中東呼吸器症候群(MERS=マーズ)の感染者がいない国に他国から感染者が入国した場合、22.7%の確率で2次感染者が出るとする推計を東京大の西浦博准教授らがまとめた。研究チームは「4~5回に1回の確率で2次感染が起きると推計されリスクは高い。日本でも医療機関は2次感染防止を徹底してほしい」と話す。
患者が世界で初めて見つかった2012年から15年7月まで、世界23カ国で発生した感染事例を分析した。韓国では大半の患者は他人に感染させていなかったが、一部の患者が複数人に感染させる例があった。
分析によると、1人から何人に感染を広げるかを示す指標は0.75で、これを基に他国から入ってきた感染者が別の国でどれだけ広げるかを統計的に計算した。2次感染の確率は22.7%、3次感染10.5%、4次感染6.1%、5次感染3.9%だった。
MERS、西浦博