求人情報のアイデム「人と仕事研究所」の「平成26年度パートタイマー白書」によると、23歳~39歳までの未婚男女の41.9%が「自活できない」、すなわち自身の生活費を「家族や同居人など自分以外の者が大部分または全部を拠出している」と回答したという。
正規雇用の経験がなく非正規雇用で働く20代では、「自活できない」人は62.6%にものぼる。給与の安さから日々の生活費を親などに頼らざるを得ない若者が、かなりの割合を占める現状が明らかになっている。
年収300万円以上の非正規は、わずか7.5%
具体的な収入を見ると、正規雇用の経験がなく非正規雇用で働く人の年収は、額面「103万円以下」が最も多く32.7%。300万円以上の人は、わずか7.5%しかいない。
労働運動総合研究所の調査によると、首都圏に住む単身労働者世帯の「最低生計費」は月額23万2658円。年間で約280万円が必要ということになるが、300万円未満の非正規の若者が苦しい生活を訴えるのも当然だ。
ツイッターではこの結果に対し、「(日本の)どこが経済大国なのか」「こんな社会で子どもが増えるか!」といった激しい批判が高まっている。ジャーナリストの佐々木俊尚氏も、
「『不安定な雇用が若者の自立を妨げている実態』と。国の政策に期待するだけでなく、新たな仕組みを社会が自律的に構築せざるを得ない時期に来てるんだと思う」
と投稿。非正規雇用の若者に寄ったひずみの社会的解消が必要と指摘する。
原因のひとつと考えられるのが、安定した雇用の中で高給を得ている「正社員」の存在だ。特に年功序列組織の中で、働かずに高給を得ている中高年のせいで、社内外の若者が割りを食っているという説がある。
経済学者の池田信夫氏は2008年のブログエントリーで、この問題を鋭く指摘。「ワーキング・プア」(働いても薄給で貧しい人)に対比して、働かない高給取りに「ノンワーキング・リッチ」という呼び名を与えている。
採用と昇給を妨げる「ノンワーキング・リッチ」の罪
池田氏は、2000万円近い年収を得るNHK職員が「(定年まで)あと5年は消化試合だよ」と発言したのを引いて、こう糾弾している。
「日本経済の生産性を引き下げて労働需要を減退させ、若年労働者をcrowd out(編注:押し出す)しているのは、こういう年代だ。彼らは世間的には、それなりの地位について高給を取っているが、本人は『生ける屍』である」
DODAの2013年度調査によると、50代の正社員の平均年収は756万円と依然として高止まりしている。1000万円以上を稼ぐ人も24%と、他の世代と比較しても突出して高い。これが生産性と結びついていればよいのだが、怪しいところもある。
AERAの調査(2013年)でも、全世代が共通して挙げた「使えない社員」は50代男性。しかし年功序列型の「古き良き時代」に築いた年収は簡単には崩れない。非正規の若者の冷遇について、ネット上では世代間の問題に言及する声もある。
「採用を抑制された世代はまさに棄民世代」
「(50代の)厚遇は若い世代と関連企業で働く人たちを搾取して成り立っているんだ」
価値を生み出さない中高年者の雇用と高給を維持しようと思えば、若手社員の昇給カーブが鈍化するのは当然だ。さらには新規採用は抑制され、景気変動リスクは薄給の非正規雇用が負担させられる。ネットで「老害」と非難されるノンワーキング・リッチの罪は重い。
親をリストラすれば子も沈没するおそれ
とはいえ、ノンワーキング・リッチ=「働かないオジサンたち」の給与を削ったり、リストラしたりすればいいのかというと、そう簡単にもいかない。
彼らには他の会社に雇用されるスキルはなく、妻は専業主婦。年金支給年齢は後ろ倒しされているので世帯収入はゼロになり、家族もろとも路頭に迷ってしまうおそれが高い。
さらには、「自活できていない」非正規の若者を養っている親は、実は「働かないオジサンたち」だったりする。親亀がコケれば小亀もろとも沈没となれば、若者を救うつもりの策が、なけなしの居場所を奪うことにもなりかねない。
実際、ネット上には「光熱費家賃などを団塊世代の親が支払っているから(収入が少ない自分の生活がかろうじて)成り立っている」と明かす人も。
「未来なんて想像できないよね。家族がいなくなったらどうなるんだろう、私も不安だもん」
「仕事をして食べるだけなら何とかなっても貯蓄などの余裕がなく、怪我や病気、歯科治療でさえも余裕がない」
といった声もあがっているが、どこから手をつけていけばいいのだろうか。
あわせてよみたい:日本IBM40代オジサン「1000万超え」の給与明細
4 comments to this article
船長
on 2015.1.18 at 2:28 AM -
どこから手をつける・・・。
非雇用や薄給で自活出来ない人々だけじゃないが首都圏から離れるこから
始めれば良いのでは?
いつまでも「ああ上野駅症候群」にかかってることに気づいたら?
それに、若年層のフリ-タ-、私の知っているフリ-タ-は、夢があるから。それだけの理由で、かなりの年収を得ているよ。
口開けて空ばかり見ていないで地べたを見てから、何をどうすべきか考えられるのが資本主義社会の良いとこで、今は関所なんてないから国内何処でも行けるのだから、「とりあえず東京で」なんか昭和だけで終わりにしませんか?
匿名
on 2015.2.12 at 3:08 AM -
Iターンとかならともかく、ただ 首都圏を出ろとかわけわからんな。むしろ地方のほうが厳しいだろ。
TN
on 2015.4.15 at 10:05 AM -
何を出来るか考える余裕すら奪い去るのが資本主義のセオリーだろうに、何言ってるのか(笑)
地方も都市部は人で埋まってるし、過疎村で農業なんかやってたら貨幣経済から隔離されるレベルでヤバイよ、マジレスすると。たぶん、スーパーの食べ物の値段を2~3倍にしても生活が成り立たない。
ま、あと10~20年したら団塊世代も大概居なくなるし、その頃にはオジサンの給料も買い叩かれてる(出来高が上がっていかない)から不公平感はなくなってるかもね。もっとも、金持ちの大企業の社長とその他大勢しか居なくなってそうだけど。
匿名
on 2015.5.28 at 5:02 AM -
自由競争の資本主義なんだから弱者は取り残され切り捨てられるのかな
社会や世代のせいにせず頑張って競争に勝つか、不満な環境を自分達で変えるしかない