日本代表の清武選手が来季からチームで背番号10を背負うことが発表されました。残留がかかった試合で決勝点を決めるなど大事な場面で活躍を果たしたことによる、チームからの信頼の現れですね。
これで清武選手はヨーロッパ主要リーグで10番を背負う4番目の日本人選手ということになりました。今回はこれまでに、そして今現在4大リーグでエースナンバーを背負う日本人選手の活躍ぶりを振り返ってみたいと思います。
中田英寿【パルマ(セリエA)’01~’04、フィオレンティーナ(セリエA)’04~’05】
ローマでスクデットを獲得し、33億円(当時レート)という当時のアジア人最高移籍金額でパルマへ移籍し、10番を背負いました。司令塔のポジションから、この後チェルシーへ移籍する元ルーマニア代表のムトゥと、インテルに移籍する元ブラジル代表のアドリアーノを自在に操り、チームの躍進に大きく貢献しました。
その後ボローニャへのレンタルを経た後、フィオレンティーナでも10番を背負いました。しかし、ペルージャ、ローマ、パルマ時代ほどの活躍を果たすことはできず、06ドイツW杯に向けてイングランドのボルトンへと移籍しました。
中村俊輔【レッジーナ(セリエA)’02~’05】
日韓W杯の23人から落選という失意の中、イタリア南の港町で、彼もまたセリエAで10番を背負いました。シーズン開始からスタメンに名前を連ねていたものの、リーグの中で中堅以下のクラブであったレッジーナは中盤を省略し、ディフェンスラインから最前線までボールを放り込むスタイルを繰り返していたため、シーズン開幕当初はなかなか彼の良さが引き出されませんでした。
そんな中でも折れることなく、大事な場面で試合を決定づけるゴールを決めるなど、徐々にチームからの信頼を勝ち取った中村俊輔は、最終的にこのクラブで3シーズンを過ごしました。12得点を記録し、チームの歴代ベストイレブンにも選出されています。
この地での活躍が認められた中村俊輔は、’05-’06シーズンからスコットランドのセルティックに移籍しました。その後の彼の活躍は、改めてここに記すまでもないでしょう。
本田圭佑【 VVV(エールディビジ)’08~’10、ACミラン(セリエA)’13~】
本田が欧州挑戦初年度となったシーズン終了後にVVVは2部へ降格。そんな中で2年目から10番を背負い、1年でチームを1部へと復帰させる立役者となりました。個人としてもリーグの年間MVPに輝き、これ以上ない実績を残しています。
その後、ロシアのCSKAモスクワを経て、現在はイタリアの名門ACミランで背番号10をまとっています。イタリアでの1シーズン目はシーズン途中での加入ということもあり、思うような活躍ができませんでした。2シーズン目は開幕7戦で6得点をたたき出し、一時は得点ランキングトップに立つ活躍を果たしましたが、シーズン途中から負傷やアジアカップでの戦線離脱などもあり、失速。最後に調子を取り返し、試合に出場し続けたものの、結局シーズン当初に固め打ちした6得点に終わりました。
来季からミハイロビッチ新監督のもとで、どのポジションで起用されるのか、そしてどのような活躍を見せてくれるのか、我らが日本代表のエースに多いに期待したいですね!
ブンデスリーガでの日本人選手が初めて背番号10を獲得
他にもVVVでカレン・ロバートや大津祐樹が10番を背負ったことがありましたが、主要4大リーグで日本人が10番を背負った例はこれまでイタリアでしかなかったことが分かりました。つまり、ブンデスリーガで日本人が10番を背負うのは初めてのこととなります。
近年は背番号は多様化していますが、(バロテッリの45番や、長友の55番など)やはりサッカーで言う10番はペレやマラドーナやジーコなど名選手が身に纏ってきたエースナンバーです。ドイツの地で10番を纏った清武選手がチームの伝説的存在となるような活躍をしてくれることを期待しましょう。
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画像版権:ハノーファーオフィシャルHPより
(ライター:谷口隼翔)