先週の水曜日ごろ、多くの腐女子のツイッターのタイムラインに、とあるask.fm回答のリンクが貼り付けられたツイートがリツイート、された、のではないだろうか。
それは「刀剣乱舞がお嫌いなんですか?」という質問への回答だった。質問された方は「刀剣乱舞が嫌いです」と述べた上で、その理由をかなりの長文で説明していた。
これは多くの腐女子のなかで賛否両論を巻き起こした。とはいえ、「賛」はともかくとして、「否」を訴えたのは刀剣乱舞ファンだっただろうが。
そして数日後、結局この回答をした方は、そのask.fmもツイッターアカウントを削除した。
私は刀剣乱舞をプレイしたことがない。腐女子ではあるので、周囲にプレイしている人は多かったけれど。一月にサービスが開始されてすぐ、タイムラインには刀剣乱舞というゲームの萌え語りや、キャラクターをドロップした際の喜びのスクリーンショットが並ぶようになった。ただし、これはよくあることだ。現に今、私のタイムラインは血界○線の萌え語りとあんさん○るスターズのスクリーンショットで溢れかえっているし、刀剣乱舞の前はうた○リや黒子の○スケ、ハ○キューや弱虫○ダルで埋め尽くされていた。だから、それについてはなんとも思わない。
また、刀剣乱舞ファンはマナーが悪いとも言われているが、それも流行ジャンルにはよくあることだろう。これまでだって、好きなキャラのキーホルダーをつけたバッグを持って歩いていたら、アニメイトの前で同じキャラのファンに引きちぎられたとか、キャラのポスターが掲出された場所で土下座したファンがいたとか、作者に自分のカップリングについて質問したとか、イベントで盗難があったとか、グッズ取引で詐欺にあったとか、歴史上の人物のお墓に妙なものが備えられたとか、流行したジャンルにはそういう逸話がつきものだ。本当かどうかはさておき。なにも刀剣乱舞だけの話ではない。
だから私は、これらのことについてはなんとも思っていない。
ただし、刀剣乱舞のことは「うさんくさいゲームだな」と思っていた。流行するスピードが尋常でなかったのに、プレイしている友達から聞く刀剣乱舞の話はまったく魅力的に聞こえなかったからだ。「声優は豪華だけど話らしい話はない」「正直クリックしているだけ」「艦これと同じシステムだけどもっと簡単」。じゃあなんでお前そんなもんプレイしてるんだよ、って話である。そんな話を聞かされたところでもちろんプレイする気が起きるはずもなく、私は刀剣乱舞が大流行した今年の一月から二月、まったく別のアニメを見たりまんがを読んだりして過ごしていた。楽しかった。
そして六月、刀剣乱舞はゲーム内の画像の多くを盗用していることが明らかになった。
私はそのとき、「うさんくさいゲームだと思っていたけれど、ガチでうさんくさいゲームだったwwwww」と思った。そして、その次に、これで刀剣乱舞のブームは終わるだろうな、と思った。何しろ腐女子というものは、なかなかトレパクに厳しい風潮がある、と私は感じていたからだ。一次にせよ二次にせよ、自分の頭で物語を作り、イラスト、まんが、小説で表現するような人間が多い以上、著作物が勝手に金を稼ぐためのアイテムにされているなんて事案、許せない人が多いだろう。となれば刀剣乱舞のブームは終わる。あのゲームはファンから手のひらを返され、あっという間に廃れていくに違いない。そう確信していた。
しかし、刀剣乱舞がうさんくさいゲームであることは見抜けていた私は、腐女子でありながら腐女子のことをまったく理解していなかった。
刀剣乱舞というコンテンツを見放したのは、ごく一部の審神者だけだった。刀剣乱舞をプレイしていない私ですら読んだ盗用についてのWikiを多くの審神者だって目にしていたはずなのに、彼女たちは相変わらず刀剣乱舞のキャラに萌え、ゲームをプレイし、絵を描き小説を書き続けた。
私は少なからずその状況にぞっとした。仲の良かった審神者フォロワーにも失望した。
