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【神奈川】

映画で平和考えよう 終戦70年で特集上映会

 この夏に終戦70年となるのに合わせ、川崎市市民ミュージアム(中原区)が12日から約2カ月間、映画や映像で第2次世界大戦を振り返る特集上映会を開く。映画監督のトークショーを交え、戦後の独立プロダクションの名作や戦時下の国策映画、アニメなどを紹介。担当者は「映像を通じて幅広い世代に平和について考えてほしい」としている。 (横井武昭)

 一番の目玉は、初日の十二日。二・二六事件の青年将校らに影響を与えたとして処刑された思想家北一輝を軸に描いた故・三国連太郎さん主演の「戒厳令」を上映し、終了後に監督の吉田喜重さんのトークショーを開催する。吉田さんは講演会形式で作品を解説し、戦争と平和についてのメッセージなどを語る。

 戦時下の映画も注目だ。八月八日には工夫と節約で物資不足をしのぐという戦時道徳のもとでの商店街の人々を描くコメディー「愉(たの)しき哉(かな)人生」(一九四四年)、十六日には日本の占領地となった旧オランダ領セレベス島を紹介するために製作された記録映画「セレベス」(同年)を上映する。映画が国民へのプロパガンダに利用された当時の状況が感じられる。

 夏休みの子どもにも見てもらおうと八月一日にはアニメの短編作品「最後の空襲くまがや」や「琉球王国−MADE IN OKINAWA」などを上演。終了後に両作品を監督した木下小夜子さんが解説する。

 このほか、戦後間もない広島を撮影した記録映画など貴重な作品も多い。担当者は「戦後生まれの世代が多くなる中、さまざまな映像に触れて戦争を検証し平和に思いをはせるきっかけにしてほしい」と話す。

◆川崎市市民ミュージアム 12日から9月まで

 特集上映は九月二十七日までの土日、祝日。各作品の上映日時など詳細はミュージアムのホームページで。料金は一般六百円、大学生・高校生・六十五歳以上は五百円、小中学生・ミュージアム友の会会員は四百円。

 問い合わせは、同ミュージアム=電044(754)4500=へ。

 

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