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 沖縄県糸満市のひめゆり平和祈念資料館は11日、元学徒とともに一般参加者が沖縄戦ゆかりの地をたどる「戦跡めぐり」を開催した。戦後70年にあわせた催しで、20年ぶり。元学徒たちは高齢化が進んでおり、関係者は「体験者の案内はこれが最後かもしれない」との思いで臨んだ。

 戦跡めぐりは1995年まで計6回開催されたが、元学徒の高齢化などで、その後は見送られていた。11日は、太平洋戦争末期の沖縄戦で「ひめゆり学徒隊」に動員され、負傷兵の看護にあたった7人と資料館の職員3人が、参加者64人と戦跡を回った。元学徒が通った学校跡地(那覇市)近くから出発。陸軍病院壕(ごう)群や、病院の分室として使われた「糸数アブチラガマ」、多くの学徒が亡くなった外科壕など、当時の足どりの順に訪ねた。

 「血まみれで手術を待つ兵隊がいっぱい。切断した負傷兵の腕や足を運んだ。血や糞尿(ふんにょう)で悪臭がたちこめていた」。仲里正子さん(88)は移動のバスの中で当時を振り返った。今回、体験を語った生存者は87~89歳。高齢のため、主にバスの中で説明し、車外では職員が案内した。