になったこともある。 ちょっと気持ち悪かった。 一度だけ、完全に人間の姿を取り戻したこともあった。 でも、そのとき彼女たちが唯一話すことのできた言葉は『かあかあ』だった。 人間の体の中に入っていたのは、カラスの脳みそだったのである。 そんなこんなんで、花梨の一生懸命は空回りし続けて、冒頭部分に戻るのである。 「ボク、まけないもん!」 花梨が薄めの胸を張って、元気良く言った。 再挑戦をするのだ。 昨日の夕方から再挑戦し続けて、すでに夜が明けようとしていた。 もちろん花梨は、そんなささいなことなんて気にもならなかった。 成功するまで、なんどでも再挑戦するつもりなのだ。 花梨の元気は、底なしだったりする。 でも、完全にうんざりしてたのは三羽のカラスたち。 一晩中、わけのわからないものにヘンシンさせられ続けたら、それはうんざりもしたくなるだろう。ましてや、いつ終わるのかがまるでわからないとなったらなおさらだ。 だからといって、三羽のカラスたちに状況を変えることなんてできるはずがない。 花梨が許しを与えない限り、彼女たちには話をすることもできないし自由に動くことなんてなおさらできない。 なんといっても彼女たちは、ただのカラスに過ぎないのだから。 けど彼女たちにだって、人間に戻りたいっていう気持ちはある。 激しくある。 残飯をあさる生活は、かなり惨めなものだった。 おまけにオスのカラスにまとわりつかれるのだって、これ以上は耐えられない。 むちゃくちゃ人間に戻りたかった。可愛かった頃の自分に戻りたかった。 だからといってわけのわからない生き物になりたいわけじゃない。 どうせなら、すんなりと人間に戻して欲しかったのである。 「これなら、どう?」 花梨の意思の力が再びはたらく。 三羽のカラスの姿が変った。 「ありゃ……ボク、また失敗しちゃった……」 目の前には3人の少女達が立っていた。 その姿を見れば誰だってそう思うし、可愛いとすら思うかも知れない。 ただし、両手の代わりに翼がなければの話だ。 黒光りする羽じゃ、どうみても何かを掴むには不自由そうだし、お箸を持つことなんて絶望的だ。 そんなだから、彼女たちは少女には見えたけど、とてもまともな人間には見えない。 いいところ露出狂のコスプレ姉ちゃんだろうか? ま、とにかく失敗したのは確実だろう。 それじゃあ、と再度挑戦しようとした花梨。 でも、ふとあることに気づく。 花梨は彼女たちにお説教とお仕置きをしたいのだ。 彼女たちを人間に戻すのは、そのための手段にすぎなかったはず。 あまりに夢中になり過ぎて、そこのとこが頭からキレーに抜けてしまってた。 ようするに、彼女の目的のためには、今のままで十分。完全な人間に戻してあげる必要はないってこと。 とりあえず今の姿にするやり方ならわかったし、まずはお説教から始めることにする。 「キミたち、もうあんなことしたらダメだからね!」 両手を腰に当て胸を張って花梨が言った。 「うっせーんだよ! さっさと、あたしら元にもどせよ!」 少女の一人が自由を取り戻したとき、真っ先に言った言葉がそれだった。 どうやら、反省という言葉を知らないようだ。 「キミたちのやったことって、とってもと〜っても悪いことなんだよ! 反省しないとダメだからね!」 花梨がさらに強く主張するが……。 「なにいってんだよ? ウゼーんだよ、てめぇわ」 はっきりいって、なめられている。 「む〜〜〜っ」 花梨のほっぺがほんのりと薄紅色に色づいた。 むちゃくちゃかわいいけど、どうやら怒っているらしい。 「なにやってんだヨ? 見てねぇで、さっさとあたしらを元の人間に戻せヨ!」 今度は別の一人がいらついたように言う。 ケンカでも売っているつもりなのだろうか? 花梨(かみさま)相手に? 「ちゃんとやんねぇと、ボコッてやんかんな!?」 残りの一人はあからさまに脅しをかけてきた。 「むむむむむ〜〜〜〜〜っ」 花梨のほっぺの色がちょっと濃くなった。 