丸みのある語り口で古典落語に取り組んできた落語家の入船亭扇橋(いりふねてい・せんきょう、本名橋本光永〈はしもと・みつなが〉)さんが10日、呼吸不全で死去した。84歳だった。通夜は14日午後6時、葬儀は15日午前10時30分から東京都杉並区高円寺北2の1の7の平安祭典高円寺会館で。喪主は長男圭司さん。連絡先は落語協会(03・3833・8563)。

 東京都青梅市出身。57年に三代目桂三木助に入門。三木助の死後、61年に五代目柳家小さんの門下へ移った。70年に真打ちに昇進した。小さんのまろやかな表現と、三木助の洗練された表現に影響を受け、入船亭の芸風を打ち立てた。俳句もよくたしなんだ。「文七元結(ぶんしちもっとい)」「鰍沢(かじかざわ)」「火事息子」などを得意とした。

 81年度の文化庁芸術祭優秀賞を受けた。