北京=林望、広州=延与光貞
2015年7月12日00時06分
中国全土で、当局による人権派弁護士や人権活動家らの拘束や連行が広がっている。9日から11日にかけて、15以上の省や市で50人を超え、前例がない規模の一斉検挙だ。仲間の弁護士や支援者らは「暗黒の金曜日」と呼び、反発と懸念を深めている。
在籍する弁護士や職員が相次ぎ拘束された「北京鋒鋭弁護士事務所」。11日に記者が訪ねると、玄関にはカギがかかっていた。ビルの警備員は「10日昼ごろ、制服を着た警官が3~4人来た。30分ほど事務所にいた後、青ざめた職員数人を連行した」と話した。
一斉検挙は、9日未明に同事務所の著名弁護士、王宇氏が消息を絶ったのが皮切りだ。10日朝から、北京を中心に全国で弁護士や人権活動家、「地下教会」と呼ばれる政府非公認のキリスト教会の幹部らが連行された。半数ほどが事情聴取後に釈放された模様だが、11日夕の段階で26人が拘束されたり、連絡が取れなかったりしたままだという。
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