川本裕司
2015年7月10日03時57分
1997年に起きた神戸連続児童殺傷事件の加害男性(33)=事件当時14歳=が「元少年A」としてつづった手記「絶歌」の出版について、神戸市須磨区の遺族、山下京子さん(59)が朝日新聞のインタビューに応じた。「表現の自由が認められており、本を出すなと言えないのかもしれないが、事前に何の連絡もなく残念でショックだった」と打ち明け、「事件に向き合う覚悟があり、自分の言葉に責任を持つのなら、実名を出すべきだ。素性を明らかにしないのは卑怯(ひきょう)だと思う」などと語った。
10日で出版1カ月になるのを前に単独取材に応じた。山下さんはこれまで、長女彩花(あやか)さん(当時10)の命日の3月に、男性の両親を介して手紙を受け取ってきた。今回の出版に関しては、6月22日に両親の担当弁護士の事務所で10行ほどの記述を読んだ。「何の断りもなく、勝手に本を出版することになって申し訳ない」という趣旨で、「送付書」のようだった。
山下さんが両親と会ってきたのは、男性が再び罪を犯したり自殺したりすれば、彩花さんらの命がむだになると思ってきたからだ。「両親と会う重い時間は何だったのでしょう。彩花について湧き起こった思いを、その時々、1行でもいいから書いてほしいと伝えてきたのに、踏みにじられた思いです」
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