サムスン物産と第一毛織の合併に反対する米国系ファンド「エリオット」が出した仮処分申請2件が一審ですべて棄却された。ソウル中央地裁は7日、サムスン物産が友好勢力を確保するため自社株を売却するのを防ぐべきだという仮処分申請を棄却した。1日には合併決議のための株主総会を開けないようにすべきだという仮処分申請を棄却している。
エリオットは先月、サムスン物産株7%を取得して3大株主になった。経営に参加したいという意向も明らかにしている。その後、「サムスン・グループ経営一族の経営権継承のため、第一毛織の株主には有利でサムスン物産株主には不利な合併が進められている」として、訴訟を起こした。サムスンは「法にかなった手続きに基づき合併が進められているので問題ない」という考えだ。
最近は英国系ファンド「ヘルメス」がサムスン精密化学株5%を買うなど、ほかのサムスン系列企業に対し攻撃する動きもある。また、「現代自動車や現代重工業グループなども外国ファンドのターゲットになるかもしれない」という声もある。2003年にはソブリン・アセットがSKの経営権を、06年には「企業ハンター」のカール・アイカーン氏がKT&Gの経営権を脅かした。韓国の大手企業が外国ファンドの攻撃対象になっているのは、経営権を守る手段があまりないことと関係がある。
韓国の商法は株主平等の原則に基づき、「1株1議決権の原則」を守っている。しかし、先進国ではこの原則を弾力的に適用している。フランスの商法では株を2年以上長期保有している株主に対して議決権を2倍にできるようにしており、短期投機資本が経営権を脅かすこと防いでいる。米グーグルの創業者は1株につき10の議決権を持つ「クラスB株式」を持っており、全議決権の60%を行使している。既存の株主に会社の新株を安く買える権利を与える 「ポイズン・ピル」や、1株しか持っていなくても主要案件を決定できる「黄金株」なども先進国では認められる。
韓国にこうした制度がないのは、大手企業が国民の信頼を積み重ねられなかったからだ。 2%余りの株でグループ経営の全権を振るったり、変則的な経営権継承をしたりして批判を浴びているため、必要な制度も特恵だと認識されているのだ。だからと言って、外国投機資本の攻撃に韓国企業が振り回されるの放置するわけにもいかない。先進国の企業と同じ武器が持てるようにすべきだ。外国ファンドを差別してもいけないが、外国ファンドだけが有利なゲームのルールを提供し、韓国市場を外国ファンドの「草刈り場」にしてやる理由もないはずだ。