パソコン高速化のための最重要チェックポイント
メモリーの増設は、パソコンの起動や動作を改善する最高の処方箋であるといえます。
パソコンの起動が遅い、動作が重いというトラブルの場合、メモリーの増設だけで局面を打開できることもあります。
増設するメモリーの容量にもよりますが、ほとんどの場合パソコンの動作が速くなるのが体感的に分かるでしょう。
百聞は一見に如かずといいますが、メモリー増設に関してはまさにその通りで、面倒くさいとかお金がかかるのはいやだという理由で、メモリー増設を見送るというのは実にもったいないことです。
メモリーの増設を一度もしたことがないという場合、増設の効果がどれくらいなのか分からないため、懐疑的に聞き流したり決断をにぶらせたりするかもしれません。
そのためメモリー増設という主体的な行動が、パソコン初心者と中級者以上との分水嶺になっているともいえます。
基本的にメモリーの増設をすると、パソコンの環境が大きく改善され操作性が向上するため、パソコンを使うことが楽しくなります。
これは結果としてパソコン操作上達のスピードを早めることになります。本当の意味でパソコンに慣れ親しんでいくというのは、ここから始まるといっても過言ではないのです。
ではどのようにメモリーの増設をしたらいいのか?ということですが、答えは簡単です。
それはパソコンのマニュアル(説明書)をよく見ることです。
ノートPCなら底部、デスクトップPCなら本体をドライバーで開ければ大抵メモリーの増設場所を見つけることができます。
しかし機種によっては、ノートPCの場合メモリーの増設場所がキーボードの下にあったり、デスクトップPCの場合本体を開けるのにひと苦労したりということがありますので、説明書・マニュアルがあったほうが対処しやすいでしょう。
メモリーの増設は思っているほど難しくありません。ただしいくつか基本的なルールはありますので解説しています。
方法
1.メモリーとは?
まずメモリーとは何か?また自分のパソコンにどのぐらいメモリーが搭載されているのか基礎知識として把握します。
→メモリー
2.メモリーの最大搭載量と空スロット
メモリーは無制限に増設することはできません。パソコンによってメモリーの最大搭載量と空スロット(メモリーの増設場所)の数は決まっています。これはメモリーの販売元であるバッファローのホームページで知ることができます。パソコンの型番はデスクトップPCなら本体裏、ノートPCなら底面に記載されています。型番を入力して調べます。
→バッファロー
3.メモリーの種類・規格
メモリーにはノートパソコン用とデスクトップパソコン用をはじめ、そのパソコンに適合した種類や規格というのがあります。先ほどの型番を入力した画面に、対応するメモリーの種類や規格が表示されます。
パソコンを快適に使用するために、最低限必要なメモリーは、XPなら768MB~1GB以上、Vista,7なら2GB以上、理想的なメモリー搭載量はXPなら2GB以上、Vista,7なら4GB以上といわれています。搭載するメモリーの容量が増えるほど、パソコンのパフォーマンスは比例して向上します。
→バッファロー
4,バッファローで検索して Amazonで探す
メモリーは国内シェアNO.1、BCNアワードのメモリ部門8年連続最優秀賞受賞、製品の6年保障など評価の高いバッファロー社製のものがおすすめです。
メモリーの購入に関しては、Amazonがお勧めです。直販サイトや家電店と比較しても一番安く送料もかからないでしょう。バッファローで調べたメモリーの型番をそのままコピーして、Amazon
で検索するとずばりそのメモリーが見つかります。
→Amazon
5.メモリーを増設する
パソコンのマニュアルを参考にメモリーを増設します。説明書やマニュアルが無い場合は、大抵メーカーサイトでダウンロードすることができます。
メモリーの増設は比較的簡単ですが、パソコンを開けることにもなるのでジュースを近くにおいたり、安定しない場所で作業したりするのは避けましょう。
意識的に金属製の物に触れておくなどして体から静電気を抜いておくことも大切です。白手袋などをして作業するとなおいいでしょう。
6.相性などのトラブル
上記のようにバッファローで検索したメモリーを使用するならば、相性の問題というのはまず起こりません。
