2015-07-09 Thu
2014年制作 邦
監督:行定 勲
≪キャッチコピー≫
『小学三年生を経験したすべての大人たちへ――』
≪ストーリー≫
大阪の団地で祖父母と両親、そして三つ子の姉たちと暮らす小学3年生の渦原琴子、通称こっこ(芦田愛菜)は、大家族の温かな愛情に包まれながらいつも不満だらけで、孤独に憧れていた。家と学校という限定された世界の中でいろいろなことに悩み、考えるこっこは、祖父・石太(平幹二朗)が教えてくれたイマジンという言葉を胸に少しずつ成長していく。
≪感想≫
小学校3年生のこっこは、周りの子供達とは少し違い、感受性の強い女の子。
なんでそう思うの??
その言葉の意味はなに??
それはダメなことなの???
自分の気持ちと人の気持ちの折り合いがなかなかつかずに悩んでばかり。
そんな純粋無垢な女の子のひと夏の物語。
むむむ・・・とても懐かしくも微笑ましい良作でした。
キャッチコピーにもあるように大人は誰でも小学校3年生を経験してきたわけで。
もちろん僕も。
うーーーん、どんな子供だったか覚えていないや。
どうやって成長したのか。
どうやって協調性をやしなったのか。
どうやって想像力を身につけたのか。
本作では、担任の先生が
「僕も子供だったのに、子供が何を考えているのかわからない。」
的な事をおっしゃっていましたが、まさしく。
僕は独身なのでもちろん子供もいなくって。
ただ、甥っ子、姪っ子の発言や行動を見聴きすると、そんな感じなんですよねぇ。
直感が先にきて理論が行動に追いつかないというか。
いつからこんな感じになっちゃったんだろうって。
少し脱線。
さて、本作の舞台は大阪。
そして現代が舞台とあって、色々ないまどきの問題が出てきていました。
在日の子どもがいたり、難民、吃音、身体的早熟な女の子、引きこもり。
それをこっこは、どう受け止めていくのか。
こっこはとにかく純粋になぜ?と向き合っていきます。
大好きなじいちゃんに想像=イマジンすることで人の事が分かるようになると聞く。
そして周りの友達や家族と一緒に成長していく。
ここら辺がとても素敵な成長の仕方で。
ふかぁーく理論立てて描くのではなく、あえて何となく分かるようになって、大人になっていくような。
まさしく僕らもこんな感じだったのかなって思ったり。
想像することはとても大事だけど、子供は想像するほどの経験、知識がない訳で。
それを少しずつ少しずつ積み重ねていく。
なんて、今なら理論立ててこんな感じと分かるのに、子供の頃はそんな事すら
つゆ知らず育ってきた。
それは周りの友人や家族、環境と共存してきたからこそ今の自分がある訳ですね。
感謝。
本作の主演は芦田真菜ちゃん。
監督の行定さんは彼女を天才だと何かのインタビューで語っていました。
まぁ、彼女は別格として僕的メガヒットのキャスティングが。
それはこっこの親友のぽっさん。
彼がまたとても純粋で素敵な奴なんです。
クライマックスでのこっことの絡みはすっごい良かったです。
「あぁ、この子たちは大丈夫。」
って強く思いましたよ。
とにもかくにも。
子供達のひと夏の成長期。
以前観た子供を主体とした作品「奇跡」もとても良い作品でしたが、
本作も負けず劣らず。
「奇跡」は本作の子どもたちが少し成長した後(5・6年生くらいかな)のお話。
ぜひ、セットで観てはいかがでしょうか。
おススメです!!
