トップ > 静岡 > 7月10日の記事一覧 > 記事

ここから本文

静岡

深夜の浜松駅 車を運び込め

◆新幹線改札内の展示スペース

(写真上から1番目)駅ビル入り口にある横幅ぎりぎりのドアをすり抜け、コンコースへと運ばれる車両(写真上から2番目)在来線の改札脇にある柵の扉を開け、改札内へと進入成功(写真上から3番目)中2階へ続く階段に作業員らがスロープを組み上げ、高低差3メートルの坂を1分ほどで引き上げる(写真上から4番目)無事に展示スペースに配置完了=いずれも9日未明、浜松市中区のJR浜松駅で

写真

 東海道新幹線の浜松駅を乗り降りする乗客が必ず目にする、改札口内の企業展示スペース。軽自動車や楽器の最新製品が並び、ものづくりの町を印象づける名所の一つだ。毎年7月に年1回の展示替えがある。スズキが軽乗用車を搬入した9日未明、狭い改札口のどこから車を運び入れているのか、現場をのぞいた。

 午前0時30分。人もまばらな浜松駅北口前。トレーラーから真っ赤な軽乗用車「アルト」が現れた。

 まず、車を駅ビルに入れる。「右は大丈夫?」「左はオーケー」。静かな構内に作業員の声が響く。車の横幅は147センチ。駅ビル入り口の扉との差は十数センチしかない。サイドミラーをたたみ、慎重に構内へ運び入れた。

 同じころ、在来線の中2階へ上がる階段では、木の柱や板を使って、別の作業員らが急いでスロープを組み上げる。高低差が約3メートルの坂を約30分で完成させた。

 午前1時10分。車の前に最大の関門、改札が立ちふさがる。「どう入れるのか」と見ていると、在来線の改札脇にある柵の扉を開け、車はすんなり改札内へ。車の先端にロープをくくりつけ、15人がかりで引き上げた。「休まずに一気に引く」と作業員。約650キロの車は1分ほどで中2階のコンコースへ上がった。

 午前1時35分。車を人手で移動させ、新幹線改札内の展示スペースへ。浜松の玄関口の顔は、一夜にして変貌した。

(矢野修平)

 

この記事を印刷する

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索