増設したのにうまく動作しないとか認識しないというトラブルは、主にバルク品(正規メーカー品ではないこと)にあてはまることなので、特に心配する必要はありません。
バッファローのメモリーは、その機種での動作確認済みのメモリーになります。
7.仮想メモリの設定メモリーの搭載量が変わりますので、メモリーの増設の後は仮想メモリの設定を変更しましょう。設定は必ずしなければならないというものではありません。
→仮想メモリの設定
互換性
バッファローで対応メモリーを調べたら複数あるけど、どれにしたらいいの?という疑問があるかもしれません。
結論からいいますと、メモリーには下位互換性というものがありますので、どれを選んでも動作します。
数字が大きいほど新しい規格なので、転送速度はやや速くなります。メモリーの規格別では下記の通りです。
- DDR-400>DDR-333>DDR-266
- DDR2-800>DDR2-667>DDR2-533
- DDR3-1600>DDR3-1333>DDR3-1060
例えば、DDR2-800とDDR-667のメモリーが付いているパソコンでは、DDR2-667の転送速度で動作します。大きい数字のメモリーが下位のメモリーに合わせるわけです。
体感できるほどの差はほとんどありませんので、深く考える必要はありません。一番安いものを選択するのもいいですし、もともとパソコンに付いているメモリーの規格に合わせるというのも一つの方法です。
今 付いているメモリーの規格を調べるには、メモリーを目視するか、フリーソフトで調べるという方法があります。
デュアルチャネル
デュアルチャネル(デュアルチャンネル)とは、パソコンに同じ規格、同じ容量のメモリを2枚取り付けることで、転送速度を向上させる技術のことです。
これはすべてのパソコンでいえることではなくて、そのパソコン(マザーボード)が対応しているかどうかになります。
デュアルチャネル対応のパソコンでは、例えば2GB×1枚のメモリーより、1GB×2枚のメモリーのほうが転送速度が速いといわれています。
ただし体感できるほどの速度差というのは、ほとんどありません。
バッファローで検索して、型番の末尾に ×2 と2枚1組になっているメモリーがデュアルチャネルのメモリーになります。つまりパソコンがデュアルチャネル対応ということになります。
自作パソコンや一部のメーカー製パソコンでは、メモリースロットが色分けされていることがありますが、この場合デュアルチャネル対応ということになります。最近では3本で1組のトリプルチャネルというのもあります。
色分けされたマザーボードのメモリースロット。同一のメモリーを同じ色のスロットに取り付けることで、デュアルチャネルとして動作します。
比較
メモリー増設前とメモリー増設後のWindows起動速度の比較を行った結果です。デスクトップ画面が表示されるまでのWindowsの起動時間を計測しています。
NECのノートパソコン Lavie
OSはWindows XP。リカバリー後、Windows Update、ウイルス対策などをしています。
増設前。メモリーは256MBです。青色がWindowsログインまで(ようこそ画面)、黄緑色がようこそ画面からデスクトップが表示され使用できるようになるまで。一番右の数字がWindows起動時間の合計の秒数です。3回の計測で87秒、89秒、83秒。
増設後。メモリーは768MBです。(512MBのメモリーを追加しています)。3回の計測で53秒、56秒、55秒。
デスクトップパソコン
OSはWindows XP。2回づつ計測しました。
増設前 512MB。2回の計測で64秒、64秒。
増設後。メモリーは2GB(1GBを2枚)。2回の計測で37秒、38秒。
道具
メモリー増設は、プラスドライバーが一本あれば基本的に作業は可能です。ただしドライバーの大きさがあわなかったり、パソコンのケースを開けてみたらパソコン内部やメモリーの表面に大量の埃が付着していたりと予期せぬこともしばしばあります。
メモリー増設の際にあったら便利な道具を紹介します。
ファミドラ8。マグネットタイプのドライバー。計8本 プラスドライバーは3種類あります。メモリー増設に伴う作業はこのドライバーセットがあると楽に行えます。