≪点数≫
8点
(15.05.17鑑賞)
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2015-07-06 Mon
2011年制作 台湾
監督:ギデンズ・コー
≪キャッチコピー≫
『青春は
恥と後悔と
初恋で
作られる』
≪ストーリー≫
1994年、コートン(クー・チェンドン)は、台湾の地方都市の彰化で中高一貫の高校に通っていた。彼は同じクラスの親友ボーチ(イエン・ションユー)、アハ(スティーブン・ハオ)、グオション(ジュアン・ハオチュエン)、マタカキ(ツァイ・チャンシエン)らとつるんでふざけてばかり。五人は、クラスのマドンナ・チアイー(ミシェル・チェン)に夢中で……。
≪感想≫
とても涼やかで甘酸っぱい良作。
台湾の高校生の青春初恋グラフィティ。
ひょんなことから惹かれあう二人。
優等生の女子とひょうきん者の男子。
うーーーん、あるある。
既視感バリバリの物語なんだけど、そこはやはり万国共通。
彼ら彼女らを見つつ自分の思い出に浸っておりました。
ただね・・・。
僕は男子高出身なので、こういう思春期の男女の甘酸っぱい経験がないんですよね。
共学にいっておけば、こんな経験もできたのだろうかなんて・・・。
まぁ僕は僕で、男くさーい青々とした春を送ってきたのも事実。
ただ、やっぱり本作のような青春時代もあればまた・・・なんて。
まぁ、それは置いといて。
とにかく作品自体の見た目も爽やかで良い感じ。
台湾の景色、雰囲気もとても親近感がわく。
オープニングを観ただけで、
「あぁ、台湾に行きたいなぁ。」
って。
中盤の灯篭みたいなものを空へ飛ばすイベントもとても素敵だったし。
クライマックスの作りも良かったな。
もしも自分があの時こうしていればどうなったか的な所をフラッシュバックして、
それがまた悲しくもなく、後悔めいた感じでもなく、パラレルな世界を爽やかに
描いていた部分がこれまた爽やか。
あと、主演のミシェル・チェンさんが異常に透明感抜群で可愛らしかったです。
そりゃ、みんなの憧れにもなるよなぁ・・・。
主演のクー・チェンドン君もハンサム君でしたね。
この2人のルックスも含めてこの作品の素晴らしい所。
これぞ王道の青春初恋映画。
そんな事、思った良作でした。
ちょいと不満の点。
それはキャラクターの薄さ。
悪友6人組がいたのですが、彼らのキャラはもう少し活かしても良かったのかなって。
良い奴らなんですけど、もっとこいつらが活きたお話があっても楽しかったかも。
あと、下ネタが多かったのですが、それが結構笑えなくって。
男子たる者、あるあるっちゃあ、あるあるなんですが、別にそれを見ても
面白くはなかったんです。
ちょっと下ネタ描写はしつこいなって感じました。
とにもかくにも。
恋愛映画を進んでは観ないのですが、たまにはこういう作品も悪くない。
本作は恋愛プラス青春と言う普遍のテーマも描かれていたのでそれがまた良し。
台湾にも行きたくなったし。
あぁ、旅に出たいなぁ・・・。
≪点数≫
7点
(15.05.16鑑賞)
満足ならクリック!!
2015-07-02 Thu
1967年制作 英
監督:ルイス・ギルバート
≪キャッチコピー≫
『地下300メートルの大要塞爆破から大宇宙のロケット戦へ』
≪ストーリー≫
米ソの宇宙ロケットが、次々と行方不明になるという事件が発生した。事件の背後にスペクターの影を見いだした英国情報部は、真相究明のため、ジェームズ・ボンドを日本に派遣する。日本の情報部局長、タナカの助けを得て、ボンドはスペクターの秘密基地に潜入するが……。
≪感想≫
007シリーズ第5弾。
本作の舞台は日本。
とんでもない日本描写が多々出てきます。
時代設定はいつなんでしょうか。
冒頭、ボンドが日本に降り立ったら着物を着た女性と人力車。
いくらなんでも、戦後間もなくどころじゃないでしょう(苦笑)
あとは忍者やら相撲やら海女さんやら。
とにかく日本文化が盛りだくさん。
相撲についてツッコミ一つ。
相撲取りにスパイの仲間はいくらなんでも。
あと、土俵の狭さがハンパない。
ちょっと笑ってしまいましたよ。
どこかのお城で忍者養成所があって特訓しているんだけど、忍者感がまるでない。
普通に剣術や空手の特訓をしているだけ。
忍び感がまるでないんですよね・・・。
とほほ・・・。
ただね・・・。
これはこれで描き方の問題だけであって、こんなに日本の文化の事を伝えようとしている
作品はこの時代にはなかなかなかったのでは。
そんなことを思うとありがたいなぁって許せちゃうんですよね。
いつもツッコミ所が満載の本シリーズも今作は許せました。
ジェームズ・ボンドについて。
本作でも女好きは言わずもがな。
色んな所で女性を抱きまくるのはやっぱりいただけないなぁ。
けど、これぞジェームズ・ボンドなんですよね。
ショーン・コネリーもカッコイイからしょうがないか。
おっとそうそう。
本作ではボンドが日本人に変身します。
黒髪坊ちゃんヘアのボンド。
あまりの仕上がりに、めちゃくちゃ笑わせてもらいましたよ。
キャラクターについて。
本作でスペクターのボスが出てきましたね。
もう少し活躍して欲しかったな。
これからなのかな。
あと、本作では日本人キャストもたくさん出るし、たくさん活躍していました。
タイガー役の丹波哲郎さんがけっこう重要なポストで出ていたのが嬉しかったです。
メカについて。
本作でも少しスパイグッズが出てきましたね。
僕的にはミニヘリコプターとタバコにプチミサイルが仕掛けられている武器は◎でした。
まだまだいろんなグッズを出してもらいたいです。
とにもかくにも。
内容はともかく日本文化を間違っているとはいえ、ここまで紹介してくれた本作。
ありがたく鑑賞させていただきました。
≪点数≫
5点
(15.05.10鑑賞)
満足ならクリック!!
