パソコンを廃棄・処分するには?
ここでは古くなったパソコンや使わなくなったパソコンを廃棄・処分する際の、注意点や方法を紹介しています。
パソコンやディスプレイモニターは、「資源有効利用促進法」によりメーカーによる自主回収・リサイクルが義務付けられました。
事業用パソコン(企業・法人)と家庭用パソコンに分けられ、事業用パソコンが平成13年4月から、家庭用パソコンが平成15年10月からになります。
対象のものは、デスクトップパソコン、ノートパソコン、液晶ディスプレイ、CRTディスプレイ、液晶と本体の一体型パソコンなどです。
基本的に自治体での処分・回収は行われないため不燃物・粗大ゴミとして出すことは出来なくなっています。
プリンターやキーボード、マウスなど周辺機器は対象にはならないため、自治体などで不燃物・粗大ゴミとして出すことも出来ます。ただ各自治体により対応は異なりますので、HPなどで確認するといいでしょう。
注意点
廃棄の方法というのは いくつか方法があるためそれほど心配する必要はありません。
注意すべき点は データの取り扱いです。
パソコンには必ずハードディスクが内蔵されており、ここにすべてのデータが入っています。メモリーやマザーボードなどハードディスク以外の部品にデータが記憶・記録されることはありません
ハードディスクは仮にパソコンが起動しない、異音がする、初期化したなどの場合でも完全にデータが消えているというわけではありません。特殊な方法で読み取ることは可能といわれています。
なのでパソコン廃棄する際は特にハードディスクに気を付けるということになります。
廃棄・処分方法
インターネットで検索すると近くに廃棄・処分するところがなくても、古いパソコン・使わなくなったパソコンを配送・発送して無料で廃棄・処分できるところがあります。送料は自分で負担するが、廃棄費用は無料というパターンが多いです。
会社によっては、ハードディスクのデータ消去も行ってくれるところがありますので調べてみるといいでしょう。
廃棄・処分会社によってはパソコン部品のみの廃棄やブラウン管モニターの廃棄を受け付けていないところもありますが、パソコンの他に、パソコンの部品、周辺機器などもまとめて回収してくれるところもあります。
2.地域の廃棄・回収会社
地域によっては、パソコンや家電不用品を無料で回収に来てくれたり、引き取りしてくれるところもありますので調べてみるといいでしょう。
回収会社・事業所によってまちまちですが、パソコン部品のみの廃棄やキーボード・マウス・ブラウン管モニターなど製品を問わず無料廃棄・回収・引き取りをしてくれるところも多くなっています。
地域の廃棄・回収会社はデータ消去などは行っていないことが多いので、その点は自分でハードディスクを取り出すかデータ消去を行うといいでしょう。
3.メーカーによる回収
PCリサイクル法に基づきパソコンメーカーが回収します。
PCリサイクルマークが付いている場合は無償です。PCリサイクルマークが付いていないパソコンは、有償になります。平成15年10月以前に発売されたパソコンになります。
データ消去は 基本的に自己責任というかたちになります。また自作パソコンや日本から撤退したメーカーなども回収先が設けられています。
メーカーによる処分・回収は、指定された方法に従います。
所有しているパソコンのメーカーによって廃棄・処分方法は異なってきます。メーカーごとに問い合わせ窓口が用意されているので連絡して確認するといいでしょう。
平成15年10月以降に販売された家庭向けパソコンに貼付されています。原則としてこのマークが付いているパソコンは廃棄の際に新たな料金がかかることはありません。
各メーカーの廃棄・回収・リサイクルについてのページは下記の通りです。法律により 回収・リサイクルが義務付けられているので連絡などはしやすくなっています。
メーカーによっては買取を行なっているところもあります。
データ消去
1.自分でハードディスクを取り出す
パソコンからハードディスクを取り出し自分で保管するか、物理的な破壊を行います。ハードディスクを取り外したパソコンのみ廃棄・処分します。ハードディスク取り出し・パソコン分解作業が必要です。
金属製の箱型の部品がハードディスク。一番左がデスクトップ用3.5インチ、右の2つがノート用 2.5インチと1.8インチ。
取り出したハードディスクを自分で保管しておくというのもひとつの方法です
データが入っていればバックアップ用のハードディスクとしても使用できるでしょう。また再フォーマットして予備のハードディスクとして保管しておくなど使い道はあります。ただしハードディスクが壊れている場合は再利用はできません。
取り外して破壊したハードディスクは、パソコンではありませんので基本的に不燃物・資源ごみとして出せます。(自治体により対応が異なりますので、HPなどで確認します。)
メーカーでの廃棄をする場合は、ハードディスクを取り出してもいいかどうかの確認はしたほうがいいでしょう。
ほとんどのメーカーは、ハードディスクを取り外した上での廃棄・回収を認めています。
2.自分でデータ消去を行う
パソコンの電源が入り、光学ドライブが動作する場合は、フリーのデータ消去ソフト、物理フォーマットツールを使用してハードディスクを取り出さずにデータ消去を行います。ハードディスク取り出し・パソコン分解が難しいときなどに有効です。
3.廃棄・処分会社・メーカーに任せる
パソコンの廃棄・処分の会社によっては、データ消去・証明書発行までサービスで行ってくれるところもあります。廃棄・処分とあわせてデータ消去も任せるという方法です。
また一部のメーカーは回収の際にデータ消去をしてくれるところもあります。
ハードディスクのデータがそれほど気にならなければ、パソコンごとそのまま廃棄・処分というかたちでいいでしょう。
4.HDDデータ消去サービス
ハードディスクなどの記録メディアを持ち込むことで、データ消去を行うサービスがあります。
店頭などにハードディスクを持ち込みその場で、物理破壊や磁気ディスクのデータ消去をしてくれます。有名なところでは家電店のソフマップが各店舗でサービスをおこなっています。
廃棄・処分が無料でできる理由
パソコンの廃棄・処分を無料で請け負ってくれる会社は増えています。
なぜ無料なのか?と疑問に思うこともあるかもしれません。実際古いパソコンや壊れたパソコン・ディスプレイなどは使い道すらないものあります。
ひとつは再生可能なパソコン部品を取り出して、それを再利用・リサイクルできるというのがあります。CPUやメモリ、グラフィックボードなどはそれにあたるのではないでしょうか。
もう一つはパソコンおよびパソコンの部品がほとんど金属で出来ているということです。鉄やアルミとして再利用できるということになります。
またパソコンの基盤には微小ではありますが、レアメタル(希少金属)が使用されています。廃棄・処分されるパソコンからは金属などの他に、レアメタルも取り出され再利用されているのです。
買取・下取り
パソコンあるいはパソコンの部品を買取や下取りに出す、中古品としてオークションなどで販売するという方法もあります。
パソコンは部品の集合体なので、起動しなかったり壊れたりしてもまだ利用できる部品があるので、一部が壊れていたとしても買い取ってもらえることはあります。比較的性能が高いパソコン、珍しいパソコン(レアなパソコンや部品)はこうした傾向が強いといえます。
しかし近年パソコンの性能はどんどん進化していて、性能が高くて安いパソコン・部品が増えてきているので古いパソコン・部品などはほとんど値段が付かないこともあったりするのであまり期待はしないほうがいいでしょう。