パソコン内部をクリーニングする時に使用するブラシ。やわらかい素材で、PC内部の静電気やホコリを除去してくれます。このブラシを使用するとホコリが勝手に吸い付いてくるような感じなので、メモリーに付着している埃やメモリースロットの埃を除去するのに役立ちます。
CPUファンや筐体内部の側面などに付着した汚れを除去する時はウェットティッシュなどを使用します。エタノール(アルコール)が入っているので、付着している埃や汚れを驚くほど簡単に除去することができます。
パソコンのパーツはよほどのことがない限り、素手で触っても壊れることがありませんが、静電気には注意が必要と一般的に言われています。静電気防止手袋があると安心して作業できます。
増設後の確認
メモリー増設後、メモリーがうまく増設できたか、認識されているかどうかの確認は2通りあります。BIOSで確認する方法とWindowsで確認する方法です。どちらか確認しやすいほうでいいでしょう。
増設後、何事も無く Windowsが起動してくれば、増設は基本的に成功しています。一部のパソコン(DELLなど)では増設後に、ビープ音が1回なりメモリーの容量が変わったことを英語のメッセージで知らせてくれることもあります。
メーカー製パソコンはF2、自作パソコンはDeleteキーなどでBIOSに入り、メモリーの項目を確認します。
Windows起動後に、マイコンピュータ→プロパティで確認します。MBやGBの表記があるところがメモリーになります。
メモリーテスト
メモリーを増設後、パソコンの起動や動作がおかしいと思ったら、メモリーのテストを行なってエラーがないかどうか調べるという方法もあります。
ごくまれにではありますが、メモリーの初期不良というのもあります。
メーカー製パソコンの一部の機種では、ハードウェアの診断ツールなどがインストールされていることが多いのでそれを使用してテストすることもできます。またフリーソフトのmemtest86でもメモリーのテストを行うことができます。
Windows Vistaや7では、OSに標準でメモリー診断ツールがありますので比較的簡単にチェックすることもできます。
32bitOSと64bitOSでの違い
Windows XP,Vistaのパソコンはほとんどが32Bitが使用されています。それに対してWindows 7は、64bitがほとんどを占めています。
32bitと64bitの違いは、認識・管理できるメモリーの最大容量にあります。32bit OSでは搭載できるメモリーは4GBまでで、Windowsでは実質 3GB~3.5GBまでしか管理できないようになっています。これに対しWindows 7(64bit)は4GB以上のメモリーを認識・管理できます。
メモリーはパソコンの動作に大きく影響を与える部品ということもあり、最近のWindows 7のパソコンは最低でも4GB以上、標準で8GBのメモリーを搭載したパソコンが主流になっています。
Windows XPで2GBを2本増設して合計4GBにしたとしても、Windowsで使用できるメモリーは3GB~3.5GBまでとなります。メモリーの最大搭載量が4GBとしてもすべてが使用できるわけではないということになります。しかし不具合が起きるというわけでもありません。何かもったいないという気がするなら、2GB+1GBで合計 3GBなどにするのもひとつの方法です。
32bitのWindows XPで、2GBを2本増設。
64bitのWindows7で、4GBを2本増設。
バッファローのメモリー
メモリーを出しているメーカーはいくつかありますが、バッファローは信頼できるメモリーを提供していることで知られています。
バッファローは、JEDEC(ジェデック)とよばれる半導体の標準化を行っている団体のメンバーとして参加していて、古くからメモリチップ・メモリモジュール(メモリ基盤)の開発・標準化に携わってきた会社です。
こうしたこともありバッファローのメモリは高品質な基盤が使用されており、メモリチップもいわゆるメジャーチップが使用されています。
メモリモジュールの品質は、「JEDEC準拠かどうか」ということと「メジャーチップかどうか」ということがひとつの基準になっています。