力丸祥子
2015年7月11日20時13分
長崎市の田上富久市長は11日、8月9日の平和祈念式典で読み上げる平和宣言文で、安倍政権が成立をめざす安全保障関連法案に言及する考えを明らかにした。市は11日に開かれた宣言文の起草委員会に、法案について国会での慎重な審議を求める内容を盛り込んだ修正案を示した。
修正案では、憲法がうたう平和の理念が日本の原点だと指摘し、法案の慎重な審議のほか、国民への丁寧な説明を求めている。
市が前回の起草委で示した原案には法案への言及がなかった。11日の修正案にも、より強い表現で被爆地から法案への懸念を示すよう求める意見が、委員の被爆者や識者から相次いだ。委員の一人、長崎大核兵器廃絶研究センターの梅林宏道・前センター長は「十分納得できる議論がないまま、憲法の根幹に関わる法案が通ってしまうことに、市民は非常に強い懸念を抱いている、といった表現にできないか」と提案した。一方で「今の表現が最大公約数」との声もあった。
起草委の委員長を務める田上市長は11日の会合後、「様々な意見がある問題なので表現は十分考えたい」と話した。委員会は3回目の今回が最後で、これまでの議論を踏まえて市長が最終的に宣言文をまとめる。
安保法案をめぐっては、長崎県内五つの被爆者団体が長崎市議会に対し、法案撤回を求める意見書を出すよう請願したが、不採択になった。9日には同県議会が、今国会での成立を求める意見書を賛成多数で可決している。(力丸祥子)
■広島は直接言及しない方針
一方、松井一実(かずみ)・広島市長は8月6日の平和宣言で安保法案には直接言及しない方針だ。市長は1日に有識者や被爆者らでつくる懇談会で出た意見を踏まえ、3日の記者会見で「宣言は核兵器廃絶を訴える重要な手段。被爆者の思いをしっかり伝えるには、国内の政治課題を入れるゆとりはない」と語った。
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