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岩手 いじめ早期発見のための調査実施せず
7月8日 18時43分

岩手 いじめ早期発見のための調査実施せず
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岩手県矢巾町で中学2年の男子生徒が「暴力を受けた」、「死ぬ場所は決まっている」といじめをうかがわせる内容を学校のノートに書き残し、自殺したとみられる問題で、中学校は、いじめを早期に発見するため行うことにしていた生徒や保護者へのアンケートを、今年度は実施していなかったことが分かりました。
今月5日、岩手県矢巾町のJR矢幅駅で、中学2年の村松亮さん(13)が列車にはねられて死亡し、警察は自殺とみて調べています。
村松さんは、担任の教諭と日々の出来事をやり取りする「生活記録ノート」に「ずっと暴力」、「ずっと悪口」などと記し、最後のページには「死ぬ場所は決まっている」などと書き残していました。
矢巾町教育委員会によりますと、この中学校は、おととし施行された「いじめ防止対策推進法」を受けて、いじめを防ぐための基本方針を作り、早期発見への取り組みなどを示しています。
この中で、生徒や保護者から情報収集を定期的に行うため、生徒を対象にしたアンケートを年に3回行うと定めていましたが、今年度最初の5月分はスポーツ行事で忙しかったとして実施していなかったことが分かりました。
さらに、同じく先月、予定していた保護者へのアンケートも行っていなかったということです。
中学校の基本方針では、いじめを早期に発見するために、担任の教諭は「生活記録ノート」などを活用するとしていますが、中学校によりますと、今回のノートの内容について担任の教諭から報告はなく、学校として、いじめをうかがわせる事態が起きているという認識はなかったということです。
これについて、矢巾町教育委員会の立花常喜学務課長は、「みずから定めた方針を守っていなかったのは残念で、今後、適切に実施するよう指導したい」と話しています。

全校生徒対象にアンケート

中学校は、いじめが疑われるトラブルがなかったかどうか、全校生徒を対象にしたアンケート調査を行っています。
調査では、知っていることを記入するアンケート用紙を7日全校生徒450人余りに配布し、すでに記入を終えて回収しているということです。
また、2年生全員と、同じ部活に所属していた生徒たちから、聞き取り調査を進めています。
学校は、早ければ8日にも聞き取り調査を終え、いじめが疑われるものがないかどうか精査することにしています。

いじめの対策 進められるなかで

いじめの問題を巡っては、おととし「いじめ防止対策推進法」が成立し、すべての学校にいじめを防ぐための組織を作って情報を共有することなど基本方針が定められました。
きっかけは、4年前、大津市で中学2年の男子生徒が自殺するなど、全国でいじめを巡る問題が相次いだことでした。
おととし10月にまとまった基本方針には、すべての学校がいじめ防止のための方針を策定すること、複数の教員や心理や福祉の専門家による組織を作ることなどが盛り込まれています。
この組織がいじめに関する相談や通報の窓口となり、情報の収集や共有、保護者との連携など、対応の中核的な役割を担うことが想定されていて、「教職員は、ささいな兆候や懸念、児童生徒からの訴えを抱え込まずにすべてこの組織に報告・相談する」と明記されています。
文部科学省が去年10月1日の時点で取り組みが進んでいるかどうか調べたところ、96.4%の小中学校と高校がいじめ防止のための方針をすでに策定しており、中核となる組織は98.5%が設置済みでした。
また、文部科学省は子どもの自殺が起きた場合の調査の指針を、去年、見直し、すべてのケースで自殺を把握したその日から調査を開始し、教職員からの聞き取りを3日以内に終えること、学校生活と関わりがあるとみられる場合は、第三者機関を設けて詳しく調べるよう求めています。

いじめの件数の推移

文部科学省は、昭和60年度から毎年、学校が把握しているいじめの件数を調査していて、平成18年度に12万件を超えて以降、減少傾向にありました。
しかし、4年前、大津市で、いじめを受けた中学2年生の男子生徒が自殺するなど全国でいじめを巡る問題が相次いだあと、平成24年度の調査では、その前の年度の2.8倍に増加。
19万8000件余りに上り、調査を始めてから最も多くなりました。
文部科学省は、「いじめが急に増えたのではなく、早期に発見しようという教員の意識が高まったのではないか」と分析しています。
去年、発表された平成25年度の調査では、いじめの件数は18万5803件で、このうち中学校は5万5248件となっています。
また、平成25年度に自殺した児童生徒は240人と、平成に入って最も多くなっています。
文部科学省が、自殺の背景を学校側に聞いたところ、「いじめの問題」があったとされたのは9人で、このうち7人は中学生でした。
いじめが背景にあったとみられる自殺は、この選択肢を加えた昭和62年度以降で最も多いということです。
一方で、自殺の背景が「不明」という子どもが123人と、半数を占めています。
去年、子どもの自殺の実態を分析した文部科学省の有識者会議は、報告書で、子どもが死を話題にしたり、孤立感を訴えたりする場合は、自殺の危険を示す重要なサインと捉えるべきだと指摘しています。

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