テレビ離れ:傾向強まる…短時間視聴が増加 NHK放文研

毎日新聞 2015年07月07日 16時47分(最終更新 07月07日 22時05分)

=iStock(写真はイメージです)
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 NHK放送文化研究所は7日、ビデオやDVDの再生を除くテレビの1日の視聴時間を「30分〜2時間」もしくは「ほとんど、まったく見ない」と答えた人の割合がそれぞれ5年前と比べて増加したと発表した。30分〜2時間の「短時間視聴」の割合が増加傾向となったのは1985年の調査開始以来初めて。テレビ離れの傾向がうかがえる。

 調査は2〜3月にかけて、全国で16歳以上の男女3600人を対象に実施し、2442人が回答した(有効率67.8%)。

 1日の視聴時間を30分〜2時間と答えた人の割合は2010年は34%だったが、15年は38%で4ポイント増えた。「ほとんど、まったく見ない」人の割合も15年は6%で前回比2ポイント増だった。

 年代別では70歳以上の約6割が4時間以上の「長時間」視聴だったが、全ての年代で2時間以下の割合が上昇、10〜50代では5割以上に達した。

 また、メディア別の接触頻度では、毎日テレビに接触する人の割合は79%で5ポイント減、新聞も58%で10ポイント減だった。一方、インターネットは38%で11ポイント増、録画したテレビ番組は16%で8ポイント増だった。

 同研究所世論調査部の中野佐知子副部長はインターネット環境の向上やデジタル端末の普及を踏まえ、「メディア環境の変化によって、わずか5年の間に、テレビの見方に大きな影響が出始めている。テレビ離れの兆候は若い世代だけでなく、少し上の世代にも出てきている」と話した。【須藤唯哉】

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