NPO法人グローバル推進機構 理事 中園のブログ

教育業界に身を置いて思うこととまわりの景色に感じることをつれづれに書きます。


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とある会社で面接の担当官をしてもらえないかという話があり、3人の応募者の面接官を行った。他人の会社の面接なので失敗しないようについつい丁寧に時間をかけて対応していると、その内の一人が印象的であった。

小さい時の生い立ちから、小学校の時の思い出。中学時代、高校時代に仲間はずれにされたことや、大学に合格せず、専門学校に通った時のこと。100万円の宝くじがあたってそのお金でハワイに行って泥棒にあったこと。
結婚するつもりでのお見合いが何度もうまくいかないこと。とにかく大半が不幸な話なのである。

「大変でしたね!」
何回このセリフを吐いたことか。

また、表情がすごい!目と口と眉毛で話すのだ!もう、顔全体で不幸を伝えてくれる。
人間、相手にかわいそうであると思わせる時にはこんな表情が一番正しいのではないかと思うほどの演技力なのである。

最後は私もため息が出てしまい、今までの不幸とこれから続く不幸に乾杯したくなったほどである。

いかに自分はついていないか、不運の人であるかを猛アピールする彼は、この会社に入って何をやりたいのであろうか。
そのような表現が相手に対してどのように思われるかは考えたことがないのだろうか。




この前、大阪から関空に行くリムジンバスに乗った。
バスを降りたら空港をダッシュするつもりでいたので一番前の席に乗って窓側に座っていた。いつもの時間に追われた出張の始まりだ。

バスが発車してほどなく阪神高速の乗り口に入る前の最後の信号にやってきた。赤信号で停止するため減速すると、高速の入口で「東京」と書いたダンボールの切れ端を掲げている一人の男が立っていた。
彼はバスには見向きもしていないのだが、乗用車に対してその切れ端をアピールしている。

いわゆるヒッチハイクである。

その彼の出で立ちがユニークである。

黒いサングラスにぺったりとしたポマードがテカっている頭髪。
首からキラキラ光るネックレス。赤いスカーフのようなもの、ハンカチかもしれない、を手首に巻いて。鎖がぐるっと腰回りを一周してだらんとそれが垂れていて、邪魔に感じる。
白いとがっているように見える靴。
ひとつひとつがいびつな装飾物ばかりで、当然全体のコーディネートはチンピラにしか見えない。

こんな見ただけで危険だとわかる男をヒッチハイクで乗せる奴がいると思っているのだろうか?
それとも「ヒッチハイク」というコントを高速の入り口でやっているのか。

「乗せてもらう」という依頼をするのだからせめて乗せる側の気持ちを考えれないのだろうか。

私なら立っている彼に近い車線を避けたいと思うほどだ。



教え子の女性に結婚相手を紹介してほしいと言われたので、あんまりお勧めではないのかもしれないと感じていたが、同じく結婚を考えている30代後半の彼を紹介した。
彼は古い友人であり、あまり関係は深くはない。フェイスブックで見つけられて連絡をもらった程度の関係だ。まだ未婚であり、仕事は大手のエンジニアで給与もそこそこあると思ったので、経済的には大丈夫だし、本人も結婚をいの一番に考えているというから、お互いケッコン願望マックス同士、勢いで「イッチまえ!」と紹介相成ったのである。

初めてのデートは天保山で水族館で遊んでその後梅田でイタリアン、と予定だけは親切に立ててあげて報告を待った。

先に連絡があったのは彼女からでほぼブチ切れ状態!

「どないしてん?」
「あの人最悪!ほとんどあの人が話すだけで私の話しなんか昨日の晩御飯何食べたかを話しただけ。」
「えっ、そうなん?」
「水族館も魚の説明に本まで持ってきてて、サメの生態まで教えてくれたわ。あと、鉄道。現在のJRの特急のすべての名称とどこからどこまで走っているかとか、トワイライトエクスプレスが3つの理由で廃止になったこととか・・・・そういやあ、センセも鉄道ファンやったよね!!」
「俺か、まあ鉄道好きやけど・・・・」
「その後イタリアン行ってんけど帰りたかったわ。でもポンテベッキオやったから行きたかったし。」
「うん、ほんで、うまかったんか。」
「ご飯って、何を食べるかじゃなくて、誰と食べるかが一番大事、ってことをあの人は教えてくれたわ!」
「まじか、そらええ勉強なったな!」
「あほ!なにいうてんねん!あの人最悪やで。ご飯の食べ方汚いし、こんなとこ来たことがないから高いんとちゃうんか、て周りに聞こえるように言うし、おどおどしてるねんで。白身さかな用のフォーク、あの人の手に刺したかったわ!ほんだらだんだん気分悪くなって、30分で出てきてん!」
「そら、えらい早かったな。ほんで楽しかったんか?」
「センセ、ええかげんにしてや!今回のことは貸しにしとくからな。」

ガチャ!

こらまずいことしたな!と思ったら、すぐさま彼女からもう一度電話がかかってきた。

「言うの忘れてたわ!食事中の話題はガンダムやから!」

ガチャ!

あちゃー!
良かれと思ってやったことがこうなるとは・・・・
まあ、怒る彼女の気持ちもわかるが、結婚するかもしれない女性の気持ちを少しは計ってデートしてくれよ!




面接官であれ、ヒッチハイクに乗せてもらうドライバーであれ、結婚相手になるかもしれない彼女であれ、「相手の気持ちを考える」ということは目的を達成するためには非常に大事なファクターである。
この峠を超えることなく物事はうまくいかないのではないだろうか。

こんな些細なことで、こんな事態が起こっているのであるから、政治や歴史にもたくさん事例があるだろう。

むしろ「相手の気持ちを考える」という行為ができて、対話を行うことが叶うのであれば、大半のことは事件にならずに話はまとまるのではないのだろうか。

明日から、私も相手の気持ちを考えて対応できるように努力しようっと!

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