有罪率99.9%の日本で無罪を2回も勝ち取った男が語る! “ヤバすぎる”刑事裁判の舞台裏とは?
■仕事と信用を一瞬で失う究極の理不尽
人は生きていれば、何らかの“理不尽”に遭遇してしまうことがある。騙される、裏切られる、嫌がらせを受ける、濡れ衣を着せられる……。こういった出来事は、誰の身にも起こり得ることだろう。
そして、理不尽の最たる例が「冤罪」ではないだろうか。さすがに“よくあること”とは言えないが、まるで身に覚えのないことで逮捕され、仕事や社会的信用を一瞬にして失う体験は、想像するだけで恐ろしい。挽回のチャンスは裁判で無罪を勝ち取るしかないが、それを戦い抜くことは、はたして可能なのか──。
2013年7月2日、東京高等裁判所の第506号法廷で、ひとりの被告人に逆転無罪の判決が言い渡された。被告人の名は内田浩樹さん。中古車販売などを営む、当時36歳の男性だ。
■日本でただひとり!? 2度の無罪を勝ち取った男
内田浩樹さん
起訴されたら99.9%は有罪という日本の刑事裁判において、無罪判決が出ること自体、極めて珍しい。しかも逆転無罪、すなわち1審の有罪が覆る判決となると、さらに希有な例となる。内田さんは不幸なことに人生で3度も身に覚えのない事件に巻き込まれ、その内2つで無罪判決を勝ち取っている。こんな経験をしたのは、おそらく日本で内田さんが初めてだろう。
筆者と内田さんは同じサッカーチームの仲間という間柄で、かれこれ10年来のつき合いになる。2012年の秋、そんな内田さんから弁護士経由で手紙が届いた。「冤罪事件で逮捕された。裁判で無罪を勝ち取るから傍聴に来て欲しい」という内容だった。
罪状は「偽造有印公文書行使、有印私文書偽造、同行使、詐欺未遂被疑事実」。漢文の試験問題みたいな文字列だが……平たく言えば「免許証を偽造し、それを使ってお金を騙し取ろうとした」という罪である。
■事件概要:突然、詐欺事件の“首謀者”に…
事件のあらましはこうだ。ある二人の男性が、それぞれ別の場所で詐欺を企てた。偽造免許証を使い、消費者金融の無人契約機でカードを作ろうとしたのだ。ところが二人とも審査の段階で“なりすまし”を見破られ、現行犯逮捕となった。異なる2つの事件だったが、これらの間にはいくつかの共通点が見られた。そして、二人とも「ある人物に指示されてやった」と供述した。その“黒幕”と目されて逮捕されたのが内田さんだった。
事件の詳細は追って説明していくが、刑事裁判に明るくない筆者にとって、こういう罪があることすら知らなかった。裁判で何をするのかも想像つかなかった。最初はただ、友人の応援と裁判への興味という動機から法廷へ足を運んだに過ぎない。
しかし、そこから約1年半、延べ12回の裁判を傍聴していく中で、いろいろと見えてくるものがあった。中でも個人的に衝撃を受けたのは、「ずさんな刑事裁判の舞台裏」と「冤罪事件と戦う孤独」についてだった。
以下、筆者の傍聴記と内田さんへのインタビューを元に、この前編では「ずさんな刑事裁判の舞台裏」、後編では「冤罪事件と戦う孤独」を中心にまとめていきたいと思う。
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