怒りがさらにパワーアップみたいだけど、傍目にわからないのが欠点だったりする。 しいて言えばより可愛らしくなっていた。 まぁ、この場合あんまり役にはたちそうもないけど。 でも、どう見えようが花梨を怒らせていいはずがない。 なにしろ神様なのだから。 そこに、少女の一人が止めをさした。 「早くしろヨ。あの、カビとかいうおかまヤローをボコしてやんだからよ」 まったく無謀というか、救いようがないというか、何考えてるのか理解できない。 元々学習能力が根本的に欠如しているのかもしれない。 自分たちがカラスにされた理由は、そもそも何だったのか? 少しでも考えてみれば、理解できそうなものを……。 「ボク、もう怒った! キミたちなんか、こうしてやる!」 ついに花梨がキレた。 キレたまま力を使って少女達の肉体をいぢくった。 ついでに、精神もいぢくった。 「ボク、もう帰る!」 花梨の背中から、白い巨大な翼が広がった。 その翼のたった一度の羽ばたきで、花梨の姿は夜明けの白みかけた空に溶け込んだ。 後に残された三人は。 「ちんぽ、ちんぽ、ちんぽぅ」 「ちんちんちんちんちんちんんんっ」 「ちんこちんこちんこぅぅぅ」 そんなことをいいながら、自分の股間や胸をいじくりはじめる。 でも、カラスの羽じゃうまくさわれない。 それでも必死に自分の淫らしいところをなぐさめながら、ふらふらと男を求めてさ迷いだした。 もう、さっきまでのような威勢のよさは何処にもない。 なにせ、頭の中に浮かぶことといえば、男のものののことだけ。それ以外のことを考えることはできなくなってしまっていた。 そこに、やってきた男がいる。 骨田骨男(ほねだほねお)である。 けしてたまたまっていうわけではない。 なぜならここは、骨男の家だからだ。 昨日の夕方帰宅してきたら、なぜか自分の家に入ることができなくなっていた。 玄関もちゃんとあるし、門だってきちんと開いた。 ただ、中に入ったら、いつの間にか玄関から外に出てしまうだけだ。 足を踏み入れたその瞬間、自分が逆向きに玄関から外へと踏み出していることに気づくのだ。 でも、それは玄関だけではなかった。 裏口でも、あるいは塀をよじ登っても結果はおなじだった。 とんでもなく不可思議なことが起っていた。 骨男は一晩中自分の家に入ることができずに、周りをうろついていたのである。 もちろん、それは花梨が結界を張ったからで、けして骨男の家がミステリーゾーンに変貌してしまったわけではない。 だから、花梨が去ってしまえばいたって普通に入れるようになる。 つまり骨男は一晩かけてようやく、自宅に帰ってくることができたのである。 はっきりいって、このとき骨男はもう疲れきっていて、白みかけた空を見上げて、後何時間寝ることができるだろうかと憂鬱になっていた。 でも、そんな事情なんてワガママ三人娘には関係のないことだった。 男のもののことしか考えられなくなったところに、獲物がいきなり飛び込んできたのだ。 そうなれば、やることは一つ。 「うぁっ?! なんだ? おまえら、いったいなにを……うううっぐぐぐ……」 骨男は三人の少女にあっさりと捕獲されてしまう。 学校の制服を着てたけど、飢えきった少女の前にはそんなものなど役に立たない。 一瞬で剥かれた。 「うぐぐぐぐぐっっっ!!!」 (なにすんだよ!!!) もちろん、骨男の抗議の声だって届かない。 れろれろけろ。 少女二人が骨男の体をナメまわす。 ずにゅうっっっ。 もう一人は骨男にのしかかり、自分の中に骨男のモノを突っ込んだ。 三こすりまでは耐えた 「ふひゃあ〜〜〜っ」 へんな声を上げて、骨男はいった。 後もう少しで三こすり半だったのに……。などと惜しんだりするような人間はいない。 萎えかけたものを、三人がかりで舐りまわしすぐに使える状態にもってゆく。 半ば立ちになったところで、別の少女が自分の中に強引に咥えこむ。 もちろん、そこからはネバネバが絶え間なく滴りおちてきている。 