せめて一言でも、ゲームに苦言を呈してくれれば、まだよかった。触れずに萌え語りをしているということは、この状況を肯定していることなのだろうか。いや、もしかしたらこの件についてまだ知らないかも。そんなわけがないのに、審神者を務めているフォロワーのツイートに対して逐一もやもやしていた。
そんな折、先述のask.fmの回答がツイートされてきた。その大半に同意して、私もRTした。審神者はやはりこの件には触れず、萌え萌えプレイ記録をツイートしている。いつか声高に無断転載を糾弾していたあの人でさえ。ツイッターやピクシブのプロフィールに「無断転載しないでください」と書いている人でさえ。
なるほど、私も腐女子だから、自分の好きなキャラがいるゲームがほとんどまるごと盗用でできていたと知ったところで、一気にそのキャラが嫌いになれるかは疑問だ。そんな事態になったこともないし、そもそも普通ないから、想像するのは難しいけれど。けれど、盗用を見て見ぬふりして萌えツイートをしたりは、できなくなると思う。
オタクというものは、自分の好きなコンテンツには金を惜しまない。「声優は豪華だけど話らしい話はない」「正直クリックしているだけ」の上に「素材を多く盗用している」ゲームに金をつぎ込むのも、その人の勝手だろう。萌えているのなら、仕方がない、かもしれない。だけど、この程度のものでこれだけの金が入るとわかれば、今後この程度のコンテンツが乱立していく可能性は多いにありえるだろう。
もちろん、すべての商業作品は「金を稼ぐ」ためのコンテンツだ。だけど私は、製作者がそのコンテンツを愛して、考えぬいたような作品にこそ金を支払いたい。そこに愛もプライドもなく「金を稼ぐ」ために作られたコンテンツなんて勘弁だ。極論かもしれないけれど、刀剣乱舞のヒットによって、今後そういうコンテンツが増える可能性は、決してゼロじゃない。それに、このようなものがヒットしていることは、多くの罪を犯していない作品に、この上なく失礼なことであると思う。
まんがでもアニメでもゲームでも小説でもなんでもいい。私はオタクとして腐女子として、常に自分が楽しめるコンテンツに触れたいと思っている。刀剣乱舞の盗用を無視し、プレイし、金を使うひとたちによって、その楽しみが潰される可能性があることが、私はどうしても許せない。
簡単にRTされるツイッター上に公開したわけではないのでこの文章が拡散されるかどうかはわからないけれど、もし万が一そんなことになったら、きっと先述のask.fmの回答のように賛否両論様々な意見が出ると思う。これはあくまで、ひとりの「刀剣乱舞嫌い」腐女子の感情論だ。だから私はこの件について、色んな人の意見が読んでみたいと思っている。刀剣乱舞の盗用乱舞を容認している人も、許せない人も、その理由をできるだけ詳しく教えて欲しい。
そういうやりとりがあれば、もしかしたら、刀剣乱舞のような不幸なコンテンツが今後うまれるのを阻止できるかもしれない。
大人気ゲーム「刀剣乱舞」に「トレパク」疑惑が続々浮上――どんな問題があるのか?|弁護士ドットコムニュース
http://www.bengo4.com/houmu/17/1263/n_3282/
弁護士ドットコム -[犯罪・刑事事件]トレパク容疑のあるグッズをプレイヤーが購入したり課金したりすると罪に問われるのかどうかについて。 http://www.bengo4.com/c_1009/b_361973/
最後に、審神者(笑)の方が「今は公式が調査中だから白か黒かなんてわからないから事態を静観しているだけ」などと言われる前に、法の専門家である弁護士の意見へのリンクを貼っておきますね。
上の記事によると、弁護士の見解では刀剣乱舞は「著作権侵害」をしているとみなされるそうです。また、刀剣乱舞のグッズを購入したりゲームに課金したりすると、「幇助犯となる可能性」があるそうです。ご確認ください。
長過ぎる上に主張がまとまっていない。0点。 無断転載死ねといいたいのか?刀ラブ奴死ねといいたいのか? 何か主張したいなら前置き全部消して結論を一番最初に書けよ。 しかもask.fm...