2015-06-29 Mon
2014年制作 邦
監督:武 正晴
≪キャッチコピー≫
『呆れる程に、痛かった。』
≪ストーリー≫
32歳の一子(安藤サクラ)は実家でだらしない毎日を過ごしていたが、離婚して実家に戻ってきた妹の二三子といざこざを起こし、一人暮らしをすることに。100円ショップで深夜労働にありつき、相変わらずな日々を送っていたものの、ボクサーの狩野(新井浩文)と恋に落ちる。狩野との幸せな日々はすぐに終わってしまうが、ある日、たまたま始めたボクシングが一子の人生を変える。
≪感想≫
32歳になっても引きこもりのニート状態の一子。
毎日毎日ぐうたら過ごし、髪はボサボサ、でっぷり体系で見るからにダメ人間。
ちょっと昨年観た傑作「もらとりあむタマ子」のタマ子の将来はこんなんじゃないかって
不安になったり。
ろくに実家の弁当屋の手伝いもせず、ぐだぐだと毎日を過ごす一子に家族はついに爆発。
家を追い出されることに。
もうねぇ、ここまででこの一子のダメっぷりがハンパないんです。
他人との会話もできない。
仕事もできない。
やらない、できない、ないないづくし。
それでいて卑屈で生意気。
嫌な感じ。
ひょんなことから100円ショップで働くことになる一子。
ここには個性的なキャラクター(負け犬)が勢ぞろい。
鬱病を患う店長。
「マジっすか」が口癖の青年。
いつも廃棄弁当を狙いに来る女性(恐らくホームレス)。
そしてそして。
やたらベラベラ喋りまくるバイトの先輩オヤジ。
この先輩オヤジがとにかくうるさくてうざい。
不平不満やホラ話ばっか話して、とにかく邪魔!!
mixiの話をする所は思わず笑ってしまいましたが、とにかくやな野郎でしたよ。
そして、こいつが一子に対するある行動を起こす。
これが、もう本当に不快で。
このシーンを観た瞬間、
「なんだよ、こんな作品を観たいんじゃねぇ!!」
って怒りのあまり観るのを止めようと思ったくらい。
とにかく不快。
と言うか本当にこいつには不幸になって欲しいと心底願っています(激怒)
とにかくこいつの行動には一切同情も共感もしないし、込み上げてくるのは怒りだけ。
ただねぇ・・・。
こいつのこのシーンや行動があったからこそ、後の展開に凄みや厚みが増しているのも事実な訳で・・・。
うーーーん、けど観たくなかったな、あんなシーンは・・・。
とまぁ、観終わった後もずっとこの葛藤をしていたり(苦笑)
ついにできた彼氏らしき男(こいつもなかなかのクズ男)がきっかけでボクシングをやることに。
動機は不純かもしれないが、少しずつボクシングにのめり込む一子。
これまでの転落人生を振り払うかのごとく、トレーニングに励む。
彼女を突き動かしているのは怒り。
あいつやあいつ、そして今までの自分をぶちのめす。
コンビニでのシャドーボクシング。
ジムでのトレーニングシーン。
川辺でのダッシュシーン。
ここら辺の一子が変化していく過程は観ていて鳥肌が立ちましたよ。
めちゃくちゃシビれました。
本作屈指の名シーンじゃないでしょうか。
そして初試合の控室からリングに上がるまでのスローで流れる入場シーン。
これまでの一子の生き方や成長っぷりを思うとこれまた鳥肌もん。
最高にアガった瞬間。
正直、クライマックスの試合は涙しながら応援していました。
そして試合が終わり、一子の号泣をみてこちらも感涙。
あの最後の一言がまた、これまでの一子の生き方と重ねるとね。
これからの一子の未来にはどんな人生が待ち受けているのか。
良くなるのか悪くなるのか、それは想像もつかないが、とにかくこれまでの堕落した生活、
人生とは完全におさらばできたんじゃないかな。
最高の負け犬映画。
今年ベスト級の作品です!!