いうまでもなく、愛液だった。 ズルッと入った。抵抗なんてない。 最後のひとりは耐え切らなくなったらしく、骨男の上に問答無用で跨がる。 骨男の顔がネバネバヌルヌルした液でずぶぬれになった。 骨男はそれにかまわず、目の前のものに夢中でしゃぶりつく。 舌を思いっきり突き出し、より深いところを丹念にねぶりまわす。 ちんぽをくわえ込んだ少女と、舌でアソコをかき回されている少女はそのままの格好で向かい合いどちらからともなくキスを始める。 舌を絡め唾液をかわしあう、濃厚なディープキスである。 残りの一人は骨男の右手を自分の股間に持ってゆき、こすりつけている。 四人はてんでにイキながら、それでもぜんぜん満足しなかった。 骨男はセンズリ覚えたサルのように我を忘れてしまったし、少女の頭の中にはそのことだけしか浮かばない。 ほっとけば、このまま死ぬまでやりつづけることだろう……。 でも、終りは以外にすぐやってきた。 周囲がだいぶ明るくなり、ついに太陽がその姿を現したときだ。 「いったい、なんで……」 「頭ん中が、アレのことでいっぱいになって……」 「あたし、なんでこんな男を求めたんだ……」 一瞬で正気に戻っていた。 体はまだほてっているが、それでもアレ以外のこともまともに考えることが出来るようになっていた。 どうみてもダサイやせぎすの男を引きずり倒し、まるでレイプでもするかのように自分達からヤリまくった。 そのことが、自分自身で信じられないってカンジだった。 「ねぇキミたち、もうおしまい? もっとやろうぜ?」 骨男はとろけたような表情で、少女たちにねだる。 もちろん、少女たちにとってそんなことは関係ない。 「キモイんだよ、てめぇーわヨ」 「なめんじゃねぇよ。だれがてめぇみてぇなのとすんだヨ」 「あたしらとヤッたんだ、イシャリョー百万払えよな!」 口々に言いがかりをつける。 ちなみに余談だが、イシャリョーを請求した少女は、慰謝料ではなく医者料を請求していたりする。 「ええっ?」 驚く骨男。 今更って気もするけど……。 でも、本当に驚くのはこれからだった。 「薄汚い目であたしらのハダカみてんじゃねぇよ、変態ヤロー!」 少女の中の一人が口汚く言い、骨男の頭を足で踏みつけようとしたときだ。 「あ、足が動かない、な……」 「手がうご……」 「体がおかし……」 三人の少女たちの体が、突然固まってしまう。 両手両足、それに目も見開いたままフィギュアにでもなってしまったかのように固まった。 地面にしゃがんでいた二人は、そのままコロンと地面にころがった。 骨男を踏みつけようとしていた一人は、そのままドテッとひっくりかえった。 「ぐえっ!」 骨男がヘンな声をあげる。 少女人形の直撃をうけたからだ。 しばらく地面でうめいた後、地面にころがった三つの少女人形を骨男は見つめていたが……。 「いいもん、拾った……」 そういうと、おもむろにその中の一体を担ぎ上げる。 お持ち帰りするつもりだった。 なにせ、自分の家の庭に落ちていたのだから誰憚ることはない。 えっちらおっちらと、三回自分の部屋の間を往復してすべて運び込んだ。 とりあえず壁に立たせて満足げにながめる。 両手がへんな羽になってしまってるのが今ひとつ気に食わないけど、それでもここまで精巧にできたフィギュアはないだろう。 ま、本物がそのまま固まったのだから当然といえば同然だけど……。 後問題なのは、どんなコスチュームを着せて遊ぶかということだけだ。 でも、人形にとってみたら、他にも色々と問題がある。 “てめぇ、さわんじゃねぇ” 骨男が胸をなでまわしたとき。 “どこみてんだよ、変態ヤロー!” 骨男が股間をじっくりと鑑賞していたとき。 “き、きたねぇ。なんてことすんだよ、変質者!” 骨男がベッドに連れ込んで、ボディを舐めまわしはじめたとき。 それぞれに言ってやりたいことがあった。 でも、できるのはただ考えることだけだ。 