関西電力:最大出力の揚水「奥多々良木発電所」報道公開
毎日新聞 2015年07月08日 21時50分(最終更新 07月08日 22時36分)
関西電力は8日、揚水発電では出力が国内最大の奥多々良木発電所(兵庫県朝来市、193.2万キロワット)を報道陣に公開した。保有する原発全基が動かず、火力発電のトラブル停止も相次ぐ中、夏場の電力需給の逼迫(ひっぱく)に備え、電力を蓄える機能を持つ揚水発電の重要性が増している。
同発電所は上部にある黒川ダムと、下部の多々良木ダムを水路(全長約4キロ)でつなぎ、水が落下する際のエネルギーを活用し発電する。電力消費が少ない夜間にポンプを活用して上部のダムに水をくみ上げておき、必要な時に水を流す。運転開始後数秒で最大出力を得られるため、夏場の電力需要急増時や、火力発電所のトラブルなどで需給が逼迫した時などに機動的に電力供給を補える。
関電は、原発を代替してきた火力発電所のトラブル停止などで今夏の電力供給余力(予備率)が必要最低限の3%ギリギリ。萩原春樹所長は「揚水発電は(電力需給安定の)最後のとりで。役割は増している」と話した。【古屋敷尚子】