コラム:NYSEなどの障害、システム相互連関の未来を暗示
By Antony Currie
[ニューヨーク 8日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 「最初は行きずり、2度目は偶然、3度目は敵同士」──。イアン・フレミングの長編小説「007」シリーズの第7作、「ゴールド・フィンガー」の台詞だ。
この台詞は、8日に発生したニューヨーク証券取引所(NYSE)、ユナイテッド航空、ウォールストリート・ジャーナル紙のシステム障害に対して当てはまるのかもしれない。あるいは、「ゾンビ黙示録(世界の終末)」の最初の徴候ととらえることも可能だ。ただ実際には、これらの企業が同じ日に偶然、不運に見舞われただけの公算の方がはるかに大きいだろう。
NYSEとユナイテッド航空は、フロア取引の停止や航空便の運航停止を何時間にも渡りもたらしたシステム障害について、内部的な技術上の問題が原因だとしている。ここ数年、小売り大手ターゲット(TGT.N: 株価, 企業情報, レポート)や金融大手JPモルガン・チェース(JPM.N: 株価, 企業情報, レポート)、連邦政府などのシステムがハッキンング被害に見舞われてきた後だけに、今回がハッキングでなかったことはいくらか気休めになるはずだ。
証券取引所のシステムが停止したのは今回が初めてではない。ナスダックでは1987年と1994年に、リスが電線を噛み切った後にシステムが停止。最近では2013年8月に3時間停止するなど、技術的な問題により証券取引が停止となる事態が起きている。
幸いにも、証券取引所は一般に十分なバックアップシステムを完備している。NYSEに上場している株式の取引は8日、インターコンチネンタル取引所(ICE.N: 株価, 企業情報, レポート)が保有している取引所の電子プラットフォームであるアーキペラゴに加え、ナスダックやBATSなどのライバル勢を通じて続けられた。
だがコンピューターは、自動走行車の事例に見られるように、かつてなかったほど多くの商品を文字通り動かしている。コンピューターはまた、旧来の電力や水資源の業界でも運営上、より中心的な役割を担うようになると期待されている。
こうした状況は、複数のシステム障害が同時に発生する事態がより一般的になることを意味している。相互に関連した障害さえ増えるだろう。例えば交通信号システムが故障すれば運転手のいない自動走行車の走行ができなくなり、自宅のコンピューターに接続された車内のエンターテインメント機器に支障を来すだろう。 続く...