長年テフロン加工のフライパンを使っていたのですが、妻から教えてもらって驚いた話。これ、知らない人多そうですね。



空焚きはダメ!



まず、テフロンについての一般的な知識。「テフロン」はデュポン社の商標で、「フッ素樹脂加工」と同義です。

実は「テフロン」も、これと同じで、デュポン㈱の商標名が一般化してしまったものであり、総称名で言えば「フッ素樹脂」なのです。

「テフロン」と「フッ素樹脂」は、どこが違うの?


フッ素加工はびっくりするほど焦げ付かないですよね。あれは、摩擦係数の小ささのためとのこと。

まず、メーカーの宣伝文句では、「こびりつきにくい」、「焦げ付きにくい」をうたっています。 それは、フッ素樹脂の特性のひとつである、「摩擦係数が格段に小さいこと」にあります。

表面が氷以上にツルツルで、触れた物体は、摩擦による抵抗が少なく、その上をよく滑るのです。 その結果、フライパンに付着した汚れなどが、サラッと落とせる。 これを「こびりつきにくい」と呼んでいるようです。このお手入れの手軽さが一番の魅力でしょう。

フッ素樹脂加工の考察:スタッフ会議:フライパン倶楽部


しかしながら、この樹脂の耐熱温度はそれほど高くなく、一定の温度を超えると有毒ガスになります。

よく報道されていることを、まとめてみますと、フッ素樹脂は高温化になると気化し、その気体には毒性があるということです。

あくまで、正しい温度で使用している限り問題はない。390度以上になると、フッ素樹脂が分解されて、生成される物質によって、鳥類を死にいたらしめる報告があります。

通常の「焼く、揚げる、炒める」調理の上限温度は180度です。240度を越えると油からも煙が出てきます。


普通に使っている限りにおいては問題ないのですが、食材を入れないまま火にかけてしまう、いわゆる「空焚き」をすると、実際に有毒ガスが発生します。以下、神奈川県のサイトに空焚き実験の結果がまとまっています。

(2)カセットコンロによりフライパンを加熱すると5分で370℃に達し、フッ素
樹脂塗膜は 400℃を超えると熱分解が起こりました。
(3)フライパンの空焚きによって423℃でガスの発生が認められました。
ガスの発生は目視では感知できないことが判明しました。

フッ素樹脂加工したフライパンのテスト - 神奈川県ホームページ


神奈川県は、以下の4つの注意点を掲載しています。

○ フライパンの空焚きをしないように気をつける。
○ 水分を飛ばすためなどの空焚きは慎む。
○ 空焚き状態となってしまったら、気づいた時点ですぐに火を止め、窓をあけて、空気を入れ替える。
○ 体に異常を感じた場合は、医師に相談する


また、フッ素加工は強火に弱く、使い方次第ではすぐにこびりつくようになってしまいます。うちも半年持たない…。エコじゃないですよね。

フッ素樹脂加工フライパンは、もはや消耗品のような感覚で売り買いされています。 メーカーとしては、商品の回転を良くするので、喜ばしいことなのかもしれません。 その意味では、資本主義社会の申し子とも呼べるのでしょうか。 ただ、この流れをそのまま続けて行けば、資源を使い、ゴミを増やすのは必然です。

フッ素樹脂加工の考察:スタッフ会議:フライパン倶楽部


これ知らなかったのですが、フッ素樹脂加工のフライパンは強火で使わないでください、という注意書きがあるそうな。ガーン、メラメラと強火で調理していました…。

大方のフッ素樹脂加工フライパンには、「中火以下で使用して下さい。」と説明書に記載があります。 さて、ここで注意したいのは、「中火とは何か?」 人それぞれ、自分なりの中火の解釈があるものです。 中火の正しい定義は、ガスの炎であれば、炎の先端がちょうど鍋底に触れる程度のものです。

スタッフ会議:フライパン倶楽部





鉄フライパンがいいらしい






何だか異様に調理器具に詳しい「フライパン倶楽部」によれば、フッ素加工(テフロン)鍋の代替品としては、「鉄」がオススメだそうです。

油馴染みが良く美味しく調理ができる。
焦げ付いても磨いてお手入れができる。
錆びにくいフライパンも登場している。
使い捨てではなく末永く使用できる。

フライパンで鉄をおすすめする理由:スタッフ会議:フライパン倶楽部


ただし、フッ素樹脂加工のものに比べて、手入れの手間はどうしても掛かるそうです。道具を育てていく楽しみを味わえる方には、とてもいい調理器具となりそうです。


鉄のフライパンは育てるように使うと言われているのは、この様な事からもあると思っています。

これまでお話してきましたように鉄のフライパンにはコツがあったり、得意でない所もあったりもしますが、体に良いこと、熱源を選ばないこと、空焚きにも強いこと、そしてご家族の健康や、お子さんの成長、鉄が引だすお料理の楽しさなど、良い所がいっぱいあるのも鉄フライパンです。私達の鉄フライパンはたのしい道具なんです。

鉄フライパンについて





ステンレスもいいらしい





鉄以外にも、ステンレスもいいらしいです。ただし、使い方にはコツが必要で、失敗すると焦げ付いてしまうそうで。



焦げつかせない為には、鉄のフライパンと同じように油をよく馴染ませることが必要です。

ステンレスは熱の伝わりが悪いため、事前に油とフライパン全体をムラなく熱することが馴染みよくするポイントです。

1.フライパンに油を垂らします(広げないようにします)
2.強火、もしくは中火で熱します
3.油が自然に広がってきたら、弱火にします(煙が出たら熱しすぎです)
4.油を広げ、金属面と油が馴染んだら(油が水のようにシットリした感じなります)調理を始めます。

途中で弱火にすることで、フライパン全体をムラなく熱します。こうすることで、油が全体に馴染みます。

ステンレスフライパンの使い方と手入れ



余熱の時間をじっくり(4〜5分)かけることが鍵らしい。時間的に余裕がないとイライラしそうですね。




うちはテフロンのフライパンや鍋を捨てる罪悪感に耐えられないので、鉄フライパンに切り替える予定です。今のところ下記の「極(きわみ)」を検討中。さびにくい窒化鉄加工が施してあるのがポイントですね。気になる方はAmazonレビューをぜひ。