地震保険料:16年秋にも19%引き上げ…家庭向け

毎日新聞 2015年06月15日 19時23分(最終更新 06月15日 19時28分)

 政府と損害保険各社は15日、家庭向けの地震保険料を2016年秋にも全国平均で19%引き上げる方針を固めた。大規模な地震が発生するリスクが高まっていることを踏まえ、保険金の支払い余力を高める必要があると判断した。引き上げ方法などを月内に詰め、決定する。地震保険は東日本大震災を受けて昨年7月に全国平均で15.5%も引き上げられており、家計の負担は増すことになる。

 保険料の引き上げに伴い、算定根拠となる損害の区分も見直す。現在は契約金額の全額の保険金を支払う「全損」、50%を支払う「半損」、5%を支払う「一部損」と、損害の状況に応じて三つに区分されている。ただ、各区分で支払額に大きな差があり、加入者から不満が出ていた。新たな区分は、現在の「半損」を、60%を支払う「大半損」と30%を支払う「小半損」の二つに細分化し、全体を4区分にする方向で調整している。

 地震保険は、揺れや火災、津波などで建物や家財が被害を受けた際に補償する保険で、火災保険とセットで加入する。損保各社が政府と共同で運営している。保険料の見直しは、昨年末に政府の地震調査委員会が公表した被害予測などで大規模地震が発生するリスクが全国的に高まったことを受け、損保各社でつくる損害保険料率算出機構が検討していた。

 16日に開く地震保険のあり方を検討する財務省の有識者会合が、引き上げを何回に分けて実施するかなど詳細を議論する。機構は有識者会合の結論を踏まえ、今夏に金融庁に保険料の引き上げを届け出る。【土屋渓】

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