本作はやっぱりキャスティングの勝利かな。
とにかく安藤サクラさんが最高!!
冒頭のぐでっとして締まりのない表情と体型。
そこからクライマックスの戦う女の表情としまりきった体型。
本作の撮影期間は2週間だったんですって。
それを考えると本当に凄い!!
まさに役者!!ですね。
本当に素晴らしかったです。
主題歌も良かったな。
クリープハイプの「百八円の恋」。
本作もこの映画を観て作ったからかとてもマッチしていてこれまた素晴らしかったです。
いやぁーーー、とにかく素晴らしい作品でした。
≪点数≫
10点
(15.05.09鑑賞)
満足ならクリック!!
2015-06-25 Thu
2011年制作 独/トルコ
監督:ヤセミン・サムデレリ
≪キャッチコピー≫
『 - 』
≪ストーリー≫
トルコからドイツに移り住み、一生懸命働きながら一家を支えてきたフセイン(ヴェダット・エリンチン)も今や70代。彼は一見平凡そうに映る大家族の中で孫たちに囲まれて平穏な日々を送っていたが、息子や孫たちはそれぞれ悩みを抱えていた。ある日、フセインは、今度の休暇には全員で故郷トルコに買った家を訪れようと提案するが……。
≪感想≫
掘り出し物発見。
のんびりほのぼの暖かいお話。
トルコからドイツへ渡ったある家族がトルコへ里帰りするお話。
その中から見えるトルコやドイツの歴史的背景。
その昔、ドイツは労働者確保のために諸外国から移民を受け入れていたみたい。
出稼ぎというやつですな。
トルコも決して裕福な国ではないので本作のおじいちゃんのように、家族のために
ドイツに渡り、お金を仕送り続けていたようで。
そしてある日をきっかけに妻や子供も呼び寄せそのままドイツに住む。
本作は監督であるヤセミン・サムデレリさんのおじいさんをモデル作られた作品だそうで。
なるほどねぇ・・。
ドイツからトルコへの珍道中。
家族でのロードムービー。
テーマは違いますが以前観た良作「リトル・ミス・サンシャイン」を思い出したり。
本作、登場人物が結構多くって。
誰がどの立ち位置なのか全然説明が無いんですよね。
誰が誰の子どもで、誰と誰が夫婦で、最初はピンとこないんです。
ただ、少しずつ少しずつピースが繋がっていくように分かってくる。
ここら辺は上手だなって。
過去の自分と、現在の自分が同じ画面に映し出されるシーンも多々あって。
キャスティングの妙もあってか感慨深いシーンに仕上がっている。
ノスタルジックで良い感じなんです。
トルコの風景もとても暖かくて素敵。
お話、風景、どれもが陽気でやわらかいというか。
キャスティングも良かったです。
孫のチェンクくん。
なんて愛くるしいフェイス。
じいちゃんと一緒に床屋で顔剃りしてもらっている所なんて、ほのぼのしすぎでしょう。
肝っ玉母ちゃんも良かったし、子供時代の3兄妹も良かった。
何より彼ら彼女らは家族をとても愛し、大事にしているという空気感が醸し出されている。
何だかんだで支え合っている雰囲気がこれまた心地良かったんです。
テンポの良い展開と会話。
柔かいトルコの風景。
心地良い良作でした。
≪点数≫
7点
(15.05.09鑑賞)
満足ならクリック!!