トップページ国際ニュース一覧米 ウイグル族強制送還でタイ政府を非難
ニュース詳細

米 ウイグル族強制送還でタイ政府を非難
7月10日 7時42分

中国からタイに逃れ、保護を求めていたウイグル族の人たちおよそ100人を、タイ政府が中国に強制送還したことについて、アメリカ国務省の報道官はタイ政府の対応を非難する一方、中国に対して国際的な人権の基準に基づいて対応するよう求めました。
中国の新疆ウイグル自治区では、ここ数年、イスラム教を信仰するウイグル族の人たちが中国政府による民族政策などによって抑圧的な扱いを受けています。
こうしたなか、タイ政府は9日、去年3月に不法入国の疑いで拘束され、保護を求めていた300人以上のウイグル族の人たちのうち、女性や子どもを含むおよそ100人を、中国に強制送還したことを明らかにしました。
これについてアメリカ国務省のカービー報道官は9日の記者会見で「中国に戻されれば法的手続きのないまま、残酷な扱いを受けるおそれがある」と述べ、タイ政府の対応を非難しました。そのうえでカービー報道官は「中国に対しても、国際的な人権基準に基づいて適切に対応するよう求める」と述べ、中国政府をけん制しました。
今回のタイ政府による強制送還を巡っては、亡命したウイグルの人が多く暮らすトルコのイスタンブールで抗議デモが起きるなど、非難の声や反発が広がっています。

UNHCR「国際法に違反」

中国からタイに逃れ、保護を求めていたウイグル族の人たちおよそ100人をタイ政府が中国に強制送還したことについて、UNHCR=国連難民高等弁務官事務所は非難する声明を出しました。
UNHCRは9日、「ウイグル族の人たちは中国への強制送還を望んでいなかったとみられる。今回のタイ政府の対応に衝撃を受けている」との声明を出しました。そのうえで、UNHCRは「タイ政府に事実関係を確認しているところだが、強制送還は明らかに国際法に違反だ」と非難しています。

関連ニュース

k10010145741000.html

関連ニュース[自動検索]

このページの先頭へ