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自殺ほのめかす生活記録ノート、学校で共有されず 岩手

朝日新聞デジタル 7月8日(水)21時7分配信

 岩手県矢巾(やはば)町で中学2年の男子生徒(13)が電車にはねられて死亡した事故で、この生徒が同級生から暴行を受け、自殺をほのめかす記述を残していたノートが、学校内で共有されていなかったことが、学校への取材でわかった。

 学校側は、生徒へのいじめの有無に加え、担任教諭や学校の対応が適切だったかどうか調べている。

 7日夜の保護者説明会で、学校の校長は、生徒が担任とやりとりしていた「生活記録ノート」について、生徒が亡くなった後の6日に初めて内容を確認したことを明らかにした。「なぐられたり首しめられたり」といった記述も初めて知ったという。説明会後、「ノートに書かれている内容を校内で共有していなかった」と語った。

 担任が校長にノートの内容を報告していなかったとみられる。町教育委員会の立花常喜・学務課長は「学校はノートの内容をもう少し問題視して何らかの配慮をするべきだった」と話す。

 また、学校は、いじめを早期に発見する目的で毎年度計3回、全校生徒を対象にアンケートを実施してきたが、5月分について「行事で忙しかった」として実施していなかった。

 生徒は5日夜、矢巾町のJR東北線矢幅駅で電車にはねられ死亡した。岩手県警は自殺とみて調べている。(斎藤徹)

朝日新聞社

最終更新:7月8日(水)22時16分

朝日新聞デジタル