
即応態勢の保持、情報の継続的入手などで
戦闘力を迅速に、総合的に発揮します

武力攻撃が行われる場合には、周囲を海に囲まれたわが国の地理的な特徴などから、まず航空機やミサイルによる急襲的な航空攻撃が行われ、その航空攻撃は反復されるのが一般的です。防空のための作戦は、侵攻側が攻撃の時期、地域、方法を選択できること、戦いの初期の対応のあり方が作戦全般に及ぼす影響が大きいなどの特性があります。 このため通常から即応態勢を保ち、継続的な情報の入手に努めることで、作戦の当初から戦闘力を迅速に、総合的に発揮することなどが必要とされます。実際の防空においては、敵の航空攻撃に即応して国土からできる限り遠方の空域で迎え撃ち、国民と国土の被害を防ぐこと。そして敵に損害を与え、敵の航空攻撃の継続を困難にするように努めます。
防空作戦の事例

- 注1
- CAP: Combat Air Patrol(空中警戒待機)
敵機の接近に即応できるよう、戦闘機を武装した状態で空中待機させておくこと。
- 注2
- DC: Direction Center(防空指令所)
レーダーサイトなどからの情報をもとに要撃管制などを行う指令所。
侵入した航空機を発見・識別し
敵の航空機に対して要撃・撃破する防空作戦

航空侵犯に対しては、「侵入する航空機の発見」「発見した航空機の識別」「敵の航空機に対する要撃(来襲する空中目標を撃破するため、戦闘機を発進させまたは地対空誘導弾を発射させること)・撃破」といった防空のための作戦が遂行されます。航空警戒管制部隊のレーダーや早期警戒管制機などにより、わが国周辺のほぼ全空域を常時監視し、侵入する航空機をできる限り早く発見します。さらに、自動警戒管制組織などにより、発見した航空機が敵か味方かを識別します。敵の航空機と判断される場合、航空警戒管制組織により、地上または空中で待機する戦闘機や陸上・海上自衛隊の地対空誘導弾部隊に撃破すべき目標を割り当て、管制・誘導された戦闘機や地対空誘導弾で敵の航空機を撃破します。
年度緊急発進回数の推移
※グラフをクリックすると大きなサイズで見ることができます。