表情一つ変えることはできない。 もちろん言いたいこととか、やりたいこととかやまほどあった。 なのに、何一つ実行することができない。 見ること、聞くこと、感じること、そして考えることはできる。でも、体は固まったまま動かない。 どんなにキモかろうが、骨男のフィギュアになっていることしかできないのである。 せっかく思考の自由は取り戻しても、これではなんにもならなかった。 けれど、また再び状況が変化する。 時間が経ち、太陽が西の大地に姿を消したとき……。 「あっ? からだが動く!」 「ほんどだっ!」 「てめぇ、よくもあたしらにあんやことやこんなことを!!!」 少女たちは、再び肉体の自由を取り戻していた。 ただし、もちろんそれだけではない。 少女の一人がまた、骨男の頭にケリを入れようとしたときだった。 「ま、またあたま、が………………ち……ちんぽっ……ちんぽっ、ちんぽっ、ちんぽっ」 三人とも同じだった。 頭に浮かぶのは男のモノのことだけ。 それを求めしゃぶり咥え味わい、とどめは自分のあそこで喰らいつくす。 そこから吐き出されるものも、今の彼女たちにとっては最高のご馳走である。 骨男はたちまち三人の少女達に取り付かれて、ねぶりまわされる。 これが、花梨が三人に残していった置き土産だった。 まともに考えられる昼間は肉体の自由を奪われ、肉体の自由を取り戻した夜は思考の自由を奪われる。 昼間ここから逃げることを考えていても、夜が来ればそんなことなど考えられなくなる。 さえぎるもののない檻であった。 あるいは扉の開かれた牢獄。 でも、それはどんな堅牢な牢獄よりも遥かに強く彼女たちを捕らえていたのである。 闇のとばりが降りる頃、その雫が一つの影を生み出した。 影は月の光に装われ、麗しき人の姿になる。 闇と、どこまでも透きとおった光が生み出したモノの名を、カオルといった。 その背に負った黒き翼が、風をつかみカオルの体を軽々と宙に浮かばせている。 「やれやれ、まったく救いようのない人たちだ……。最後のチャンスを無駄にするなんて、ね」 そうつぶやくように言った後、カオルは骨男の家の真上に移動する。 「君たちには、このまま消えてもらう。永遠に、ね……」 カオルの腕に月の光が集い、集った光は真下の家をすっぽりと覆った。 光が消えたとき、家もともに消え失せている。 だが、消えたのは家だけではない。 その下の土地ごと消え失せていた。 周りにあった家は隣同士となり、初めからそこに家は建っていなかったかのように……。 いや、実際その通りなのだ。 そこに住む人たちは、誰もそこに家があったなんて知らなかったし、そもそもそんなことを聞いたら聞いた人間の正気を疑うことだろう。 なぜなら、元々そこに家なんてなかったのだから……。 たとえ、それがカオルの力がもたらした真実であったにしても……。 一方花梨は、かびたの家に上がりこんでいた。 幸いにもニャルフェスさまは不在で、かびたが一人で寝ていた。 とても気持ちよさそうに寝ていたので、起こしたくはなかった。 自分の中に巨大な欲望が存在していて、その欲望はかびたを起こせと叫んでいたけど、なんとかかびたの寝顔をみることで耐えることができた。 実際には、かなりきわどかったが。 でも、なんにもしないでっていうのも口惜しいから、寝ているかびたの唇だけは奪ったけど……。 「かびたセンバイ。ボク、またくるね……」 かびたが起きない程度の声で、そうつぶやくように言い残すと、花梨は立ち去ろうとする。 窓から飛び出そうとしたとき、ちょっとしたことを思いつく。 せっかくだから、自分の力を使ってかびたセンパイのために、ちょっとしたお土産を置いていくことを……。 そして、かびたはそのお土産のおかげで、めったに使わない頭をフル活動しなくてはならなくなるのだった。
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