胸を開くという言葉がある。胸を開いたとき、心臓の辺りを目の前の相手に見せるようになる。
以下、その心臓の辺りを裸の自分自身だというイメージを持ちながら読んでもらいたい。
内側に向いている人間は心臓の辺りを隠している。
相手は攻撃されれば、さらにまた胸が閉じて、自分を隠すようになっていくだろう。
そのとき、相手はそういう自分を優しく受け容れてくれることを望んでいるだろう。
焦らずにゆっくりと関係性を築けば良い。
外側に開き過ぎている人間は心臓の辺りを無理矢理に見せている。
相手の呼吸を見る。無理矢理に胸を開けば、そのために上半身は緊張して、呼吸が浅くなる。
呼吸が浅いとき、人は余裕がなくなってしまう。
人間は危機的な状況に陥ると、攻撃するか、逃げるか、どちらかの選択をとる。
こういう相手は攻撃されれば、すぐに攻撃仕返してくる可能性が高い。
もしこういう人と早い段階でラポールを築きたい場合は、攻撃して、反撃を落ち着いて受け止めると良い。
これがいわゆるネグのやり方の一つになる。
こういう人は話すのが早い。その早いリズムに巻き込まれると、こちらも呼吸がどんどん浅くなって、胸が閉じていってしまう。
彼らは他人を攻撃して、相手を弱くさせることで、自分の方が優位に立てることに安心したいのだ。
そして、こうして他人と優劣をつけることが、コミュニケーションをとることだと思い込んで生きている。
内側に向き過ぎるとうつっぽくなる。
自分の思ったことを他人に言えないばかりか、自分でも何を思っているのか分からなくなってしまう。
また、外側に向いているからと言って、うつっぽい傾向がないわけではない。
内側に向いていく自分を無理矢理に外に向かわせているという意味では、内側に向いているだけの人よりもややこしいかもしれない。
そういう人は無理に頑張りながら、自分は誰にも理解してもらえないと思いながら過ごしているかもしれない。
このタイプの人も呼吸が浅くなり、思ったことを他人に言えず、自分でも何を思っているのかを分かっていないことが多いが、彼らは自動的に機械のように喋り続けるので、一見コミュニケーションがとれていると周囲の人は思うことが多い。
内側に閉ざされていく緊張を無理矢理に外側に引っ張り、二重に緊張することで保っている。
外側に引っ張ることが出来なくなったときに、内側にしか向かなくなる。
力が入っていなければ、ある程度開いていて、呼吸は深いことが確認される。
そのとき、相手は素直にこちらと関わりを持とうとしているだろう。