中国ファンド、株のヘッジ目的でコモディティ売りへ

2015年 07月 8日 19:08 JST
 
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[香港/北京 8日 ロイター] - 中国の株式相場が連日大幅下落する中、ヘッジファンドが投資資金を国内の鉄鉱石やゴムなどコモディティ市場に移して空売りを浴びせる動きが出ている。

株式相場の下落を受けて追加保証金(追い証)のためにコモディティの売りを迫られているほか、海外投資家の中国市場逃避を利用して空売りで利益を出そうとする投資家もいるという。

中国のある大手ヘッジファンドのトレーダーは「中国のファンドは最近、コモディティへの投資を増やしてきた」と指摘。株式については市場環境が不透明であるため、短期的売買にならざるを得ず、「株式市場での好機は当面ない」と述べた。

中国では近年、秘密主義のファンドが影響力を拡大しており、最近の銅価格急落の背景には彼らがいたのではないかとの観測も。8日、大連商品取引所の鉄鉱石先物は約8%下落し、1トン当たり349元(56ドル)と過去最安値を記録した。上海先物取引所の鋼鉄、ゴム、銅、ニッケルなども売られた。

ある資産運用担当者は、株式相場の「メルトダウン」を規制当局が阻止できなかったために、外国人投資家は中国から資金を逃避させたと指摘。「コモディティ取引の大半は、ファンダメンタルズではなくセンチメントによって下限値が設定されている」と述べた。さらに「彼ら(ファンド)は株式の買い持ち高のヘッジ目的でコモディティをショートにしている。政府は株式をショートに傾けることを禁じたため、ファンドはショートにできるものなら何でも売っている」と話した。


 
 
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