2015年7月9日01時24分
不衛生な「母乳」がインターネットで販売されているという報道があり、厚生労働省が注意喚起を求める通知を都道府県などに出しました。母乳が十分に出ずに悩む女性が購入している可能性があると判断したためです。実際に授乳で悩んだ経験のある人たちに話を聞きました。
インターネット上には母乳の売買を呼びかける業者のサイトや個人のブログが複数ある。ある業者のサイトでは「母乳とは人の命の源です」「赤ちゃんは母乳を通し、母親から栄養のみならず様々な免疫力を蓄えています」「質の高い母乳をお届けいたします」とうたう。料金の目安として「母乳月数6カ月50ミリリットル 1200円」などと示している。
厚労省は3日に通知を出した。管理の状況が不明な他人の母乳を飲ませることについて、母乳に病原体や医薬品などの化学物質が含まれていれば、乳幼児に悪い影響を与える恐れがある、としている。
埼玉県の女性(30)は「自分は買わないと思う」としつつも、「母乳をネットで購入するほど追いつめられた気持ちはわかる」と話す。
2年前に出産した。母乳がほとんど出なかった。
子どもを産んだら母乳は自然に出るものだと思っていた。出なかったのが単純にショックで、「飲ませたい」と意地になった。育児雑誌に母乳だけで育てる完全母乳が主流かのように書かれているのも、そんな気持ちに拍車をかけた。
子どもも吸うのを嫌がった。乳首を口に含ませると大泣きする我が子。その顔を見るのがつらかった。「なんで吸ってくれないのよ」と子どもを責めたくなる自分もいて、罪悪感にも苦しんだ。
生後1カ月から、育児用ミルクに混ぜるため母乳を搾ったがほんの少ししか出なかった。半月後にはミルクだけになった。
完全母乳でなく、母乳を足すことさえできないと感じて「母親失格」と思った。
子どもの通院先で医師に「ミルクで育てた」と話すと、「努力が足りなかったんじゃないの」と言われ、さらに深く傷ついた。
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