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 動揺が続く中国の株式市場は8日、代表的な指数の上海総合株価指数が一時、前日の終値より8%以上も急落した。その後、やや値を戻し、同3・88%安で午前の取引を終えた。全体の約半数の銘柄が取引停止を申請しているとも報じられ、異常事態の様相が強まっている。

 上海総合株価指数は取引開始後に一時、3421ポイント付近まで値を下げた。直近のピークだった6月12日の終値から約3分の2になった計算だ。自社株が急落に巻き込まれることを避けるため、「重大事項の準備をしている」といった理由で取引停止を申請する企業が急増。中国の全上場企業の半数以上にあたる1429社に上るとの報道もある。

 証券当局の中国証券監督管理委員会は8日、「市場にパニック心理がある」と認めた。中央銀行の中国人民銀行も同日、「流動性を供給し、金融システム不安が起こらないようにする」との緊急声明を出した。(北京=斎藤徳彦)