断り文句から読み取ること
声をかけても、色々な断り文句がある。
その断り文句を断りだと思ってはいけない。それがもし、話している当人が本当に断ろうとしていたのだとしても、声をかけた人間はそう思ってはいけない。
相手が何かを言う。反応をしてくれた。話してくれた。
そこには必ず、次の関係性に進むためのヒントがある。
彼女が示してくれた、彼女の心の中への入り口がある。
その一例として、
「もっと若い子に声かけたらいいじゃないですか。」
というものがある。
あなたが声をかけた人が25歳だろうと、30歳だろうと、40歳だろうと、そう言うことがあるだろう。
それは彼女が普段生活している中で感じていることだから、彼女の年齢の問題ではない。
例えば、若い女の子ばかりいる職場で働いていれば、25歳でも
(自分ってもう年だな…)
と感じているかもしれない。
反対に35歳でも、個人で仕事をしていて、色々な人に会うことが多い女性はそんなことは言わないかもしれない。自分に自信を持っている女性は40歳でも声をかけられたことに素直に喜びを感じて、こちらに接してくれることが多い。
そして、その一言から彼女の生活を想像して、そして彼女が普段言われていないことを想像することだ。
彼女はいつも人から
「もう歳だね。おばさんだね。」
などと言われているのだろうか。僕は言われていないと思う。
綺麗だけど、若い時のように、若さと美貌だけでは人を惹きつけられていないということを感じているのだろう。そういう女性に彼女の年齢についてはっきりと言う人は少ない。もしかしたら、そうして心を閉ざし始めている彼女に対して、周りの人間も率直に何かを言うことが出来なくなっているかもしれない。
「もっと若い子に声かけたらいいじゃないですか。」
という一言の中には彼女の価値観、生活の中で感じていることがたくさん含まれている。
コンプレックスを突き刺すように刺激する
それを踏まえた上で、彼女のコンプレックスを突き刺すように刺激していけばいい。
普段その人が言われていないことを言う。
これはナンパの中で最も有効なことだ。
例えば、
「え、そんな年なんですか?」
「いくつですか?そんなに年齢って気になります?」
「年齢を重ねるってどういうことだと思ってます?」
などと聞いてみたらいい。
彼女は普段こんなことは言われないのかもしれない。
ましてや、見ず知らずの人間にこんなことを言われれば驚くだろう。
そして同時に、これは危険な橋を渡ることでもある。
やり過ぎれば怒らせる。ただし、彼女の反応を見ながら、こちらも彼女に対して愛を持っていれれば、危険な橋をなんとか渡ることが出来る。
コンプレックスに対して、抉り込む。
普段、彼女は周りから、綺麗だけど若くはないという扱いを受けているのかもしれない。
或いは自分自身でそう思い込みながら、少しずつ自信を失くし続けているのかもしれない。
そして、直接そういうことを言われることはないのかもしれない。彼女の周りの人間は、彼女に対して、そういうことを言えずにいる。恐らく、彼女はオープンな人間ではないのだろう。だから、周りも彼女に対してオープンに話せない。それは彼女が綺麗だということも影響しているかもしれない。
実際、綺麗で無口な人が年を重ねていった時、段々と周りの人が相手をしなくなっていく。
周りも面倒なのだろう。
誰も彼女を若返らせることは出来ない。彼女自身が自らの年齢に対する考え方を、若さを重要視するものから、美しく重ねていくものなのだというものに変えなければ、彼女の自信は失われていく一方だ。それをわざわざ手助けするくらいなら、若い可愛い女の子と遊ぶ方が楽かもしれない。
コンプレックスを刺激していったら、
「僕はすごく魅力的だと思いますよ。」
と、今まで抉り込んだ傷口に薬を塗込むように言う。もはや、彼女はその傷口があなたに開かれたものだとは思っていない。それどころか、感謝しているだろう。
というのは理想的過ぎるけど、こういうやり方もある。
どうせナンパをするなら、こうして相手の心の奥深くに瞬間的に入り込むことを意識しても面白いかもしれない。
これはカウンセリングのテクニックでもある。
本人が目を逸らしたいこと、自分で気になっているけれども人からは言われたくないこと、そういうことに踏み込むことで深い関係性を瞬間的に作り出すことが出来る。