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【なでしこ準優勝】スポーツの力を糧に(7月7日)

 かれんな「なでしこ」たちのひた向きな戦いぶりに身震いがした。4年前に続き、またも勇気をもらった。サッカーの女子ワールドカップ(W杯)カナダ大会で、日本代表「なでしこジャパン」が準優勝を果たした。決勝で米国に敗れ連覇はならなかったが、復興へ道半ばの福島の背中を力強く押してくれる。
 今回のチームには本県ゆかりの5選手が名を連ねた。このうち東京電力女子サッカー部「マリーゼ」に所属していた鮫島彩と有吉佐織、JFAアカデミー福島出身で富岡高卒の菅沢優衣香の3選手が得点を決めた。同アカデミー出身のGK山根恵里奈選手は初戦で好セーブを連発した。父親が天栄村出身の大野忍選手は全試合に出場し貢献した。5選手の活躍は準優勝の原動力と言ってもいいだろう。
 「なでしこジャパン」の特長は惜しみない運動量と攻守の連動だ。一体感もあった。初戦のけがで離脱した安藤梢選手を再合流させようとチームは結束していた。決勝の完全アウェーの雰囲気でも選手は臆することなく戦った。
 4年前の初優勝は東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から、わずか4カ月後だった。本紙は一面トップで報じた。同じ面で県産肉牛の出荷問題が扱われていた。震災・原発事故被害の相談窓口、雇用、金融支援、ボランティアなどの生活情報も紙面にあふれていた。大変な事態の真っただ中にあったのだ。
 「最後まで諦めない」「苦しい状況でも耐え抜く」-。暗いニュースが続く中で、当時の「なでしこ優勝」は一筋の光が差し込んだようだった。未曽有の災害に苦しみ、うつむきがちだった県民を選手たちは前向きにさせた。
 本県は今も、汚染水問題や農産物などの風評被害、賠償問題、廃炉対策など難題を抱えている。放射線という手ごわい敵との闘いが続く。
 「スポーツは新たな夢と笑顔を育み、希望をもたらす。人々を結び付ける」。ロンドンパラリンピック走り幅跳び日本代表の佐藤真海さん(宮城県気仙沼市出身)は、東京五輪招致の国際オリンピック委員会で「スポーツの力」をこう表現し、共感を集めた。
 本県を拠点とするサッカーの福島ユナイテッドFC、野球の福島ホープス、バスケットボールの福島ファイヤーボンズ、アイスホッケーの東北フリーブレイズのプロ4チームも県民の希望を膨らませる。「なでしこジャパン」が決めたゴールは紛れもない「ふくしま応援弾」だった。スポーツは本県が前に進む心の糧となる。(浦山 文夫)

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